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#ダンジョン運営
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#リクエスト沢山してね
金曜の夜、仕事終わりの改札前は、いつもより少しだけ人が多い。
💙「おつかれさま」
先に待っていた彼が、軽く手を上げた。スーツのネクタイは少し緩んでいて、いかにも“仕事終わり”という感じだ。
🍣「おつかれ。待った?」
💙「全然。ちょっと早く上がれただけ」
並んで歩き出す。特別な予定があるわけじゃないけど、一緒に帰るだけで、なんとなく一週間が報われる気がする。
💙「今日さ、会議長引いてさ……」
🍣「うんうん」
💙「もう途中から意識飛びそうだった」
彼は苦笑いしながら話す。その横顔を見て、俺はくすっと笑った。
🍣「でも頑張ったんでしょ」
💙「まあね。褒めてくれてもいいよ?」
少しだけ冗談っぽく言うその声に、俺はわざと間を置いてから、
🍣「えらいえらい」
と、軽く頭をぽんと叩いた。
💙「子ども扱いしてない?」
🍣「してる」
即答すると、彼は「ひど」と言いながらも、どこか嬉しそうに笑った。
駅を出ると、夜風が少しだけ冷たい。思わず腕をさすった俺を見て、彼が自然に距離を詰める。
💙「寒い?」
🍣「ちょっとだけ」
そう答えると、彼は何も言わずに俺の手を取った。
💙「……あったかいでしょ」
🍣「うん」
手を繋ぐのは、もう珍しいことじゃない。それでも、こういう何気ない瞬間に、付き合ってるんだなって実感する。
💙「ご飯どうする?」
🍣「なんでもいいよ。そっちは?」
💙「疲れてるから、のんびり食べれるとこがいい」
🍣「じゃあ、あの定食屋行く?」
💙「いいね」
いつもの店。特別じゃないけど、落ち着く場所。
🍣「こういうの、いいよね」
💙「なにが?」
🍣「なんでもない日なのに、一緒に帰って、ご飯食べてさ」
彼は少しだけ照れたように視線を逸らした。
💙「……まあ、いいよね」
その言い方が少しぶっきらぼうで、でも優しくて、私は小さく笑う。
💙「なに」
🍣「いや、好きだなって思って」
💙「急だな!?」
びっくりした顔を見て、さらに笑ってしまう。
🍣「そういうとこ」
💙「どういうとこだよ……」
彼は少し困った顔をしながらも、繋いだ手をぎゅっと握り直した。
💙「……俺も、好きだけど」
小さな声でそう言う。
聞こえてないふりもできたけど、しない。
🍣「知ってる」
そう返すと、彼は「なんだそれ」と笑った。
いつもと同じ帰り道。特別なことは何もない。
でも、この“なんでもない時間”が、ちゃんと大事だと思える。
そんな夜だった。
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