TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

フローリングに直接置いてある、古臭い、青く縁取られた金魚鉢。中には何も入っていない。

あの金魚鉢の役割は、カーテンのない窓から降り注ぐ陽光を歪めて床に落とすだけ。

ただそれだけ。

たまに中に積もった埃を取って、また蹴飛ばさないくらいの位置に戻す。外から何の音もしない時は、この部屋が世界の全てで、この行為は狭い世界の形骸化した儀式の様だと思った。


「え、どういうこと」

「だから、そのまんま。私も金魚鉢もってる」

「いや、それって金魚鉢なの?」

「金魚鉢だよ」

「…………そうかなぁ」


……俺の金魚鉢は、金魚泳いでるよ。

だからなんだ。

金魚鉢として売られていたんだから、確かにあれは金魚鉢だ。何処からどう見ても金魚鉢なのだ。

確かにあれの中で金魚が泳いだことも、水で満たされたことも無い。しかし、 だとすればそれは金魚鉢ではないのだろうか。ただの器に成り下がるのだろうか。

この議論には胸を張って違うといえた。そもそもあれは何も入っていないけれど、空っぽではないのだ。

何故ならあの金魚鉢は……

「あの金魚鉢は空で満たされてるから、金魚鉢なんだよ」

そうだ、短編を書こう

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

15

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