短編読み切り倫理観ロックオフ
どっちもやべえです
こんなひふどがみたいってだけの空想の産物
「♪〜」
なーんか、妙に独歩の機嫌がいい気がする。
あ、さてはまたやったな?
いそいそと部屋の掃除をする独歩の肩を叩いて、声をかけた。
「なぁ独歩ちん、正直に言ってな。またやったっしょ?」
「…ん?なんのことだ?」
まー分かってたけど、当然はぐらかしてくる。
今回ばかりはと思って、ちょっと問い詰めてみることにした。
「もぉー、なんのことだ?じゃなぁーいー!また職場の先輩ボコボコにしたでしょー?あれは完全に俺っちのミスだからぁ、先輩は悪くないって言ったじゃん!」
「いいや、一二三が間違えるわけ無い。だいたい間違えてたとしても監督不足だったその先輩のせいだろ?だからあれくらい当然なんだよ。俺の一二三に因縁つけたんだから殺してもいいくらくらいだ」
案の定、やっぱりやってた。
前触れはあったんだけど、付き合ってから更にエスカレートしたんよね、これ。
俺っちがミスしたり怒られる度に、独歩がブチギレて相手をボコボコにしちゃう。
店回らなくなるからやめてって再三注意してるのに一向にやめる気配がないの!
最近人手不足が進行しててほんとに困ってるのに!
「因縁でもなければ当然でもないんだわー。んもー、俺次やったら別れるってちゃんと言ったよ?」
そう言った瞬間、さっきまできょとんとしてたのが嘘みたい瞬間目の色を変えて縋り付いてきた。
この手の話は毎回こうなる。
「嫌だ!!別れるのだけは絶対嫌だ!!!いなくならないでくれ、俺はお前がいなきゃ…」
「じゃあもうしないでよー、別に俺別れたいからこんな事言ってるんじゃないよ?もしバレて、独歩に変な噂が立ったら嫌だから言ってるのね?分かるー?」
「俺゛ッ゙、一二三に捨てられたらぁ゙ッ゙…」
ありゃりゃ、多分これ聞いてないな。
全く仕方ないなぁー、独歩は。
そっと抱きしめて、優しく背中を擦る。
独歩は昔からこうしてあげると落ち着くんだよねー、俺しか知らないけど。
「独歩はいい子だから分かったもんね、偉いね。もう怒ってないよ〜」
「…本当?」
「ほんとほんと!独歩が嫌いだから怒ってるわけじゃないし、独歩の事超愛してっから!」
「…」
「てかお腹すいたっしょ?晩御飯用意してあるから食べよー!」
「…うん、ありがと、一二三」
これだけ見ると赤ちゃんかな?ってくらい可愛い。
独歩ちん可愛すぎて全部許す〜!!
ちゃちゃっとご飯の用意をして〜、一緒にいただきます!
美味しそうに俺のご飯食べてる独歩っぽ、がちかわゆ〜♡♡♡
「…あ、そういえば今朝言われたんだけど、ハゲ課長が行方不明らしい。…こう言っちゃ悪いけど、ざまぁって思っちゃうよな」
「へぇ〜、独歩ちんも悪よのぉ〜!!」
「わっ?!やめろ一二三!飛びつくな!」
こうして独歩と笑っていられるなら、俺は何を捨ててもいいよ。
独歩が誰かを傷つけてでも俺を守ってくれるなら、俺は誰かを殺してでも独歩を守ってあげるね。
「愛してるよ、独歩!」
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