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📖 第二十四章:「はじまりの約束」
静かな朝だった。
空はどこまでも澄んでいて、まるで今日という日を祝っているみたいだった。
控え室の鏡の前で、凛はネクタイを何度も直していた。
凛:「……なんでこんなに緊張してんだよ、俺」
小さく笑うけど、手は少し震えている。
数年前までは、こんな日が来るなんて思ってもなかった。
ただ隣にいられればいい、それだけで十分だったのに。
——なのに今は。
「一生、隣にいる」って約束する日だ。
コンコン。
○○:「凛、準備できた?」
ドア越しに聞こえた声に、凛は一瞬固まる。
その声だけで、胸がぎゅっとなる。
凛:「……ああ、今行く」
短く答えたけど、その一言にいろんな気持ちが詰まっていた。
式場。
扉が開く。
ゆっくりと歩いてくる○○の姿を見た瞬
間、凛は息を飲んだ。
凛:「……っ」
言葉が出ない。
いつも見てきた顔なのに、
今日は少し違って見える。
綺麗で、でもちゃんと“いつもの○○”で。
目が合った瞬間、○○は少しだけ恥ずかし
そうに笑った。
その表情で、凛の緊張は少しだけほどける。
凛:(ああ……やっぱり、こいつだな)
誓いの時間。
司祭: 「新郎、凛。あなたは——」
言葉が続いていく中、凛はまっすぐ○○を見つめた。
逃げることも、照れて逸らすこともなく。
凛:「……はい、誓います」
声は少し低くて、でもはっきりしていた。
次は○○の番。
○○:「……はい、誓います」
少しだけ震えた声。
でも、その目はしっかりしていた。
指輪を交換する時。
凛の手はやっぱり少しだけ震えていた。
凛:「……ごめん、ちょっと緊張してる」
小さくそう言うと、○○がくすっと笑う。
○○:「知ってる」
凛:「……バレてたか」
○○:「うん、ずっと前から」
そのやり取りに、会場が少し和む。
指輪が指に通る。
それだけなのに、不思議と胸が熱くなる。
誓いのキスの前。
ほんの少しだけ、間が空いた。
凛は○○にだけ聞こえるくらいの声で言う。
凛:「……こういうの、慣れねえな」
○○:「私も」
凛:「でも——」
凛は少しだけ笑った。
凛:「お前相手なら、いいか」
○○の頬が少し赤くなる。
○○:「……うん」
そして、軽く触れるだけのキス。
派手じゃない。
でも、すごく“二人らしい”。
式が終わって、外に出たあと。
花びらが舞う中で、二人は並んで歩く。
凛:「……終わったな」
○○:「うん」
少し沈黙。
でも、気まずさはない。
凛がぽつりと言う。
凛:「なんかさ」
○○:「ん……?」
凛:「これでやっと、堂々と隣にいられるな」
○○は少し驚いて、それから笑う。
○○:「今までもいたじゃん」
凛:「……それとは違うだろ」
少しだけ照れながら、凛は手を差し出す。
凛:「ほら」
○○:「え?」
凛:「もういいだろ、こういうの」
○○は少し迷ってから、その手を取る。
指輪同士が軽く触れて、小さな音がした。
凛:「これからも、よろしくな」
凛の言葉はシンプルだった。
でも、それが一番ちゃんと伝わる言葉だった。
○○は頷く。
○○:「うん、よろしく」
少し照れながら、でもしっかりと。
二人の新しい日常が、ここから始まる。
特別なことなんて、きっとそんなにない。
でも——
一緒に笑って、
一緒に過ごして、
同じ未来を見ていく。
コメント
1件
最高(*`ω´)b間違えて作品消しちゃったストレス吹っ飛んだ
201