テラーノベル
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「はぁ〜っ……疲れたわ……」
歌い手グループ【クロノヴァ】のオレンジ・ラップ担当のうるみやは、グッと伸びをしながら事務所を出た。
「にしても今回のレコーディング、めちゃくちゃ時間かかってもうたな……」
事務所に入ったのは午前中だったのにいつの間にか日は西の稜線に沈もうとしている。
「よっしゃ、はよ帰ろか!」
薄暗い住宅街を早足に進む。
ピコンッ!
「しゃるろからやん、何や」
足を止めスマホを開いたところで気付いた。
“道路の真ん中だ”
「あ……」
気づいた時にはもう遅かった。
目前に迫るトラック。
通行人の悲鳴。
悪意ゼロのLINE。
その全てが鮮明に脳に刻みつけられた直後。
ドンッ!
視界が回転した。
否、自分の体が宙を舞っているのだ。
そして重力に囚われた身体は急降下する。
だんだん迫ってくる地面。
受け身を取る余裕など無い。
頭から落ちるのは確実だろう。
(こんな状況でもうるみやは冷静なんやな……)
ガツッ……
頭に走る鈍い痛み。
(あぁ……もっとみんなと歌いたかったな……)
彼の頬を一筋の涙が伝った。
*****
満天の星空。
見渡す限りの草原。
『え?うるみや、死んだはずじゃ……』
『来てくれてありがとう。もう一人の僕』
そこには自分に瓜二つの少年が立っていた。
コメント
1件
お疲れのと♡♡♡みません、寺島あおいです🌷 「Prelude」第2話、読みました。 うるみやさんの日常のテンポ感がとても自然で、レコーディング終わりの「はよ帰ろか!」の口調にほっこりしたのも束の間…まさかあのタイミングでスマホを見てしまうとは。交通事故の描き方が映像的で、胸がぎゅっと詰まりました。 特に「涙が伝った」の一文が切なくて。それでいてラスト、自分と瓜二つの少年が待つ草原。死後の世界なのか…それとも?続きがすごく気になります!
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ちぃ