テラーノベル
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「レム……ッ!」シャルロが咎めるような響きを帯びた声で絞り出すように言う。
「レムお兄様……」
シノも怯えた様子でレムの袖をクイクイと引っ張る。
しかしレムの口撃は止まらない。
「大して強くも無いくせに一丁前に生命力だけはしぶといなんて、面倒な事この上ない迷惑千万なお兄様ね」
レムの目がスッと細められる。
「いっそ死んだ方がこの国のために
なったんじゃないの?」
部屋の温度が一瞬で氷点下まで下がったような錯覚を覚える。
「レム!!」
シャルロの鋭い声がレムを呼ぶ。
「……兄様……?」
シノは何を言ってるのか分からないと言った様子でレムを見上げる。
それでもレムの冷たい視線はウルミヤを射抜いている。
(あー……これは相当嫌われとるな)
ウルミヤは痛む身体に鞭打って起き上がる。
「ひっ……!」
シノは小さくなってレムの後ろに隠れた。
「うる……」
シャルロも顔色を青くして嫌悪とも絶望とも取れる目でウルミヤを見る。
恐らく“前のウルミヤなら”ここで手近にある花瓶でも枕でも投げ付けていただろう。
シノが怯えたのもシャルロが顔色を変えたのもそれが原因だ。
しかし今のウルミヤの中身は“元・歌い手グループ【クロノヴァ】のオレンジ・ラップ担当のうるみや”である。そんな暴挙に出る気はさらさら無い。代わりにニヤリと笑うと
「悪かったな、死んでなくて」
と言い返してやった。
「なっ……!」
レムの顔から笑みが一瞬にして消える。
ウルミヤは続ける。
「ウルミヤかてまだ死にたないねん。やから死んでやる事は出来へん。その代わり、最高の“ステージ”見せたるわ。それでどうや?」
レムは怪訝な顔をする。
「……“ステージ”……?ふ、ふん。頭がおかしいのは変わってないようね。というか余計バカになったみたい」
「バカで結構や」
ウルミヤがそう返して来た事についにレムは毒を吐く気力を失ったのか
「変人さが増した……」
と呟いてシノを連れて部屋を出て行った。
シノは最後にチラリとウルミヤの方を振り返りポソッと
「今日のウルミヤ兄様、なんか優しい……」
と言って出て行った。
パタン……
「どうしたんだ、うる……ついこの間までなら花瓶でも枕でも投げ付けてただろ……」
前のウルミヤがしてそうな事の予想は当たってたらしい。
「……まぁ……なんや……痛っ……死にかけたせいで……うん……吹っ切れてん……」
急激に身体が重くなる。
「……ごめん……疲れたわ……」
「え……ちょっ、うる!?」
焦ったようなシャルロの声を聞きながらウルミヤはゆっくりと目を閉じた。
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🪻Maika🫐@多忙
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夢好 しばらく読み専
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コメント
1件
うわあ……レムの「死んだ方が国のため」発言、刺さりましたね。家族と言えどここまでぶつけ合う関係なんだと痛感しました。でもそれに対して「死にたないねん」って返すウルミヤの強さと、後ろで「なんか優しい」と呟くシノのギャップが絶妙でした。吹っ切れた感じ、いい方向に転がってほしいなあ。