テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
午前3時、起床
午前3時5分、朝食、身支度
午前3時半から正午、ピアノ、運動
正午、昼食
午後12時半から午後6時50分、勉強
午後7時から午後9時、ヴァイオリン、美術
午後9時、夕食、お風呂等
午後9時半から午前1時、勉強
午前1時半、就寝
急になんだと思っただろう?
これは僕が物心がついて初めて母から覚えさせてもらったものだ。
今でも僕の目につくところ全ての壁に貼られている。
毎日、そう毎日僕はこれをこなしている。
自慢か?って?
そうさ、自慢さ。
僕は母の自慢だ。
この14年間、僕は母の自慢だった。
でも最近はそうでもないみたい。
ここ6ヶ月前からどうにも勉強にも何にも打ち込めないんだ。
体の全てが痛いんだ。
立つのも辛いよ。
母にこっぴどく叱られたよ。
病院に行ったら慢性疲労症候群だと言われた。
要するに疲れすぎってことだ。
療養が必要なんだと。
大丈夫さ、僕はまだ、まだ
あぁ言葉が詰まるなぁ。
「母さん!ぼくクラスで1番になれたんです!」
「それがどうしたの、小学校のクラスで1番なんてざらにいるわ」
「母さん、全国模試で1位でした」
僕はこの後のセリフを当てれるよ
『あぁそう、時間表を見なさい。今は勉強の時間のはずよ』
ほらね、これが天才ってやつだ。
褒めたたえろよ
あるところに天才に憧れた少女がいました。
ですがその少女は天才には程遠いただの凡人でした。
大人になった少女はあることを思いつきました。
自身の子を天才にしよう、そう考えた少女はそこそこの学歴の男と結婚し、子を孕み、産みました。
産まれた子は近所から天才ともてはやされました。
1歳でトリリンガルであったからです。
母となった少女の教育の賜物です。
少女のおかげと言っても過言ではありません。
まあご察しの通り、僕の母の話だよ。
子は僕。
男は僕が産まれたころにはもういなかったらしい。
子がつくれれば誰でもよかったんだ。
母さんには僕しかいないんだ。
だから、こんな病気にかかっているひまはないのだ。
僕が病気になってから母の帰りが遅いんだ。
僕が天才ならば帰りが遅い理由も分かっただろうけどどうやら母が自慢にできるほどの天才でもないようだからどうにも分からないんだ。
困ったな。
ぼくには母さんしかいないのに。
ぼくに天才になる方法しか教えてくれなかったのに。
あぁ困った、今は就寝の時間のはずなのになぜぼくは玄関のドアノブに手をかけているんだ。
あ、ノブが回った
え、
「ねぇ母さん…その男の人だれ」