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翌日、かなは朝からどこか気持ちが重く、学校に行く足取りもいつもとは違っていた。家庭の問題がますます辛く感じられ、どこに向かえばいいのか分からない自分がもどかしい。
教室に着いてからも、かなは無理に明るく振る舞おうとするが、どこかで気持ちが抑えきれず、耐えられなくなってしまう。休み時間、静かなトイレの個室にこもり、自×行為をしてしまう。
その後、傷の手当をしたかなは、しばらく冷静を装いながら教室に戻るが、はるが何かに気づいた様子で目を合わせてきた。
けれど、かなはあえて目を逸らす。昨日のように優しく声をかけられたくなかった。自分が弱いところを見せたくない、そう思っていた。
授業が始まっても、かなはいつものように集中できず、頭の中で家庭の問題がぐるぐると回る。そんな中、いつの間にかまぶたが重くなり、意識を失いかけてしまう。結局、授業中に寝てしまった。
その姿を、はるは少し離れた席から見つめていた。かなの顔は、昨日とは違ってどこか冷たく、寂しげな表情を浮かべているように見えた。話しかけたくても、その距離感にどうしても踏み込めない。
暫くじっとかなの方を見た。彼女の様子を見守りながらも、何も言えない自分に嫌気がさしていく。どうしていいか分からないまま、授業が進んでいくのをただ静かに見守ることしかできなかった。