テラーノベル
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恋を歌う。
いつまでも続いて欲しい夏を。
あなたに恋をする、そんな私を。
詩に綴り、音に乗せ、誰かに届くようにと。
切なさも甘さもそうやって音楽に昇華して
恋を歌ってきた。
ずっと歌ってきたけど。
解らない、かもな。
恋をしてしまった大切な人への、唄い方。
「元貴」
名前を呼ぶその声はいつも通りなのに。
僅かな緊張感が身体に走り、思わず身構えてしまう。
「……なに?」
聞き返してみたけど、若井が言いたいことは何となく分かる。
そもそも話したいことある、なんて言ってこの部屋に呼んだのも自分だし。
「そんな真面目になんなくていいよ」
あぁ、まただ。
こんな状況でさえ、小さく笑ったその顔に胸を焦がしている。
こんなのは、もうずっと前から。
些細な仕草や表情で 若井へ向ける感情の大きさを実感してしまう。
きっと 若井はそんな気持ちを向けられていることに気付いてる。
自分自身、彼が同じ様な感情を抱いてくれていることには気付いていた。
言葉にしなくとも、ふとした瞬間にそう感じることは何度もあったから。
ずっと その事実に甘えてたんだろうな。
傍に居てくれる事が、好きで居てくれる事が、堪らなく嬉しくて。
それでも この気持ちを伝えるにはあまりにも
近すぎる存在だった。
親友として過ごしてきた時間は、少なくとも自分の中で大切な物になっているから。
伝えることで変わってしまう関係が果たして良いものと言い切れるのか。
何度も考えては怖気付いて、伝えることを躊躇する。
結局、気持ちは大きくなっていくばかり。
曖昧な今を直接言葉にすることで関係がどう変わるかなんて分からない。
部屋に呼んだ今でも、上手く話を言い出せずに居る。
何を言われるのかなんて 若井も薄々わかってるだろうけど。
「…そーね。緊張することもないか」
肩の力が抜けるように小さく呼吸をして、呟く。
なんて言ってみても 緊張するものはするし不安感だって拭いきれてない。
相反した想いが焦燥感を生み、上手く目を合わせられずにただ視線を落とした。
今更気にしたってどうにもならないのは、分かってるつもりだけどな。
「無理に言わなくていいよ」
そんな言葉が落ちたと同時に、腰をかけていたベットの軋む音が聞こえて。
隣に腰を下ろした若井がまた零す。
「関係を変えるのって簡単じゃないもんね」
その一言に、違和感を感じた気がした。
「その事で少しでも悩ませるぐらいなら今のままがいいかな」
胸の奥に何かがつかえるような、僅かな違和感。
「多分もう悩ませてるんだろうけど」
困ったように小さく笑う若井の表情が、酷く息を詰まらせた。
なにそれ、全然違う。
向けられた好意に悩んでるとか、そんなんじゃない。
小さく息を吸って 真っ直ぐにその目を見つめた。
怖いとか、不安とか。
そんな自分勝手な思いより 大切なこの想いを伝えたい。
「……若井、聞いて」
恋の歌のように上手くは伝えられないけど。
今まで唄ったどんな愛よりも真っ直ぐな言葉で紡ぐから。
「…好きだよ、愛してる。」
コメント
6件
マジギュンギュンギュン‼️って感じですね(?)
あ""ぁ"あああ""ァアア"!!!!😭😭😭 最後っ、!!最後ッ!! 最高すぎますて、😵😵発想まじ天才ですかね?!! 天才という言葉以外認めませんからねっ!!!?(?

んンォん”!!! ォォンオ”!!!!! あま……あまっ……あまーいっっ!! もう、読んだあとの私コレです→🤦🏻♀️💞 最後の言葉……好きと愛してるの両方言うとかっもうっ………\( 'ω')/エンダァァァァァァァァァァァァァイヤァァァァァァァァ!! いちさん……このふたりを生み出してくださりありがとうございます……