例えば、自分が人間だったら。
醜い怪物じゃなかったら。
果たしてどんな世界を生きていたのか。
“美しい人間”として生きていられたのか。
そんな事はきっと自分にはないのだろう。
新連載スタート!
ここは研究所、人間を改造したりクローンを作ったりする場所だ。
そんな所にまた、新しい子供が来たのだ。
暇をしていた”ルカ”はその子が気になって仕方ない様子だった。
隣の部屋とはガラス越しであり、いつでも顔が見れるようになっている。
ガラスに手を当て、声を掛ける。
「ねぇ、……名前は?」
びっくりしたのか、目を見開きこちらを振り向く。
???「びっくりしたぁ、……えっと、名前?」
可愛らしい女の子の声だ。
???「名前は、ロゼ!」
「よろしくね!」
「うん、よろしく私はルカ、」
ルカが名前を言った瞬間、ロゼが目を輝かせる。
「ルカ?!かわいい名前!」
ロゼは薄紫色の髪の色に、緑色の瞳、ピンク色のワンピースを着た、
普通の女の子のようだった。
「ここ……怖く、ない……?」
ルカの質問にロゼは顔を暗くする。
ルカは変なことを質問してしまっただろうかと焦る。
「あのね…」
「とっても怖いよ……でも家が研究所だったから……」
家が研究所だったから……それはどうゆう事なのだろうか…。
おずおずとルカは聞く。
「お母さんが……博士……だったりする、?」
「……………」
ロゼは何も言わなかったが静かに頷いた。
「そっか……辛いよね」
重い話になり、ふたりが黙っていると、
ルカの部屋の扉が開く。そして__
アイツが入ってくる。
まるで魔女のような帽子をかぶり、 白い白衣を着た
ここの研究所の”博士”、 シャオミン。
気味の悪い笑みを浮かべながらルカに近づいてくる。
「ルカ、さっ……行きましょうか」
「……行かない」
「行きたくない……」
ルカがそう言うと、笑ったまま顔を覗いてくる。
「そう、じゃあ明日”2回受ける”ことになるわよ」
その声にルカは足がすくんでしまう。全身に力が入らない。
シャオミンが部屋を出ていった瞬間、地面に座り込む。
一部始終を見ていたロゼは震えるルカに声を掛ける。
「大丈夫……?怖い……?」
「違う………違うの……」
「何が?何が違うの……?」
「なんでもない……」
まだ、まだこの子には言えない。
この”第1”研究所のこと、私の事。
こんなにも可愛くて、美しい普通の女の子のロゼには。
美しく生きる、人間のロゼには………。
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