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あのナンセンス極まる入部試験から一週間後の放課後、私ことジェンヌ・ダノレワはメールで指定された教室に待機して早数時間。
合格者がいる教室には部長が迎えに行くとあったのですが……
来ませんわね。
それに、この教室にいる聖乙女騎士団のメンバーは私一人……
他の皆様は残念ながら私に着いてこられなかったようですわ。
まぁ、例えワタクシ一人だったとしてもこんな簡単な任務はお茶の子さいさいですわ!
あのオノレーオ・マ・モールに冒険者としての格の違いを見せつけ、ジャンヌ・ダルクのソウルカードを祖国に持ち帰る……
たったこれだけの事ですのに、極東の島国に一人娘が向かうのを不安がったお父様ったら、聖乙女騎士団を総動員するとか……
そんな風に取り留めも無い事を考えておりますと、教室のドアが開いて、それなりに顔の良い……副部長だったかしら?
確か名前は……
「残念ですが、こちらの教室の皆様は不合格となります!!本日は大変お疲れ様でした!!!」
となりの教室から歓声が聞こえてきましたわ。
それにしても……
「ふっ、不合格!不合格ですって!このワタクシが!!??
こ、これは何かの間違いよ!もう一度よく確認しなさい!?」
「ジェンヌ・ダノレワさん。我々は先日のテストの内容を元に厳正に選考をさせて頂きましたが、残念ながら今回貴女は当部の求める基準を満たしておらず、不合格の決定を致しました。希望者の方には、これから俺の方から不合格に至った理由の寸評をしますので、席についてください」
「貴方では話になりませんわ!」
そう言って立ち上がり、隣の教室に向かい、ドアを開けると、
「どういう事ですの!? 何故このワタクシが不合格など!!」
と当然の抗議を申し立てると、後ろから首を掴まれて、
「グェッ!?」
と乙女らしからぬ声を出してしまいましたし、何より此方の教室には私以外の聖乙女騎士団団員の皆が……
どういう事ですの!!??
その後は副部長を名乗る男に首を掴まれたまま、元の教室に連れ戻されて、教壇の前の席に座らされましたわ。
「あ~、改めて自己紹介するが、俺は冒険者部副部長の三地 池流(さんじ いける)だ。
早速だが、今回の不合格者の総評だが……
冒険者稼業の適性が低い、の一言に尽きる」
「ストレス・苦痛に対する耐性が低すぎる。
協調性が無い。
体力が無い。
最後に性根が悪すぎる」
なんという事を!このワタクシがよりにもよって冒険者に向いていないなどと!?
「心当たりがないとか思っている奴、そういう所だぞ」
「納得がいきませんわ!?かくなる上は決闘です!!
ワタクシが勝ったら今の暴言の数々を撤回して、不合格が間違っていたことを認めて頂きますわ!!!」
「ふぅ、守の奴がこうなるかもとは言ってたが……
まぁ、良いだろう。他に相手をして欲しい奴は居るか?面倒だから全員纏めてでもいいぞ?」
ふっ、あの男の一味なだけあって、傲慢ですわね!
フランスのトップクラスの冒険者であるこのワタクシに勝てるとでも!?
周りを見ると、チラホラと参加者がいるようですわね。
「あ~、じゃあ、これから冒険者部の部室地下の訓練場に行くが、装備を用意してくる奴は取りに行っていいぞ?
俺も本気の装備でやるから」
本気の装備?オノレーオの装備は情報がありましたが、この男の装備は……どうせ似たような物でしょう。
まぁ、いいですわ。
ワタクシの装備も用意させねば。スマホを取り出して、
「フランソワ?一寸これから決闘をする事になったの。
ワタクシの装備を学校まで持ってきて頂戴?」