jkside
何も変わらないままどんどん時は過ぎていき、
2月になった。
表には見せずとも、
腑抜けになってしまったような気持ちで過ごしていたある日の薄暗い夕方のこと。
気持ちを繕い続けるのも疲れて、
事務所からため息混じりに出た後、
流れ星でも見えないかと藍色の空を見上げていた。
冬は本番で、凍えるほど寒い。
誰かの温もりが恋しかった。
誰か、、、
いや、あの日背中におぶって送り届けたジミニヒョンの温もりが。
突然、
🐰「うわっっ!!」
小さな人影が僕に飛びついてきた
よろけて思わず目を瞑り、過激なファンかと思って振り払おうとした瞬間
🐣「ぐがっ、、たすけてっ、、泣」
僕の胸に顔を埋めたその人がジミニヒョンだと気づいて目を見開き、
ふらついた身体をなんとかぐっと持ち直して、彼をしっかりと抱きしめる
🐰「じみにひょん?!」
咄嗟に、テヒョニヒョンから脅されたことがよぎる
慌てて抱きしめたまま、ビルの裏の方に連れていって、そこに身を潜めるように置いてあったベンチへ、2人で腰を下ろした
凍えるほど寒いのに、ヒョンは黒のタートルネックのセーターと下にはスラックス1枚で、
頬を真っ赤にして震えている
急いで自分のコートを脱いで着せ、フードを被せて引き寄せた。
自分の体温を、冷たすぎる彼の身体に移すように必死で擦る。
🐰「なんでこんな格好で、、、こんな身体冷やして、、どうしたの、、、」
🐣「助けてっ、、助けて欲しくてっ、、泣」
涙をぽろぽろこぼして、もうほとんど悲鳴のような声を出している。
🐰「焦らないで。僕にできることなら何でもしますから。
なにがありましたか?ゆっくりでいいから話せる?」
🐣「テヒョナがっ、、泣」
🐰「テヒョニヒョン、、?」
彼の言葉に、やっぱり、と思う自分がいた
🐰「いま2人は付き合ってるんですよね?」
こくこくと頷いて、
震える冷たい手で僕にすがりついてくるのを、
今だけ、と膝の上に乗せて抱きしめ、
背中を優しく撫でる
🐰「お願いだから少し落ち着いて、、大丈夫だから、、」
🐣「はぁ、、はぁっ、、、はぁ、、泣」
僕の肩に頭を預けて、
そこでようやく少し安心したのか、息を整え始めた。
🐰「そこが落ち着く?」
耳元に囁くように聞くと、彼がまた小さく頷く。
🐰「それならよかった。
落ち着いてからでいいからね。」
🐣「ごめ、、ん、、、ぐすっ泣」
🐰「いいから。
目つむって、、深呼吸して、、
大丈夫。」
息が整い始めた頃、
ヒョンは肩に力なく頭を乗せたまま、話し出してくれた。
🐣「あのね、、、ぼく、、僕、、テヒョナと付き合ってからやっと寂しくなくなって、、
テヒョナのおかげで少し前に進めるかもって、救われてたの、、泣
すごく優しかったから、、」
🐣「それなのに、、、泣
最近おかしくて、、泣
グクの名前何回も出して、会ってないかって聞いて、、僕に怒ってくるの、、ほんとに1度も会ってないのに、、、泣」
仕事でも何度かテヒョニヒョンとは会ったけれど、そんな素振り少しも見せてなかったから驚く。なにか理由があるんだろうか。
🐣「僕も外で仕事してるのに、、やめてって言ってるのにキスマも見えるところにわざとつけてきて、、怖い、、泣」
それを聞き、ごめんね、と断ってフードを下ろし、タートルネックを少しだけ捲る。
🐰「っ、、これ、、、」
理由があるなら、、という考えが一気に霧散した。
その刻まれた印が想像を超えるおびただしい数だったから。
中には吸われすぎて青アザのようになっているものもある。
その痛々しさに思わず触れてしまうと、びくっと怯えたように震えた。
🐰「ご、ごめん、、
でも、、こんな、、
痛くないの、、?」
🐣「痛いよ、、
痛いからっ、、もう怖くて身体反応しなくなっちゃって、、泣
そしたらやっぱり他にいるんだろって無理やり乱暴にヤられて、、泣
なんでこんなことになっちゃったんだろ、、泣
もうどうしていいかわからないのっ、泣
テヒョナが帰ってくるのが怖くてっ泣」
言葉にしたら怖くなってしまったのか、一気にそこまで話して、また震え出すヒョン。
🐰「それじゃどうしてここに、、?
