コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
聖さんと別れ今日の花束の花を活ける。
今日の花はエキザカム、月見草、ユキノシタ。花言葉は“あなたを愛します”、”無言の愛情”、”深い愛情”。
聖さんからの愛…きちんと伝わったよ。私の思いも聖さんに届いていたらいいな……。
「久しぶりに来てみれば随分ゴタゴタしてるわね。」
「き、キズさん⁉」
「何よ、初めて会うんじゃないんだから、少しは慣れなさいよ。」
「慣れるって言っても、いきなり後ろに立たれたら誰でもびっくりしますよ。」
「やっぱりあなたは無防備ね。そんなんだから襲われるのよ。」
「なんでそんなこと知って…。」
「あなたが聖に襲われた時、私ここに来たのよ。貴女と話がしたくて……。それなのに来てみたらどたばたしてて驚いたわ。うちの琉生がまさかここに逃げ込むなんて。」
「私もキズさんに聞きたいことがあります。」
「あら何かしら?」
「キズさんの本名って柚さんなんじゃないですか…?」
「え……?」
「この間、劉磨さんに柚さんの写真を見せてもらいました。そこに入っていた写真はあなたとうり二つの姿だった。それに、花嫁候補としての生贄だと言ってましたよね…?私が来る前に何かがあったんじゃないんですか?」
私の言葉に一言も発しなくなるキズさん。やっぱりそうなんだ……
「悪いけど、私は柚なんて知らないわ。たまたま境遇が似ていたんじゃないかしら?」
「それだけじゃないんです…貴女が柚さんであると思った理由。それは貴女が今ここにいることです。」
「は?」
「あなたが何のかかわりもない人なら入れるはずがないんです。だってこの屋敷は……」
「私たちが結界を張っていますから。私たちの許可なしには入れないつくりになっています。」
「皆さん…どうしてここに…?」
琉生くん以外の5人がドアの前に立っていた。
いつのまに……?
「前から少しずつ結界に亀裂が入っていた。最初は気のせいかと思ったけど、劉磨クンの話を聞いて頭の中によぎったの。柚ちゃんが戻ってきたんじゃないかって…。」
「ふ~ん…で、私がその柚さんだとしたらどうするつもり…?また殺そうとするの…?それとも許しを請うの…?」
「やはり怨んでいたんですね…あのときのことを。」
「半殺しの目に合わされたのね、その子。可哀そう。」
「キズさん、お願いです。自分が柚さんであることを言ってください。皆、あなたとのことを悔やんでいるんです。もう悔やまなくていいと言ってあげてください。」
「悔やまなくていい…ですって…?ばかじゃないの?こいつらは一生十字架を背負って生きていくべきなのよ。自分たちの過ちに苦しめばいい。悔やみ続けて一生を過ごせばいい。協会が許したって私は許さない。」
目を見開き吐き捨てるように言う柚さん。伝わってくる恨み、悲しみ、苦しみ。
「ついでに1ついいことを教えてあげる。近々うちの僕がここにいる琉生を迎えに来る。それが…貴方たちにとって最期の日になる。せいぜいそれまでを楽しむことね。」
それだけ言うとキズさんは消えてしまった。