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夜。
KING本部・医療室。
静かな部屋に心電図の電子音だけが響いていた。
ベッドには、肩を撃たれたいるまが横になっている。
すちは傷口の包帯を巻き終えると、小さく息をついた。
すち「……これで応急処置は終わり。」
「でも、しばらくは安静にして。」
いるまは苦笑する。
「そんな暇ないだろ。」
すち「あるよ。」
「今回は絶対に無理しちゃダメ。」
そのやり取りを、らんたちは静かに見守っていた。
会議室。
なつは机を強く叩く。
「くそっ!」
「俺が守れなかった……!」
こさめも俯いた。
「僕も敵を見失っちゃった……。」
みことは静かに資料を閉じる。
「敵の狙いは最初からこれだった。」
らん「……僕を狙わせて、いるまが庇うことまで読んでた。」
誰も言葉を返せなかった。
その頃。
医療室では──
いるまがゆっくり起き上がろうとしていた。
すち「ダメ!」
「寝てて!」
いるま「悪い。」
「少し外の空気を吸いたくて。」
すちは困ったように笑う。
「じゃあ僕も一緒に行く。」
「転んだら困るから。」
いるま「……ありがとな。」
屋上。
夜風が二人のコートを揺らす。
すちはフェンスにもたれながら空を見上げた。
すち「今日、怖かった。」
いるま「……。」
すち「君が倒れた時。」
「本当に、もう会えないかと思った。」
いるまは少し目を伏せる。
「心配かけた。」
すち「だから約束して。」
「もう無茶しないって。」
いるまは少し笑う。
「……努力する。」
「“努力”じゃダメ。」
「約束。」
しばらく沈黙が流れたあと、いるまは頷いた。
「……分かった。」
翌朝。
みことは一人、パソコンの前で敵の通信を解析していた。
すると。
「……ん?」
一つの暗号ファイルを見つける。
解析すると、画面には文章が表示された。
『仲間を守りたければ、一人で来い。』
宛先は──
REAPER。
みことはすぐに医療室へ向かった。
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亜黒_恋吾
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しかし。
ベッドは空だった。
みこと「……!」
屋上へ駆け上がる。
そこには、いるまが一人で立っていた。
みこと「いるま!」
いるまは振り返らない。
「見つかったか。」
みことは画面を見せる。
「これ……敵からだよね?」
「ああ。」
「昨日届いてた。」
みことは驚いた。
「昨日!?」
「なんで言わなかったの!」
いるまは静かに答える。
「俺一人で終わらせられると思った。」
みこと「無理だよ!」
「僕たちは六人なんだ!」
その声に、なつたちも屋上へやって来た。
なつ「どうした!」
こさめ「何があったの?」
みことは暗号を見せる。
全員の表情が変わる。
らん「いるま……。」
「どうして黙ってたの?」
いるまは少し笑った。
「みんなを危険な目に遭わせたくなかった。」
「だから──」
「敵の呼び出しに、一人で行くつもりだった。」
「……え?」
すちの声が震える。
なつは思わずいるまの胸ぐらを掴んだ。
「バカ野郎!!」
「俺たちを何だと思ってる!」
「一人で全部背負うなよ!」
こさめも涙ぐみながら言う。
「僕たちは仲間じゃないの……?」
いるまは何も答えられなかった。
らんは静かに前へ出る。
「いるま。」
「君は僕たちを守るために嘘をついた。」
「でも、その嘘は僕たちを悲しませる。」
「次からは、一人で抱え込まないで。」
いるまは静かに目を閉じる。
そして、小さく頷いた。
「……悪かった。」
その瞬間。
本部中に警報が鳴り響く。
みことが急いでモニターを開く。
「敵から通信!」
画面いっぱいに赤い文字が映し出される。
『最終ステージへようこそ。』
『明日の午前0時。廃研究所で待つ。』
『来なければ、すべて終わる。』
通信は途切れた。
らんは仲間たちを見渡す。
「もう誰も、一人では行かない。」
「六人で行こう。」
五人は力強く頷く。
敵との決着は、すぐそこまで迫っていた。
コメント
1件
いやあ、もう胸がぎゅっとなりました……。いるまが「みんなを守りたい」って一人で抱え込もうとしたのに、仲間たちが「一緒に戦う」って言ってくれる流れ、本当に温かかったです。特にらんさんの「嘘は僕たちを悲しませる」って言葉、刺さりました。でも最後の警報で一気に緊張感が戻ってきて、続きが気になって仕方ないです! 六人で挑む決戦、楽しみにしてますね🌷