テラーノベル
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──────█れいまり視点──────
何回も、何回も本を読み直し、あらゆる可能性について触れ、あらゆる対象法を考える。一人一人の人物をよく知って、能力、種族についての考察。また、あらゆる種族について調べ、それの対処法を暗記する。
───それをやってもだ。D、E、F。全て、全て失敗した。平均して200年過ごしたその3つの世界。情報は完璧だったはずなんだ。Eに関しては、しっかりと入れ替わり、口調も、性格も、表情も、思い出も、歩幅も、瞬きの速度や回数も全く同じだ。断言する。その物語に馴染むために、5年間の月日をかけて慣らしたのだ。それに、自分を…殺したから。慣らさなくてもいいかもしれないが、そうでもしないと人を殺した苦しみに耐えられなかった。その世界のために、東雲椎名という消えた1パーツを私が代わりに担わないと、という重圧にのしかかられる。自分が殺した癖に勝手に重荷を背負う。この無責任な私を許せなかった。簡単に人を殺しているのだ、私は。いや、正確には人外なのだが…。それでも、あの何かを殺すときの手の感触が気持ち悪い。私の内蔵が握りつぶされ、否応にも拒絶するかのような気味の悪さ。全細胞がその行為を拒絶し、今すぐにでもその事実を吐き出してしまうと思うほど、その行為は私の中でみとめられずにいるものだった。
話を戻そう。なぜ、失敗し続けているのか。それはひとえに経験が足りないから、と言うだけではない。いくら情報を知っていようが、それを信じさせるために信頼関係を築く必要があり、そんなことをしている間にみんな死んでしまう。
それに、ひとつ気づいたことがある。
それは、その本の…いわゆる【主人公】となったものが死んだ瞬間その物語は強制的に終わるというもの。Fルートではみぞれさんが主人公だったが、不憫にも人間の殺人鬼にやられて、私が来て5年足らずで死んでしまい、そのままゲームオーバーとなり戻ってきたのだ。だから、全員生還は当たり前だが、主人公を必ず守らなければならないのだ。そう、認識を改めることが出来た。
それに、私には絶望的に戦うセンスがない。私が今まで戦闘になって勝てたのは油断していた雑魚種族と、産まれたばかりの…のみだ。それ以外のやつに勝てたことがない。やらなければ負ける。そんな簡単に事実に気づいてもなお、それに抗う術を私は持っていなかった。
だから、私は修行することにした。私は次のルートでは戦闘訓練をすることにした。まずは世界を吟味する。戦闘にむいている世界線…なんだそれは。自分で言っていて訳が分からない。…まあ、冒険者をやっている世界線や、人外ハンターの世界線がいいのだろうか?そっちの方が戦闘に慣れやすいのか…?ただ、直ぐに死ぬと訓練の意味が無い。それに…死ぬ時、あの痛みを後、何回───?死んだ直後は痛みを感じないが、こちらの世界に戻ってくる時にその痛みを思い知る。骨がボキボキと曲がった痛み、内蔵がひしゃげ、最悪な時は口から飛び出た時は死んでいるに、死んだと思った。…出来れば、出来ればそんな痛みをポンポンと味わいたくない。このままのペースなら100年ペースで味わうことになる。その度に、私の体に恐怖とトラウマを植え付け、刻まれる。死というものにこの世とあの世を含め最も恐怖していると思う。
それでもなお私は歩みを止められずにいる。みんなを、助けなければという強い使命感にかられている。もはや、その執着具合は異常なのでは?と客観的に見ると思うが、私はそれを自問自答しそして、いつもその考えを否定する。
春が、当然問いかける。
「あなたのせいでこうなったのに、正義面が得意ですね〜。まあ、そうやって書いてますけど。書いてる時思うんですけど私とは違いすぎてあーんましっくりこないんですよねぇ…。むずいなー」
「…は、今、なんて?」
私が思わず聞き返せば彼女は何事もないように答える。
「いやー…だってさ〜?!あなたの能力マジックだったでしょ?普通にみんなを安全なところにワープさせればいいじゃないですか。入れ替えマジック!っていうことで。」
「…そんなこと出来ないと思いますが。」
「あははっw普通に出来ましたよ?その柵の中を箱、とあなたが認識して、外側に移動させるマジック、というていで。あなた、想像力があるのでやろうと思えば実行できましたよー?」
「え、な、えぇ…?」
助けられた?私が、みんなを?疑問が疑問を呼ぶが、脳がその事実を否定し、否定し、否定し。その現実を受け入れられず、拒絶により、思考が止まる。これ以上考えられない。S字のピンが嫌に重く感じる。何百年も前の私の最初の物語が脳をめぐり、走馬灯のように流れる。
「いやーれいまりさんのモチーフは【怠惰】でしてねーま、ぴったりな罪になるといいですけど…そしたら他の人の罪はなぁ…」
「何言ってるんです…?」
「んぇ?面白い物語を考えてるんですよ。あ、言い忘れてましたね。ここの本の多くは私が考えた物語です。まあ、つまらないので失敗作がほとんどですが…。」
ここで切ります!いやー書くの下手になってる…と言うよりも今日書いた小説のカロリーが高すぎてこっちに書く時間が避けずに割としっちゃかめっちゃかなないようになってるかもしれません。お許しを…まあ、宿題が残ってるのでやってきます。
おつはる!
コメント
4件
れいまりさんが怠惰だとしたら他メンバーは何になるんだろう・・・ぐさおさんは傲慢、ルカさんは憤怒、ラテさんは強欲、ぜんさんは暴食、色欲は誰だろう・・・強いて言うならヒナさんかな?
春さんを七つの大罪に当てはめたら何になるんだろう