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長野宅
長野「続いて、次の話だが」
静岡「どちらにもつかない事を山梨くん以外に言うかってこと?」
長野「その通りだ」
実質、俺達以外の全ての都道府県は立場の表明を実質的に済ませていて、大将の東京と大阪は把握済みだ。
しかし、俺達は?
どちら側にも属していない情報はあるかもしれないが、まだ迷っていると思われ、 勧誘される可能性がある。
東軍の山梨をはじめとした中部地方勢は納得し、黙ってくれる可能性が高いが、東京や大阪がそれを許さない可能性もある。
よって、立場表明は誤解と勧誘のリスクを排除する為に有効な手段だろう。
一方、立場の表明は一見名案かもしれない策だが、言わなければ良かった、と後悔するリスクも存在する。
それは、東軍も西軍も中立を脅かす可能性がある。つまり『敢えて中立を狙う』策を取るかもしれないからだ。
特に静岡は東軍の実力者である神奈川と、西軍の実力者である愛知に挟まれている。この場所を取れば優位に立てると考える者が出てもおかしくない。俺も狙われないとは断言できないだろう。
戦力は俺と静岡しかいないし、能力からして警戒心を削ぐ事や逃げる事くらいしか活用できず、さらに何らかのマイナス能力まである静岡は明らかに戦闘に不向きだろう。
俺も能力を知らないままで束になってかかられたら、彼以上に役に立てず勝ち目がない。
長野「静岡はどう思うか?」
静岡「問われない限り言う気はない」
長野「理由を教えてくれるか?お前の考えが知りたい」
静岡「あまり強くもない僕達二人で組んでるから、集中的に狙われたら絶対に負けて、負かした方につかざるを得ない状況になる。
東京さんと大阪くんも一般市民に手出しをしないってだけで中立を狙わないとは一言も言ってないし。言ってしまうと、誘いがなかった時点で僕達の存在は視野外にある筈。
よって、このまま僕達の存在は一旦忘れてもらって、東軍と西軍にはとっとと勝負つけてほしいなって。その方が面倒臭くない」
長野「…納得はしたが、お前、面倒臭いのが嫌だからではないか?」
静岡「だって巻き込まれたくないし」
…ただ、この口ぶりからして彼はその意見から曲げそうにない。
それに、せっかく東と西の視野外にいるのであれば態々中立を公表するような目立ちに行く行為は自殺行為だ。
彼の案を採用するか
長野「お前の案に納得した。」
静岡「了解。…………あと、お腹空いたんだけど。もうお昼だし」
長野「それぐらい自分でなんとかしろ……」
ーーーーー
静岡「…と言いつつ、来てくれるんだ」
長野「お前が長野に来るのは珍しいからな。信州そばでもどうだ?…言うまでもなく割り勘だが」
静岡「それでいい。……君の所の蕎麦って美味しいし」
いつ俺達も非日常になってしまうかは分からない。 だからこそ、…俺はあまり率先して楽しむ、という事は得意ではないが、この日常を楽しむしかないか。
ーそば屋ー
店員A「いらっしゃいませーおひとり様ですね!」
静岡「え?」
長野「ん?……一人ではないが」
店員A「って、静岡さんじゃないですか!私、出身は静岡で、最近ここに引っ越したんです。
……こんな大変な時に長野県に御一人で…?? 」
長野「いや、俺も居るんだが…」
店員B「長野さんも居ますよ先輩」
ともう1人の店員が指摘すると、俺に気づかなかった店員はおおいに驚いた様子だった。
店員A「えぇ……??…あ、いたー!??気づかなかったわ。お二人様御来店でーす!!」
……ん?
店員C「お水を用意致しましたわぁ。ほな、ごゆっくり」
静岡の所にしか飲み物がない…???
