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Miyabi🥀です。こんばんは〜
書き進めていきまーす。
一話の続きですので、まだ見てない方は先にそちらをお読みください
太宰は中也を連れ、城に入ろうとした時ー。城の前で中也は立ち止まった。
不思議に思った太宰はどうしたのか中也に尋ねた。
中也は聞こえるか聞こえないかくらいの小さな声で答えた。
『ここ、、大きい。あなたの、おうち?、』
中也は想像以上の大きさの太宰の城(家)に驚いていたのだ。
そして、それと同時に自分には勿体無い、とも思っていた。太宰は中也の様子を見て、それを感じとり、優しく言った。
「今日から、私と中也のお家だよ。まぁ他にもメイドとか召使いはいるけど…、あ、それと私のことは太宰か治って呼んでね。 ほら試しに呼んでごらん」
『太宰、様。』
「ふふっ、様付け?なんか変な感じだけど、まぁいいよ。別に呼び捨てでもいいんだけどね。それが嫌ならさん付けとか」
『ご主人、様は様つけないと、ダメ、。殴られ、るから。、」
太宰は、その言葉で一瞬で中也の過去を悟った。虐待、されていたんだな、と。中也を安心させるために太宰は言う。
「大丈夫だよ、私は中也が何しても殴ったり蹴ったりしないよ。なにか問題があったらちゃんと話し合おうね。」
『は、い』
それから中也は太宰と共にずっと生活した。
それから少し経った頃ー。
中也は城のメイドたちから嫌われるようになってしまった。
その理由は太宰と常に一緒にいて太宰が中也だけを特別扱いするから。
メイドたちはほとんどの者が太宰を狙っている。
それもそのはず、太宰は第一王子でお金持ちな上、ルックスも最高峰。太宰と結婚なんてできれば、金も権力も手に入るのだ。
それなのに、中也にばかり構って、他のメイドには見向きもしないため、メイドたちは中也に嫉妬の目を向けているのだ。
最初は睨まれる程度だったものが日に日に悪化していき、今では人気のないところに呼び出され、性行為はないものの昔のように殴られたり蹴られたりするようになってしまった。
そのことに太宰は未だ気づいていない。中也は虐められていることを太宰には伝えなかった。
いや、正確には伝えられなかった。
怖かったのだ。中也には太宰しかいない。
太宰がいなければ中也は壊れてしまう。面倒くさいと思われたくなかった。
太宰に迷惑をかけたくなかったのだ。捨てられてしまうかもしれないという恐怖に抗えなかった。
そんな生活を続けていたある日、その虐めを受け続け、中也は瀕死の状態になった。
メイドに突き飛ばされ、棚で頭を強打したのだ。メイドもさすがにやばいと思ったのか、すぐにその場を離れた。
不幸中の幸いとでも言うべきか太宰に従順な召使い、芥川がそこを通りかかり、倒れている中也を発見した。
〈太宰様っ!!中也さんが倒れております!!おそらく重体、、〉
太宰は数秒間、何も情報を理解できなかった。理解したくなかったのだろう。考え、理解するより先に本能で体が動いていた。
「芥川くん、案内してっ、早く」
太宰は今までにしたことのないほど焦った顔で中也の元に向かった。
その時の太宰は、怖くて震えている幼子のように中也を失いたくないという恐怖で埋め尽くされていた。
太宰が中也の元に到着した頃、中也は死んではいないものの視界がぼやけ体が動かないほどの重症になっていた。
かろうじてまだ意識はある。太宰が泣きながら中也の手を握る。
「中也、どうしたの?ねぇ、何があったの!?どうしてっっ…」
中也は太宰の言葉を聞いて微笑んだ。笑った、笑ったけれど、どこか悲しいような笑顔だった。
中也は言った。
『俺は、もう、死ぬかもしれねぇ…、でも聞いてくれ』
太宰は怒りと悲しみと恐怖が混じったような声で言う。
「そんなこと…言わないでよ。逝っちゃだめッ、私をおいて逝かないでよ中也っっ」
太宰は泣き崩れた。そんな太宰を見ながら中也は続けた。
『俺さ、まだ太宰と過ごしたいから、死にたくないよ。死にたくないけどさ、、、もう死んでもいいってくらい、太宰に会えて幸せだった。太宰と過ごした時間が楽しかった。ありがとうな、出来損ないの俺を認めてくれて。太宰のお陰で生きてよかったって思えた。大好き。愛してる。』
中也はもう、限界な状態だった。
太宰以外に自分を認めてくれる人はいなくて、周りはみんな自分を傷つけようとする人たちばかり。
嫌気がさしていたんだ。メイドたちに暴力を振るわれ、楽になりたい、とさえ思ったこともあった。
それでも太宰がいたから中也は壊れなかった。自分を保っていられた。
太宰に会えたから幸せだった、と信じて永遠の眠りにつこうとしていた。
〈太宰様っ、与謝野医師をお呼びしました!すぐに中也さんの治療を!〉
