太陽「ハァ…」
任務は楽だ。何もかも忘れられるから。考えなくても許されるから。ただ、人を殺せばいい。ただ、それだけだ。
今日が卒業式なことは覚えていたが、わざと任務を入れた。卒業式に行きたくなかったから。
人に見られるのは好きじゃない。左目の傷のこと。産まれつきの真っ赤な髪のこと。
自分の容姿については嫌って程からかわれてきた。もう、馬鹿にされるのはたくさんだ。
またため息を一つ吐いて、目の前の敵に集中しようと八重を握りなおす。しかし、集中しようとすればするほど、卒業式のことが頭に浮かぶ。六美の顔や、夜桜のみんなの顔。母さん、父さん、光の顔がちらつく。
母さん「太陽の卒業式楽しみねー」 父さん「そうだな。」 光「絶対かっこいいよ!!」
太陽(あ”-、なんでこんな時に…) なぜ、今思い出すのだろう。
敵「死ねぇ!!」 太陽(ヤバッ…!)
頭を殴られる。 ぼたぼたぼたっと血が垂れる。
太陽「ざけんな。」
俺が無我夢中で八重を振るった。
無性にイライラして、その怒りを誰かに思いっきりぶつけたかった。