静岡「あの、水が一人分しかないのですが……」
店員C「いやいやいや、何か変なもんが……あぁ、長野さんがいましたわ。堪忍え、もう一つ用意致しますぅ」
〜食事タイム→帰宅〜
長野「……………」
静岡「長野くん……その」
長野「俺の、マイナス能力は存在感が薄い事、なんだな……」
静岡「…ドンマイ、でも今の内に知れて良かった…のか?」
今まで、自分がそこに居るのに存在を気づかれないような事はなかった。自動ドアも反応が悪かったし、確定だろう。
長野「しかし、それならお前は何故俺の事が分かったのだろうか?それに、 山梨も…」
静岡「思った他単純だと思う。…店員さんの反応見た?静岡出身の方と方言的に京都辺りの人は君の事に気付なかった」
〇回想〇
店員A「私、出身は静岡で最近ここに引っ越したんです。 ……こんな大変な時に長野県に御一人で…?? 」
店員C「あぁ、長野さんがいましたわ。堪忍え、もう一つ用意致しますぅ」
〇〇〇
静岡「でも、静岡出身の方に長野くんが居た事を教えてくれた店員さんみたいに、それ以外の店員さんに不自然な点はなかった」
長野「つまり、どういう事を言いたいんだ?」
静岡「君に縁があればある程、その効果はより薄くなる。そうでなければ遺憾なく発揮される。だから、元々の長野県民は気づき、それ以外の県民の方は指摘されない限り気づかなかった。 都道府県でも同じ事、言えるんじゃない?」
長野「確かに、お前や山梨、新潟辺りとは違って俺は中部地方以外の都道府県との縁はそれ程濃くない。本当に俺の存在が東京や大阪の思考外にある、という事なのか」
静岡「その認識で合ってる…けど、マイナスだけどマイナスじゃなくない?それ」
長野「そのような事を俺に言われても……」
明らかに生活する上では不便ではあるが、巻き込まれずにやり抜く上ではこれ以上にない能力だ。やはり、立場を表明しない方が立場を貫きやすいように思える。
静岡「とにかく、長野くんの立ち位置を知って、あわよくば組む事が目的だったから僕は帰る。いつでも連絡して。
……君の連絡だけは見るようにするから」
長野「普段から連絡を見てくれ………」
静岡「えー………」
長野「はぁ……気をつけろよ」
と嫌そうな顔をする静岡に、相変わらずだとため息をつく事しかできなかった。
静岡「うん、お邪魔しました〜」
ーーー
西軍
愛知「…………ったく、全く連絡つかねーんだけど。いつものように未読無視か?東にも西にも行かずに何してんだよ」
岐阜「静岡さんの事ですか?」
愛知「それ以外にねーよ。あいつ、俺が気づかないと思ってんのか?」
岐阜「…東軍に行った山梨さんや新潟さんには貴方は放任だった。例え敵になっても率先して戦わない。それで良いじゃないですか。」
愛知「俺も最初はそのつもりだった。実際長野もよく分からんが何しようと放置でいいと思ってるし」
岐阜「あ、あぁ、そういえば長野さんも所属が分からないのでしたっけ」
愛知「あいつはどうでもいい。山梨や新潟に勧誘されて東に入っても別に。てか、面子的には ほぼ東に行くだろ」
岐阜「なら………」
愛知「数的不利の東軍____いや、神奈川はどう動くか考えてみろ。…隣県を勧誘してもおかしくねーだろ。中部の中なら一番気に入ってそうだし。能力次第だが静岡が神奈川に勝つ未来は見えね。長野ならまだいいが、静岡の経済規模とオレと神奈川に挟まれている配置は無視できないだろ」
岐阜「……あーーーーー(納得)」
愛知「だから、もしも東に居なかったのなら、先に手を打つ必要があるかもしれねーな。北陸に共有する前に、ちょっと考えとくわ。この事他の奴らに言うなよ」
岐阜「は、はい!」
愛知(だって、大阪達に言うと、どうせ大阪が前に出てやりやがって、オレの功績絶対取られるだろ?それに、最終的に______。だから、言ってやんねーぞ)
ーーー
ーーー
東軍
新潟「中部地方が二人だけだと寂しいなぁ。山梨くんだけでも一緒に来てくれて良かった」
山梨「お前に誘われたってよりは東京さんに誘われたからここに居んだわ」
新潟「まぁまぁ、でも山梨くんは思わないの?長野くん達もこっち来てくれたな〜って。長野くんとも静岡くんともよく一緒に居たでしょ?」
山梨「別に戦争の結果はどーてもいいし、殺し合う訳でもねーからさ。強引にでも勧誘する必要性薄くね?」
新潟「僕は友達は多ければ多い程良いと思うけど…。まぁ、君がそう言うのならいいかな。
長野くんには個人的な勧誘はするけどね。どうせ靡かないからいいでしょ」
山梨「はいはい分かりましたよーだ。あいつくそ真面目で頑固なとこあるし」
新潟(山梨くんは長野くんたちは戦争に巻き込まれてほしくないって思ってるのかな。
まぁ甲信越の縁だ。東京くん達には言わないであげよう。だって僕は中部地方の保護者(※自称)だからね)
ーーー
つづく
あとがき
今回では長野のマイナス能力が明らかになりました。このマイナス能力は都道府県らしさよりも、物語としての都合の良さ(メタ)で決めました。 ただ、縁が深い人たちには普通にバレてるので、このように普通に話題に出されます。
(岐阜は東海(主に愛知)以外はあまり眼中にないので、気づきにくかったり…)
東軍の山梨は実質長野達の味方についていますが、新潟は山梨の思いを理解しつつ、長野の勧誘に動こうとし、
西軍の愛知は神奈川への対抗心から静岡に対して何かしら手を打とうとしています。
他の都道府県には共有していないのが救いなのかもしれません。
のんきに過ごしていた彼らは果たして今後、どうなってしまうのでしょうか?
次話から東軍と西軍の他の都道府県もがっつり出てきます。北陸は出したいね。