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こういうのなんて言うの・・・地獄絵図

恐れていた事態。挿れる寸前?挿れた後?まぁどっちでもいいけど。


蓮 🖤『そこに2人とも座りなさい💢舘さんの家で主人の不在時になんて事を・・・』


悪い事をしていた自覚があるのだろう。2人して床に正座している。翔太くんはすでに泣いている。


蓮 🖤『泣けば許されると思ったら大間違いだよ翔太』


さらにギャン泣きの翔太くんの背中を摩りながら俺を睨みつける阿部ちゃん。


蓮 🖤『君にそんな目で俺を睨みつける権利ないと思うけど』


亮平💚『蓮こそ、ここにいる権利ないね。もう翔太は俺のものだ。いい加減翔太と別れて』


このまま話せば阿部ちゃんを殴りそうだ。2人の洋服を寝室で見つけると投げつけた。


蓮 🖤『早く着ろ』


着替えるや否や翔太くんの腕を掴む。


翔太💙『痛い痛いよ』


蓮 🖤『自分だけが痛いとでも?俺が悲しむってわからないの?俺の心を傷つけてどうしていつも平気でいられるの?』


気付いたら今度は、俺が泣いていた。俺に翔太くんを責める権利なんてないだろう・・・


亮平💚『翔太を責めないで俺が』


蓮 🖤『黙れよ!俺と翔太の問題。阿部ちゃんには関係ない事だ』


翔太くんの腕を掴む俺の手を、阿部ちゃんが剥がそうと躍起になっている。


亮平💚『ダメ翔太行ったら・・・翔太ダメになる。蓮といても幸せになれない。嫉妬され束縛されてこんな不自由な翔太見ていられない』


蓮 🖤『離せ💢誰にでも抱かれる事が自由?皆んなどうかしてる。俺もどうかしてた・・・とにかくちゃんと2人で話をするから、その手を離して。俺も翔太くんに謝らなきゃならない事がある』


だらりと力なく腕が下ろされると、阿部ちゃんは翔太くんに駆け寄り〝いつでも待ってるから〟と言って抱きしめた。翔太くんは下を向いたまま、床を涙で濡らした。


蓮 🖤『乱暴にしてごめん。行こうか?』


差し出した手には触れずに翔太くんは俺のシャツの裾を掴んだ。

また翔太くんが俺から離れていく感覚がある。

翔太くんの車を俺が運転して2人のマンションへ向かった。



輝きに、満ち満ちていたはずの部屋は、カーテンが閉められ、薄暗い。

新しくお揃いで買った色違いのメンカラのマグカップが、寂しそうにキッチンの流しで主人の帰りを待っていた。


蓮 🖤『コーヒーでいいね。座って』


カーテンを開け、窓を開けると眩しい光が部屋いっぱいに差し込んだ。引っ越してきた日と同じ、梅雨の晴れ間。水を浴びて空気が澄んでいる。

流しのマグカップを洗いコーヒーを注ぐといい匂いが鼻を抜ける。


蓮 🖤『どうぞ』


向かい合って座ると、翔太くんは下を向いたままコーヒーには手をつけない。俺は一口啜ると、翔太くんの元へ擦り寄って目線の高さまで跪くと、手を握った。目に涙をいっぱい溜めている翔太くんを見つめる。


