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通知を受け取るたび、光るスマホ。
机の上には市販薬のごみが散乱していた。
数週間、外に出なかったからか足が細く見える。
トーク画面ーーーーー
🎲 (6)
桃 「まろー?今日会議だけど大丈夫そ?」
黄 「なんかあったら電話してや。」
水 「いふくん無理したら怒るからね!!」
白 「自分のペースでええんよ~」
赤「 今の状態も教えてくれると助かるな~!」
ーーーーー
青 …、
正直、俺はどうしたら良いか分からなかった。
既読もつけず通知を見つめるだけになってしまう俺が嫌いで、
今すぐにでも自分を消してしまいたかった。
メッセージに既読をつけないようにスマホを弄りながら外を見ると
窓に雨が張り付いて雲が太陽を隠していた。
まるで、部屋の隅にいる俺に寄り添ってくれているかのように。
今までこんな俺は誰にも見せたことがなかった。
勿論今も見せていない。
会議も配信も体調が悪いからと言って休むようにしている。
SNSの浮上もメンバーとの連絡も一切していない。
俺はもう、なにも見たくなかった。
大切な人からの言葉も心配する声も。
唯一見られるのは毎年の誕生日にメンバーから貰った手紙だけ。
読み返して泣くの繰り返しだけど、それで良かった。
その手紙を読める日が後どれだけ続くかは分からないから。
俺は何通もの手紙をファイルへ大事に入れた。そして、
遺書が入っているファイルを机の上に置きベッドに寝転がる。
体は重たくて動くことすら辛かった。
無心のまま天井を見つめ、死に場所を考えていた。
一定の速度で鳴り響く時計の秒針。
それはまるで死ぬまでのカウントダウンみたいに思えた。
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