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「なんか私…………麻痺してるかも……」



「え。どういう症状?」



「や、普通に受け入れちゃってたけどさ……

休日に。会議室で。[餅つき]やる会社って、何?」



「ねー。しかも、本格的やし。

おかげで重労働っすよ」



「あは。すっごい喜ばれてたね、神崎くん。

貴重な男手だって」



「俺ら以外の若手、誰も参加してへんもんなー。

モテモテで困ってまいますわ」



「嬉しー?」



「いや、そんなに」



「あ、そーいえば。一昨日にさぁ。

別フロアの女の子から、神崎くんのこと聞かれたよ」



「え。何を」



「『好きな女の子のタイプは?』だって」



「……それ、先輩はなんて答えたん?」



「それはもう、正直に……」



「しょ、正直に…………………?」



「『知らない』って」



「そうですよねー」



「その子を大変ガッカリさせてしまったよ。

本当は、なんて答えるべきだった?」



「え」



「神崎くんって、なんとなくだけど……年上好きそうだよね」



「え゛」



「イメージはねぇ。

スラーっとしてて、黒髪ショートカットで、口元にホクロがあるような……”the セクシー”って感じ」

  


「……びっくりさせんといて。全然ちゃうよ」



「そっかぁ。良いセンいってると思ったのに」



「……あれです。

よく言う『好きになった人がタイプ』ってやつ」



「ほぉ。それなら、どっちみち参考になりませんなぁ」



「ある意味、正解でしたね」



「あ、それでね。

その子が『今度、連絡先聞きにいく』だって」



「へぇ……」



「嬉しー??」



「……ノーコメント」



「私から教えてもいいかわからなくて、伝えなかったんだよね。神崎くんの連絡先」



「当たり前でしょ。他人に教えるの禁止っすよ」



「よかった、正解だった。

やっぱり直接聞いてもらった方がいいよね、絶対」



「先輩……モチ、焼かんの?」



「えー。流石にお腹いっぱいだよ」



「……ほんまズルいわぁ。

俺にばっか、焼かせてさ」





君がいなけりゃ、意味がない

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