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第六話 かおしき〜花言葉〜
ーー探そう。
待つだけじゃ、何も変わらない。
そう決めて、店の鍵を閉めた。
夜の空気はひんやりしていて、昼間の熱をわずかに残している。
通りを見渡しても、見慣れた姿はどこにもない。
(当然、か)
来ない理由を探すなら、
まずは「来ていた場所」を辿るしかない。
四季君が最後に立ち寄ったのは、あの日。
花を買っていった、あの午後。
マリーゴールドと、ひまわり。
分けて持っていった理由を、
今になって考えている自分がいる。
僕は歩き出した。
店から駅へ向かう、いつもの道。
途中、白い建物が視界に入る。
――病院だ。
ただの近道。
それだけのはずなのに、足が止まる。
(……なんで、今)
胸の奥に、言葉にできない違和感が残る。
消毒液の匂いが、風に乗って届いた。
その瞬間、
探していた答えが、
すぐ近くにある気がした。
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