Side アリス
ドアが開く音がする、今僕がいるのは屋根裏、警備は2人、長身の男と細身の少年が1人。異能を使えば楽に済むし早く帰れる。
『 alice in wonderland 』
異能を発動させ、部屋に降りる、ターゲットに異能で作り出した鏡を向け吸い込む、警備には銃を向ける
?「 ふふ、罠にハマってくれたね 」罠…?、まさか!
気づいた時には細身の少年によって腕を拘束されていた、虎の異能を持っているのか、虎の腕に変化した彼の手は力強く抵抗しても無駄のようだった。せめてターゲットだけでもゴーゴリに送ろうと思ったが長身の方に無効化された。
「 忙しい所申し訳ありませんデイム 」
デイムとはナイトの叙勲を与えられるに相当する人物の呼び方だ。
『 僕はデイムと呼ばれる程の実力はない。 』
「 私は知っていますよ、デイムはどれだけお強く、素敵な方かを 」
『 君と会うのはこれが初めてではないか? 』
少年「 あの、太宰さん、そういえば芥川は何処へ? 」
「 話を遮らないでくれ給え敦君、芥川君なら、外の見張りをしてもらっているよ 」
逃げる隙は無いということだな、
『 僕に何を望む 』
「 ふふ、私と探偵社へ来ていただきたいのですよ、デイム 」
探偵社…あまり関わらない方が良いと言われたその名前、だが、断れば怪しまれる。
『 分かった、ついて行こう 』
「 ありがとうございます、デイム 」
それから車に乗せられ、暫く揺られるとレンガで作られた建物に着いた。
「 さぁ、デイム、此処が探偵社です、 」
案内され中に入ると、社員らしき人達に歓迎された。しばらく彼らの会話を聞いていると呑気すぎて心配になった。これから探偵社は_
「 デイム?何か悩み事ですか? 」
『 嫌、何も無い。 』
すると長身の男が僕の耳元で小さく囁いた
「 もしかして、今後探偵社に何かあるんですか? 」
『 僕に聞かれても、君達の行いによるだろうね、 』
そうですか、と呟き考える素振りを見せた長身の男、しばらくして人虎と呼ばれる少年が口を開いた、
「 実は、乱歩さん…(探偵社の名探偵) が友人?にこれから探偵社に大きな仕事が来る、だが絶対に受けるなっと忠告してくれたそうで、 」
あゝ、虫太郎か、あの人から沢山の異能者の情報を教えてもらっている、だから、当然、彼が今何処にいるのかも把握している。
「 もしかして、デイムは全て知っているんじゃないのですか? 」
長身の男がそう言葉を発した時、
「 隊長の命令で迎えに来た_ 」
あの人の代わりに僕を迎えに来てくれたらしい鐡腸。
『 ん、ありがと、 』
「 デイム、行ってしまうのですか? 」
『 …あゝ、僕も忙しいからね 』
「 ですが、近いうちにまた会いますね、 」
『 さぁ… ね 』
鐡腸の手を握りそう答える、瞬きした瞬間には空に舞っていた、そしてまた瞬きすると猟犬が待機している建物の中だった。
「 ______ 」
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