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時計の針が、日付をまたぐ。
照明を落としたリビング。
スタンドライトの光が、肌のラインを静かに照らす。
3人の視線は、もう隠しきれない熱を帯びていた。
元貴が、最初に動く。
ソファに腰かけた◯◯の前にひざまずき、ゆっくりと顔を近づける。
「さっき言ってたよね。
“覚悟して”って」
◯◯が言う。すると、、
頬に指がそっと添えられる。
そのまま、顎を持ち上げられ、逃げられない距離に。
「……こっちのセリフ。
◯◯に触れたいって思ってから、どれだけ我慢してたと思ってるの?」
すぐ横で、涼架が◯◯の手をとって、自分の胸元にあてがう。
「心臓、うるさいでしょ。
◯◯のこと考えると、これ……毎回こうなるんだ」
その鼓動は、確かに速くて、熱い。
背中にまわった滉斗の声が、首筋に落ちるように届く。
「ねえ……もう意地悪しないで。
今だけは、素直に甘えて。
全部、俺たちに任せていいから」
◯◯は小さく息をのんだ。
3人に囲まれて、逃げ場なんてどこにもない。
でも、そのどこにも逃げたくなかった。
元貴がそっと額を重ねてくる。
「“好き”って言葉、何回でも言えるよ。
でも、今日は……言葉よりちゃんと伝えたい」
涼架が、耳元で囁く。
「◯◯の全部、俺たちで溶かしていい?」
滉斗が、そっと首筋にキスを落とす。
「……震えてる。
でも、それって……俺たちのせいだよね」
触れる指先も、肌を滑る吐息も、全部が優しいのに熱い。
愛おしさと独占欲と、ちょっとした焦らしが混ざった空気が、ゆっくりと部屋を包んでいく。
◯◯は、小さく震える声で答えた。
「……意地悪されてるの、私のほうじゃん……」
元貴が笑う。低く、甘く。
「そうだよ。
今日だけは、俺たちが◯◯に“意地悪”する番」
――そして夜は、長く深く、甘く溶けていった。