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彼と離れてから、久しぶりに顔を見たのはテレビでだった。
「あ、ジヨンヒョンだ!」
「え?」
たまたま寮部屋に来ていたドンスの声で、急いでテレビを見る。歌番組に出演していたのを偶然に。
【本日曲を披露していただくのは、初登場のG-DRAGONさんです!】
笑顔で紹介する司会者の言葉に、思わず身体が固まった。
「G-DRAGON…」
『”G-DRAGON”ってのはどうだ?』
『おお〜!』
『ちょっと長いかな』
『いや、なんか強そうですごいいい!素敵!世界で通用しそう』
『気に入ってもらえたか?』
『うん!絶対この名前でデビューする!ありがとう、大切にするね』
いつかの会話が蘇る。映画を見た帰り、カフェで時間を忘れるほど語り合ったあの日。お互いの名前つけようって話して、それで。
“大切にするね”
「……スンヒョンヒョン、?」
焦ったような声で呼ばれてハッとする。頬を触ると指先が濡れて、いつの間にか涙が零れていた。驚いた表情の彼から逃れるように、俺は慌ててトイレに駆け込んだ。鍵をかけてしゃがみ込む。
「…ほんっと、ばかだなぁ……っ、」
なあ今どんな気持ちでその名前を名乗ってるの?どれほどの痛みと苦しみで、その名前を背負ってるの?
俺が言うのもなんだけどさ、すっげー似合ってる。
「……………………ごめん」
また零れた一粒の涙が、頬を伝って落ちていった。
2ヶ月後、俺もデビューを果たした。
ジヨンとは、違う事務所で。
“T.O.P”という名前を背負いながら。