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亜黒_恋吾
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地下研究所――。
剣と銃声が何度も響き渡る。
なつの大鎌と敵の剣が激しくぶつかる。
「はぁっ!!」
敵は軽々と受け流し、なつを蹴り飛ばした。
「ぐっ……!」
「なつ!」
すちがすぐに駆け寄る。
「大丈夫!」
「まだ戦える!」
その間に、こさめが敵の背後へ回り込む。
「そこだ!」
ワイヤーを放つ。
しかし敵は振り返ることなく剣で切り払った。
「読まれてる……!」
みことは素早く分析する。
「攻撃のタイミングまで把握されてる!」
敵は静かに笑う。
「言っただろ。」
「君たちは、ずっと僕の監視下だった。」
らんは刀を構えたまま問いかける。
「……どうして。」
「どうして私たちを狙う。」
敵の笑みが消える。
しばらく沈黙したあと、ゆっくりと口を開いた。
「君たちは知らない。」
「いや……知らされていない。」
六人は息を呑む。
敵は部屋の奥にある大型モニターを起動した。
映し出されたのは、古い新聞記事。
そこには、
『裏社会組織 BLACK ROSE 壊滅』
という見出しがあった。
なつ「BLACK ROSE……?」
敵はモニターを見つめながら話し始める。
「十年前。」
「裏社会には、KINGと肩を並べる組織があった。」
「その名は――BLACK ROSE。」
こさめ「聞いたことない……。」
みことも首を振る。
「記録にも残ってない。」
敵は苦笑した。
「当然だ。」
「存在そのものが消されたから。」
部屋の空気が重くなる。
敵は続けた。
「組織はある日、突然壊滅した。」
「誰一人生き残らなかった。」
「そう言われていた。」
敵はゆっくり六人を見る。
「でも。」
「生き残りが一人だけいた。」
らんは目を見開く。
「まさか……。」
敵は静かに頷く。
「そう。」
「それが僕だ。」
その言葉に、全員が言葉を失う。
敵は拳を握り締めた。
「僕は家族も仲間も全部失った。」
「そして裏社会では噂だけが残った。」
『KINGがBLACK ROSEを滅ぼした。』
その一言に、なつが叫ぶ。
「そんなことしてねぇ!」
敵も声を荒げる。
「証拠はない!」
「でも誰も否定しなかった!」
「だから僕は信じた!」
「KINGがお前たちを殺したんだと!」
静まり返る地下研究所。
らんは静かに答えた。
「僕たちは知らない。」
「十年前、KINGはまだ存在していなかった。」
敵の表情が固まる。
「……え?」
みことが静かに説明する。
「KINGが結成されたのは七年前。」
「十年前には、まだ僕たちは出会ってもいない。」
敵は首を横に振る。
「嘘だ……。」
こさめ「嘘じゃない。」
すちは優しく言った。
「誰かに騙されてる。」
敵は後ろへ一歩下がる。
「そんな……。」
いるまが銃を下ろした。
「本当の敵は。」
「俺たちじゃない。」
「お前を利用した奴だ。」
青年は震える手で拳銃を落とした。
カラン……。
「じゃあ……。」
「僕は……。」
その瞬間――
どこからか一発の銃声が響いた。
「っ!」
青年の肩から血が飛び散る。
六人は一斉に周囲を見る。
「誰だ!」
研究所のスピーカーから、今までとは違う低い声が流れた。
???『……余計なことを話したな。』
青年が苦しそうに声を上げる。
「あなた……!」
???『役目は終わりだ。』
『あとは私が始末する。』
通信が切れる。
研究所全体が激しく揺れ始めた。
ゴゴゴゴゴ……!
みことが叫ぶ。
「爆弾!」
「この研究所、自爆する!」
らんはすぐに指示を出した。
「全員、脱出!」
すちは負傷した青年を支える。
「この人も連れて行く!」
青年は驚いた表情で六人を見る。
「どうして……。」
らんは振り返り、まっすぐ答えた。
「命は見捨てない。」
「それがKINGだから。」
崩れ始める研究所の中、七人は出口へ向かって走り出した――。
コメント
1件
第15話読みました……! なつ達が「KINGは七年前に結成された」って真実を伝えた瞬間、敵の青年が「そんな……って」なって拳銃落とすシーン、すごく切なかったです。ずっと信じてた復讐の根拠が崩れて、自分が利用されてたって気づく苦しさが伝わってきました。 最後の「余計なことを話したな」で第三者の存在が明らかになって、しかもビルごと爆破しようとしてる展開、一気に緊張感が増しましたね。KINGが「命は見捨てない」って、敵だった人を助けるシーンもすごく好きです。 裏切りと真実の重なりがすごく良くて、続きが待ちきれないです……!