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リバティ・トラストの専用駐車場に着いた時は、あたりは真っ暗だった



この郊外の施設の周りには、民家はなく、だだっ広いリバティ・トラストが買い取った広大な土地が広がっていた


行く行くはここは信者達の街にするのではないかと、ネット上では話題になっていたぐらいだ



もしもの時のために、二人には車で待っていてもらって、一旦私は一人でこの施設に乗り込んで行った



夜の夕闇に紛れて、私は夕方の参拝に訪れた信者のフリをして大礼拝堂に入った



この施設は夜遅くまで信者のために礼拝堂を開放していた



「ごきげんよう」


「ごきげんよう」


裕福そうな品の良い信者達と行きかうたびに、上品に挨拶を交わす



どこから探せばいいのか見当もつかない、しかし私にはあてがあったこの広大な庭園の奥地に、私が以前ここに迷い込んだ時にたどり着いた住居の先・・・・



あの時にゾッとするような、関係者に立ち入り禁止の注意を受けた場所・・・



あそこなら誰かを隠していても、安易には見つからない



私はあの時俊哉に連れられて、この施設に来た時トイレに行って迷いこんだように通路をそれた


施設の脇に幾学的な設計でまとめられた、巨大な庭園があり、色とりどりの花が咲いている



見た目はいかにも天国を思わせる、心安まる穏やかな眺めだった



けれども今は私の目には地獄の光景に写った、ここのどこかに柚彦君が監禁されている



吐き気を催さずにはいられなかった、みぞおちから全身に旋律が広がっていく


この庭園には遮るものは何もない、何処の誰かもわからないものがうろついていては目立つし、館内の窓越しに誰かの目に留まったら怪しまれる



しかしそのことは、あまり考えないようにして私は急ぎ足で庭園を突っ切った






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