この学校に、とある噂がある
[この学校で次に生徒会長になったものにはなんでも願いが叶う]
その噂は開校当初から現在まで伝われてきており、今でも信じるものが大勢居る。
俺もその内の一人だった。
自分も生徒会長になって、真実を確かめたい。
その一心で1年を過ごした。
1年は生徒会長になることが出来ない。
なれるのは2年だ。
となれば、1年は潜伏期間というもの。
あらゆる人達の信頼と信用を勝ち取る。
そして2年。
そろそろ生徒会メンバーを決めたかった。
何人かは見つかっている。
りうら。
1年の生徒で、俺の幼なじみ。
りうらは盛り上げる力もあるし、有り体に言えば天才気質の子だ。アドリブが苦手なのが難点だが、そこは台本をしっかりと決めることで解決出来ると思う。
りうらとならばこの学校をリードできるはずだ。
次に、悠佑。
1年の頃から噂としては聞いていて、何回か話したこともある。
バンド部のボーカルで修学旅行の時は盛り上げ役として活躍していた。
兄貴…とも呼ばれている。あの人も誘いたい。
最後に、名前の知らない誰か。
名前も知らないのに一緒に活動したいのかと言われてはあれだが、それには理由がある。
相手は同じクラスではなく、それでいて学級委員として活躍もしていなかった。前に立って活躍するというよりは縁の下の力持ちタイプだろう。
知ったのはテストの結果から。
以前は楽に取れていた1位が急に取れなくなった。特に英語は確実に取れない。他は1度は取ったことがあるが、英語のみ絶対に取れなかった。
絶対に見つけ出して、絶対に誘う。そう決めていた。
「ないこくん、だよね?どうかした?」
「えっああ、ちょっと考え事してただけだから大丈夫だよ。」
ぼーっとしているように見えたのか、同級生に心配されてしまった。
実は今回も学年順位が2位だった。ただ、進展はあった。
クラス順位も2位だった。
となると、このクラスに1位がいるという事だ。
その子をまずは見つけなければ。
「ねぇ、君はテスト順位どうだったの?」
「え、僕?前回と同じ順位だったよ。今はキープ出来てるからいいんだけど、いつか落ちそうでビビってるw」
「確かに下がってたりするとビビるよねwでも逆に前回順位同じって凄くない?何位だったの?”いふくん”。」
そう言うと、彼はすこし言葉を濁してから…こういった。
「…1位だったよ。ないこくん。」
「…!!」
ついに見つけた。
しかもこんな近くにいた。
彼は絶対に生徒会に必要なメンバーだ!
「えっと、どうしたのないこくん?」
「…ずっと君のこと探してたんだ。」
そう口にすると、彼は困惑したような声を出した。
「は?え、どうゆうことなん?」
「いふくんはさ、”生徒会”に立候補するつもりはない?」
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