ここじゃテヒョニヒョンに余計近づいちゃうでしょう?」
🐣「グクしか、、思いつかなくて、、泣、
助けてくれるかもって来ちゃった、泣、、
やっぱおかしいよね、間違ってるよね、、ごめんね、、ごめんっ、、泣
ぼく馬鹿だからっ、、泣」
そう言って離れようとするから、逃がさないようにちゃんと抱きしめる
テヒョニヒョンとの事で、僕を頼ってきたのは傍から見れば間違っているかもしれない。
でも、こんな追い詰められた状況で、僕を頼ってくれたことが、純粋に嬉しかった。
🐰「迷惑なんかじゃない。
僕のとこに来てくれてありがとう。
今なら僕が守ってあげられるから、、、だから落ち着いて、」
彼のお腹に手をあてて、
🐰「大丈夫だよ、、大丈夫。怖がらないで。」
まだ強ばっているものこそ、いくらか息が整ったヒョンに安心して、もう一度抱き直してから聞く
🐰「テヒョニヒョンは、今どこにいるか分かりますか?」
🐣「たぶんこの中、、泣
さっき入ってくの見たから、、泣」
それはまずい、と思ったが、とりあえずフードをヒョンにしっかり被せた。
🐰「あの、、自分の家に帰れない理由は、テヒョニヒョンが来るかもしれないからであってる?」
🐣「合鍵、、、泣」
🐰「わかった、もうそれ以上言わなくていい。大丈夫だよ。」
膝下と背中に手を入れて抱き上げる
ちゃんと素直に首根に腕を絡めてきたヒョン。
追い詰められてるのは相当のようで、ありえないくらいに軽かった
🐰「僕の家に行きましょうか。
泊まっても大丈夫ですから。」
下心は捨てた。
傷ついているヒョンに漬け込んで手を出すなんてことは、絶対にしない。
僕はこの時そう誓った。
🐣「いいの、、?泣」
🐰「ヒョンが嫌じゃないなら、
何も問題ないですよ。」
頷いたのを確認し、
辺りは暗いから大丈夫だとは思ったが、
誰にも見らないように気をつけながら駐車場に行き、後部座席に乗せた。
🐰「僕の家遠いから、もし眠れそうなら寝ていてください。」
ヒョンがこくんと頷いて僕のコートを引き寄せてくるまる。
車を出そうとエンジンに手をかけた瞬間、
📞…♪
僕の携帯が着信を知らせた。
まさか、と思って液晶に浮かび上がった名前を確かめると
キム・テヒョン
まさに今、1番かかってきて欲しくない人だった。
誰が1番間違っているのか、
主もわかりませぬ🥲
コメント
15件
ヤバ!🐻怖い!🐥と🐰頑張れ!
え、ジミン大丈夫?テヒョン君ジミンに何やったんだ!? グクジミンを助けてあげて!! テヒョン、ジミンの事好きな気持ちは分かるよでもこれはやりすぎだと思う… 主さーん最高です!! 楽しみにしてます!!
それぞれの気持ちが痛いほどわかるから誰かを責めることもできず… なんか切ない🥺🥺 それぞれの色んなところでタイミングを逃してそれが相手を想っているからこその行動が間違った行動に繋がっている… なんか深すぎる🥺 どうなっちゃうの??🐻くんからのタイミングの良い電話… ドキドキします!!!