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紫陽花の花言葉は仲直り。俺にとって紫陽花は、本当に大事な花でもある。
一章
俺には信頼できる人がいた。敬語で話してくる後輩。彼は強くて、数々の戦いに勝ってている。尊敬するし、普通にカッコいいと思う。けど俺は、ソイツと喧嘩してしまった。
「何回言ったら分かるんだ!この作戦じゃすぐ負けるって言っているだろう!」
「先輩の戦法も甘いですってば!本当に勝ちたいのなら、こっちこそ変えるべきではないでしょうか」
言い合いになっていた俺たちは、ソ連という奴の提案で一旦バラバラになることにした。
「もういいです。先輩が居なくても、俺一人で十分だと思いますから。お互い頭が冷えたら、もう一度同盟に戻るか考えましょう。」
二章
「ケンカぐらいでぐすぐす言うなら、ハナからケンカしなければいいのに」
「…うっせぇぼっち野郎」
ソ連は俺にぼっちと言われたのが気にくわなかったらしい。
「ぼっちとはなんだ。ひどいなー。」
やけに棒読みだ。そういえばコイツには子供がいたっけ。
「…おまえはまだ死ぬんじゃねーぞ」
「えっ何急に。おかしくなったの?」
本当にムカつく。心配してやってんのに。 俺が反論しようとしたとき。
「早くアイツんとこ行ってやんな。」
そう言ってソ連は立ち去った。カッコつけやがって。でも、多分俺もアイツがいなくて大丈夫な気がする。
早く戦略考えないと。そう考えた俺は部屋に向かった。
三章
「指揮官ッ!軍が破られました!」
ま、マジかよ。結構良い作戦だと思ったんだけど。
「それと…旭日軍も同様だそうです…。」
…ッ。何やってんだアイツ!
「うちの軍で旭日軍を援護しとけ!破られた軍も撤退し、旭日軍の援護に回らせろ!」
「分かりました。」
やっぱり俺たち、二人三脚で戦うしかないのか。いつ行くかな。今は忙しいしな。
「指揮官ッ!」
「今度は何だ!」
「その…客人が…」
…。なんだ、来たのか。
「通せ」
四章
「援護感謝します。あと、これを渡しに来ました」
そういうと胸ポケットから小さい袋を取りだし、渡してくれた。中には紫陽花の押し花が入ったブローチがある。確か紫陽花の花言葉は…。
ー謝罪ー
「…。」
「せ、先輩?気に入らないなら捨てても…」
「いや、ありがとう。綺麗だな、このブローチ」
そう伝えた時の彼の笑顔は、俺がもう見ることのないものだった。
五章
「おはようございます、ドイツさん。あれ?」
会社入ったとたん鉢合わせた日本は、不思議そうな顔をしている。
「ドイツさんってブローチつけるんですね。」
俺のシャツについているブローチが気になったのだろう。
「これか?親父の形見だ。友人にもらったとか。」
「何処かで見たことある気がするんですよね…。父が似たようなの友達にあげるって言ってたような…。」
そんなことを話しているうちに、朝礼の時間になった。
「あっ、朝礼です!いきましょう、ドイツさん。」
「あぁ。」
少し古びたブローチは、春の光を反射して、キラキラと輝いていた。