芥川だ。中也と太宰が話している間に医者を呼び出し、中也を救おうとしていた。全ては太宰に認めてもらうために。
「ありがとう…、芥川くんっ与謝野女医………どうか、どうか、お願いします」
与謝野女医は自信満々に答えた。
〈任せな!治療室を借りるよ。医者として妾(アタシ)が絶対に助けてみせる。〉
中也と与謝野が治療室に入ってから数時間後ー。与謝野女医が治療室から出てきた。
太宰は駆け寄り、あわてた様子で中也は無事なのか尋ねた。与謝野は答える。
〈無事、一命は取り留めたよ。まだ当分、起きはしないだろうがしにゃあしない。
起きてからも1、2ヶ月は絶対安静だよ、いいね?〉
太宰はその言葉を聞き、動かないまま涙を流した。
「ありがとう、ありがとうございます………与謝野女医。」
与謝野は、あの状態の中也の一命を取り留めた命の恩人。
中也は一端の医者じゃ確実に治せないほどの深刻な状態だった。
どうやったのか、それは誰もしらない。
与謝野は治療を行う際、絶対に他人にその様子を見せない。
つまり、与謝野の治療は謎に包まれているのだ。
しかし、与謝野が診た患者はどんな深刻な状態でも、確実に助かる。
与謝野は今まで治療において、失敗したことがない。
気味が悪いと言って断る者も多いが、実績は確かなものなため、太宰が信用し、高月給を支払って側においているのだ。
それから4日後のこと。
太宰はこれまで、24時間中也につきっきりで、徹夜までして中也の看病をしていた。
さすがに起き続けて疲れたのか、椅子に座ったまま中也のベッドに上半身を委ね、眠りについていた。
中也の手をしっかりと握ったまま。
『ん…、、。』
中也が目を覚ます。太宰を見て、徹夜で自分を看病してくれていたことに気づく。
そして小さく微笑み、「ありがとうございます、」と声に出した。
それから中也は何もせず、いや、怪我を負っているため、1人では何もできず、ただ太宰を見つめて、太宰に愛されているという幸せを噛み締める。
今まで誰からも愛されなかった中也にとって、太宰は知らず知らずのうちに心の支えになっていたのだ。
それから15分ほど経ち、太宰が目を覚ます。
「ん…、寝てた、のか。…………、!?」
中也が起きていることに気づき驚く。
『太宰様。…ご迷惑をおかけして、大変申し訳ございませんでした。』
太宰は急に泣き出した。中也は驚き、尋ねた。
『どうなされましたか!?何か不快な点でも、ッ?申し訳ございまー』
中也の言葉は途中で遮られ、太宰は言った。
「ほんとに…!心配したんだからね、っ!良かったぁホントにッッ、生きてて、、」
中也はその時、本当に自分がこんなにも愛されていいのか、そう思い、自然に涙が流れていた。
共に無事を祝い、雰囲気が明るくなったところで、太宰に尋ねられた。
太宰は、中也が今まで見たことがないくらいに真剣な顔をして、中也に向き合い、質問した。
「なぜ、あんなことになったの…?」
中也は答えたくなかった。
もし答えてしまったら確実にあのメイドたちは排除されるだろうと分かっていたからだ。
中也はどんな酷いことをされようとも、人を自ら苦しめることはしない。
何か問題ごとがあれば、すべて自分のせいだと考えてしまうからだ。
メイドたちは排除される。
本来ならば、できて解雇。排除などできないのだが、国のトップであり、絶対服従的存在である彼ならば成し得るのだ。
いとも簡単に。中也はメイドたちを庇おうと思った。
しかし、太宰の真剣な眼差しから「答えたくない」「答えられない」などの返答は確実に聞き返される、とも分かっていた。
そして、なにより太宰に嘘をつくことなど、中也にはできなかった。
『ご心配をおかけして、本当に申し訳ございません。理由、に際しましては…◻︎◻︎⚪︎⚪︎◻︎◻︎…』
中也は本当のことを全て包み隠さず、太宰に伝えた。
ただし、誰がそれを行ったのかは包み隠して。
それを聞いた太宰は無論のこと、大激怒。中也はそんな太宰に跪き、言った。
『太宰様…どうか、この事はお忘れください。どうか、許してやってください。』
太宰は驚いた。今まで自分を大切にしなかった愚者を庇おうなど考えるはずがないと思ったからだ。
太宰は聞き返した、どうしてそう思うのかを。
『俺が悪いんです。俺があの人たちの気に触ってしまうことをしてしまったようですから。』
太宰はその言葉を聞き、少し雰囲気が暗くなったように感じた。
なんというか…太宰を取り巻いているオーラのようなものが、黒く、重くなったような…。太宰はゆっくりと言った。
「中也…。ごめんね。おやすみ。」
『う゛あ゛っっ…』
ありがとうございました。
・・・・・ごめんなさい、切るとこ下手すぎますね。
さてさてちゅやーんはどうなってしまうのでしょうか!?
♡、💬、+👤 お願いします!!