迎える側もお客様も、みんなが笑顔になれる場所を作りたい――
それが、樹の目指すお店のコンセプト。
最初はものすごく冷たい人だと思ってたのに、今は樹の優しさを痛感してる。
私は、この人になら一生ついていけると確信してる。どんなにつらいことがあっても、この人の側に居られれば、絶対に乗り越えていけると。
樹は、レストランがある程度軌道に乗れば、結婚式を挙げようと言ってくれた。
私も、もう迷いはない。
今まで、本当にいろいろあった。だけど、きっと全部、意味のあることだったと思う。
まさか樹と結婚するなんて、最初は思いもしなかった。
でも私は、楽しいことも、悲しいことも、全てを2人で共有するのが結婚だと信じてる。柊君とは、残念ながら、一緒に居てもそれが叶わなかったんだと思う。
樹となら、楽しい時は笑って、悲しい時は泣いて、そんな当たり前の感情を素直に出せる気がする。樹も、そんな私を受け止めて、きっと理解してくれる。
私も、樹の感情を全て受け止めたい。決して、妥協や我慢ばかりじゃない人生を、これから先もずっと樹と送っていきたい。
新天地アメリカで、2人の幸せが動き出し、いよいよレストランのオープンの日を迎えることができた。
有難いことに、お店はたちまち人気店になり、樹の思い通りの笑顔あふれるにぎやかな店になった。
以前樹がアメリカにいた時の友達や、仕事仲間もたくさん来てくれ、毎日通ってくれる常連さんもできた。
樹は、そんなお客さん達と流暢な英語でユーモアを交えて会話している。私は、内容がわからずに一緒にただ笑ってる時もあるけど、それでも本当に毎日が楽しくて充実していた。
この選択に何の後悔も不安もなく、私は、1日1日が明るくキラキラと輝くような日々であることに、心から感謝せずにはいられなかった。
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