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※マドレーヌ:Madeleineという名の女性がホタテの貝殻を使って焼いたことが由来とされる、貝殻型の焼き菓子。その形から、縁結び、夫婦円満、また「あなたと仲良くなりたい」という前向きな意味が込められている。
舜太side
勇ちゃんと柔ちゃんが付き合っているらしい。
仲がいいな…とは思っていたけど、実際に柔ちゃんの細くて白い首筋についた赤い痕を見たら胸の奥がチクリとした。
俺たちはグループの追加メンバーとして途中から参加した。
初めの頃はグループのイメージを壊さない様に、ついていくことに必死だった。
ライブの前は柔太朗と何回も振りの確認をしたし、ライブ後はお互いの家で反省会をするのがお決まりコースで。
泣いて笑って、時には自分たちの不甲斐なさに怒ることもあった。
俺が今もここに立ち続けていられるのは、メンバーはもちろんだけど…
柔ちゃんの支えがあったからだと思ってる。
だから、俺にとって柔ちゃんはずっと特別。
柔ちゃんは出会った頃から儚くて繊細な顔立ちをしていたけど、成長するにつれてノーブルな美しさが目立つ様になった。
男にこんなこと言うのは変かもしれないけど、本当に『美人』って言葉が似合う。
穏やかな性格は有名になってからも変わらなくて、ただ隣で笑ってくれているだけでたくさん勇気をもらった。
ダンスや動画撮影で絡みがあると単純に嬉しかったし、見つめられると鼓動がはやくなった。
初めて一緒に温泉に入った時はちょっと恥ずかしかったけど。
あ、でもあの時は柔ちゃんの肌の白さと腰の細さにびっくりしたなぁ…
女の子じゃないってわかってるんだけど、見たらあかんって気持ちになったんだよね。
でも、そっか…
俺じゃだめだったんかな
やっぱ、勇ちゃんのほうが大人やし頼り甲斐があるか…
柔太朗の髪に触れて赤い痕を隠してみる。
ちょっと気持ちが落ち着いてきた。
🤍「ん?なに舜?」
「なんも」
🤍「なんだそれ」
そう言うと柔ちゃんは俺にもたれかかってくしゃっと笑った。
そうそう、このえくぼも好きなんだよね。
🤍「ね、見てこれ」
「え?なに…」
🤍「この時舜がさぁ…」
柔ちゃんがスマホを見せてきた。
画面には出会った頃のまだあどけない俺と柔ちゃんが写っていた。
微妙な距離感で表情の硬い2人。
「どうしたの?この写真」
🤍「この前事務所に行った時に見つけてデータもらった」
「えーいいなぁ。俺も欲しい」
🤍「送るよ。エモいよね」
「うん」
写真とともに『なんかあった?』とメッセージが届く。
柔太朗を見ると首を傾げて見つめ返された。
もー…そういうとこ
勇ちゃんのモノってわかっても諦めきれないじゃん
「あのさ、ずっと一緒にいてくれるって約束、覚えてる?」
🤍「初公演の後の?」
「そう」
🤍「もちろん覚えてるよ」
「良かった〜」
🤍「忘れるわけない。ライブ終わりに俺の家に来て、次の日朝早かったのにめっちゃ語ったやつじゃん」
そうだよ。
あの時柔ちゃんのこと好きだって自覚したんだ。
「じゃあさ、俺の結婚式は柔ちゃんがスピーチしてね」
🤍「え…ちょ、舜太?どういうこと?」
「あせった?未来の話〜」
🤍「…付き合ってる人いるの?」
「いない。フラれた」
🤍「はぁ?誰だよそいつ。見る目ないな」
「はは…それな」
俺の目の前にいるけどね。
でも、
もっといい男になって惚れさせてみせるから。
だから、待ってて。