機械室のドアを開けると、ジーという音が聴こえてきた。赤、黄、緑のランプが規則正しく瞬いている。通路からこぼれた光が、送風機のダクト穴から顔を出すウームの小さな芽を照らした。
郷田は片隅の工具箱からソフトウェア・チェッカーを探し出して、マシンにつなげる。しばらくすると、バグは自動修正されていますというメッセージが聴こえてきた。
であれば、ワープ機器から宇宙地図システムへつながる途中にある、通信部分に異常があるはずだ。入力したワープ幅がしっかり取れていて、船が正常に移動していたとしても、それが地図上に反映されていなければ話にならない。