蓮 🖤『ごめんね。今から辛い事話すけど最後まで聞いて』


翔太💙『イヤだ・・・別れるって話なら聞かないぞ』


蓮 🖤『翔太の方から別れたいって言うかもしれない・・・』


翔太くんは不安げで目をキョロキョロさせている。自分の手首に爪を立てきつく握っている。


蓮 🖤『ラウールと・・・ヤッた』


翔太くんは無言で俺の頬を引っ叩くと、軽蔑の目を向け、寝室に閉じ籠った。部屋からは翔太くんが子供みたいに大きな声で泣いてる声が、漏れ聞こえてくる。

俺は机に突っ伏して静かに泣いた。

一時間程経った頃、翔太くんが部屋から出てきて、俺の手を掴むと、ソファーへと誘導した。


翔太💙『蓮は・・・俺と別れたいの?ラウール好きになったの?』


蓮 🖤『違うよ。翔太くんを愛してる。何でそんな事したかは、言い訳になるから言いたくない。浮気した事は変えようのない事実で・・・すごい後悔してる』


翔太💙『言い訳してよ?・・・こんなに辛いんだね。今まで蓮に何度もこんな辛い思いをさせてきたんだね・・・ごめん』


蓮 🖤『翔太くんとは違うよ!翔太くんは悪くない。俺は、自分の意思でそうした。許して欲しいなんて言えない』


2人して顔がぐちゃぐちゃだ。涙で互いの顔が見えないくらいに泣いている。


翔太💙『許してって言ってよ!俺のせいだって言い訳しろよ!じゃなきゃ2人で生きて行けない。俺は蓮と生きて行きたいんだ』


今度は俺が子供みたいに泣いた。いつだって翔太くんは真っ直ぐで嘘偽りがない。誰にでも好かれて、皆んなに愛を平等に与える人だ。

そんな翔太くんが俺にだけの〝特別な愛〟をいつも伝えてくれるのに、嫉妬したり束縛したりして窮屈な思いをさせてきた。

酷い事をした俺に〝俺と生きたい〟って言ってくれる。翔太くんを裏切ったのに・・・


蓮 🖤『許して欲しい・・・許して翔太。身勝手だけど変わらず俺を愛して欲しい・・・』


翔太くんの小さな手が、俺の頬を包み込んだ。泣き腫らした俺の顔を見るなり〝蓮が不細工なんて貴重だな〟そう言って優しく口にキスをした。


翔太💙『許すし・・・許せ。俺も亮平とヤッた』


蓮 🖤『はぁっ💢?』


翔太💙『あっ?イヤだって言ったのに無理やり挿れたのはあっちだぞ!イヤだって言ったからな!お前とは違う』


蓮 🖤『はぁ・・・仲直りしよう。ラウールにはちゃんと謝って、翔太くんの事好きだって伝えて、わかってもらえたから。そっちは?どうするの』


翔太💙『・・・分かんないよ。俺好きだよ亮平。蓮の特別な好きとは違うけど、でも好きだ・・・俺の事大事にしてくれる』


蓮 🖤『友達の好きなんだと思うけど?』


翔太💙『でも、その好きとも違う。触られてもイヤじゃない・・・。俺って変かな?どっちかひとつ?』


頭痛い・・・これどうしたらいいんだ。えっ3人でってこと?無理無理無理。


蓮 🖤『一つなら?阿部ちゃん・・・選ぶの?』


翔太💙『半分こ出来ればいいのに』


蓮 🖤『それ本気で言ってる?』


〝ごめん〟と言って黙り込んだ。この問いに答えがあるんだろうか・・・

あるとすれば・・俺の覚悟だけだ・・・


蓮 🖤『すっ住んでみる?試しに3人で・・・』


なんて事言ったんだ俺は・・・言ったそばから頭を抱える。自分が何を言ってるか分かってんのかよ!


翔太💙『いいの蓮?やったぁ〜ありがとう。早速亮平に連絡・・・』


蓮 🖤『ごめん・・・今日だけは翔太を独り占めさせて・・・』


翔太💙 『蓮・・・2人とも今から仕事だよ・・・』


最悪だ。2人の緊急事態に仕事だなんて有り得ない。


蓮 🖤 『翔太・・・帰ったら絶対抱くから・・・』



深夜の2人。貪り食う。

翔太くんを独り占めできる最後の夜になるかもしれない・・・

耐えられるだろうか・・・耐えた先に待ち受けるものは〝幸せ〟だろうか?

その答えがわからないままに翔太くんを欲した。

指先から足の先まで、印を残す。付けても付けても消えていく。縛っても縛っても翔太くんの心は手に入らないのか?

翔太くんは皆んなの物で俺は?誰のもの?

言いようのない不安が押し寄せる。

翔太くんは、ただただ快楽に溺れ、俺は泣きながら遠ざかる翔太くんを抱く。

正解が何かもわからないまま底なしの暗闇に俺だけが吸い込まれていく。

翔太くんを手に入れたければ、〝魂〟を差し出せと暗闇が誘惑する・・・

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