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敦「今夜は月が綺麗ですね」

太「それは告白かい?」

敦「え…?告白?なんです、それ」

太「ちがうかぁ」

敦「今日の太宰さん、ちょっと変です」

敦くんは、今日何回目かと思われる怪訝な顔をしている。

太「かわいい」

思わず口に出してしまった言葉に焦る。

敦「かわいい?月がですか?」

…、なんて鈍いんだ



君がだよ、とそう言おうとしたけれど、敦くんがうとうとし始めたのでやめた。

幸せ、とは、こういうことなのだろう




幸せは、怖い。、

いつかそれが壊れた時、何かを失って生きることが怖いから。


本当の弱虫というのは、幸福さえ恐れる。



柔らかいわたの上で怪我をするものなのだ。

だから私は完治しない“怪我”、幸せができる前に、“君に完全な恋をしてしまうまで”に死にたい。

もうすやすやと寝息をつく敦くんに私は問う

太「私と一緒に死んでくれないかい?」




当然返事は返ってこなかった。



恐ろしく静かな夜の中、2人は浅い眠りにつく。

淡い光を放つ夜が悲しい歌を歌っていた

私はそのまま浅い眠りについた

太敦 明春の待ち人

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