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📖 第二十五章:「小さな手、大きな幸せ」
朝の光が、カーテンの隙間からやさしく差し込む。
静かな部屋に、小さな寝息がひとつ。
そして——もうひとつ。
凛:「……起きてるだろ」
低い声でそう言いながら、凛は隣をちらっと見る。
○○:「起きてる」
すぐに返ってくる○○の声。
二人とも、同じ方向を見ていた。
ベッドの真ん中。
小さな体で、すやすやと眠っている——二
人の子ども。
凛:「……寝相悪くなってきたな」
○○:「凛に似たんじゃない笑?」
凛:「おい」
小さく言い合って、でも声は自然と優しくなる。
起こさないように。
壊れないように。
そんなふうに、自然と気をつけてしまう存在。
数年前。
結婚してからも、二人の時間は変わらなかった。
相変わらず少し照れくさくて、
でも前よりもずっと自然で。
その中に、新しく増えた存在。
最初にこの子を腕に抱いたとき、凛は何も言えなかった。
ただ、見てるだけで精一杯だった。
凛: 「……ちっちゃいな」
やっと出た言葉がそれで、
○○:「当たり前でしょ」
○○に笑われたのも、今ではいい思い出。
子供:「ん……」
小さく動く。
子どもが目をこすりながら、ゆっくり起きる。
○○:「おはよ」
○○がやさしく声をかける。
子供:「……おはよ」
まだ眠そうな声。
凛は少しだけ体を起こして、その様子を見ていた。
凛:「ほら、パパにも」
子供:「……おはよ!」
子どもは嬉しそうに笑った。
その笑顔に、凛は一瞬言葉を失う。
凛: 「……今日も元気だな笑」
朝ごはんの時間。
三人でテーブルを囲む。
凛:「ちゃんと食べろよ」
子供:「たべてるー」
凛:「こぼすなよ」
子供:「こぼしてないー」
同じようなやり取り。
でも、それがすごく心地いい。
○○がくすっと笑う。
○○:「凛、そっくり」
凛:「どこがだよ」
○○:「全部」
凛は少しだけ言い返そうとして、やめる。
——まあ、いいか。
外は穏やかな天気。
三人でゆっくり歩く帰り道。
小さな手が、凛の指をぎゅっと握る。
凛:「……ちゃんとついてこいよ」
子供:「うん!」
元気な返事。
反対側では、○○が同じように手をつないでいる。
ふと、凛は空を見上げる。
あの頃と同じ空。
でも、隣にいる人も、守るものも増えた。
凛:「……なあ」
ぽつりと呟く。
○○:「ん?」
○○が顔を向ける。
凛:「……悪くないな、こういうの」
少し照れた声。
でも、ちゃんと伝わる言葉。
○○はやわらかく笑う。
「うん、いいよね」
家に帰って。
夕方の光の中、子供はソファで眠ってしまう。
凛:「……寝たな」
○○:「遊びすぎたね」
小さな寝顔を見ながら、二人は並んで座る。
少しの沈黙。
でも、それは落ち着く時間。
凛がゆっくり口を開く。
凛:「……あのさ」
○○:「ん?」
凛:「結婚したときさ」
○○は少し驚いた顔をする。
○○:「……うん」
凛:「正直、ちゃんとできるか不安だった」
○○:「…うん?…」
凛:「でも」
凛は少しだけ笑う。
凛:「今は、まあ…悪くねえなって思ってる」
言葉は不器用。
でも、それが凛らしい。
○○は少し目を細めて、やさしく答える。
○○:「私も」
外はゆっくりと夜に変わっていく。
小さな寝息と、穏やかな時間。
特別なことは何もない。
でも——
それが、一番大切なものだった。
凛と○○。
そして、その間に生まれた小さな命。
三人で過ごす、何気ない日々。
笑って、少し喧嘩して、また笑って。
そんな日常が、これからも続いていく。
これが、二人の物語の終わり。
そして——
新しい家族の、はじまり。
コメント
1件
え、尊…