テラーノベル
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🍌視点
🐷「ようこそおんりーちゃん。
この屋敷も俺達もおんりーちゃんの事を
愛しているし歓迎してる。」
めんさんの声が優しく包み込む。
🐷「壊れても最後まで愛してあげる。」
🍌視点
今日はいつものはじまりとは違った。
いつも通り朝が来て
ドズルさんが朝食を持ってきてくれた。
でもその目はどこか真剣で
普段の優しさの奥に隠された何かを感じた。
🦍「おんりーおはよう。
今日は話したいことがあるんだ。」
そう言われ
少し戸惑ったが素直に頷くことにする。
この屋敷に来てから静かな日々の中で
心の奥底に閉じ込めていた記憶が蘇った。
誰にも愛されず孤独に生きてきた過去。
その痛みはまだ消えていなかった。
あの日めんさんが言った言葉が
何度も胸の中で響いていた。
🐷「おんりーちゃん
愛されたかったんでしょ。」
そんな自分に気づくのが怖くて
ずっと目を逸らしてきた。
でもここに来てからの時間が少しずつ
心の奥にある何かを揺さぶり始めていた。
1人だった過去を
誰にも理解されなかった孤独を
この屋敷は知っていたのだろうか。
いつもと違う雰囲気で
緊張して背筋が凍る。
🦍視点
おんりーの瞳が揺れていた。
どこか怯えるようなそんな目だった。
この屋敷に来た時よりもボロボロで
だけどどこか強くなった
そんな気がする。
今日の空気はいつもより少し重たく
言葉を選ぶのに時間がかかった。
🦍「……ここに来てどうだった?」
しばらく沈黙が流れる。
『…怖かったです。
肉体的に精神的にも辛かったです。』
素直な声だった。
『…でもみんな自分のことを
気にかけてくれて愛してくれて…
ここが居場所なんじゃないかと思って。』
おんりーは体の傷を撫でながら続ける。
『けど怖かった。
愛された事なかったから
愛され方分からなくて。』
おんりーが小さく笑った。
けれどその笑顔の奥に
まだ癒えきらない
痛みが残っているのが分かった。
その手が触れていた傷跡は
俺たちが与えてしまったものだ。
おんりーをこの場所に
縛りつけるための鎖。
🦍「おんりーがこの屋敷に来た時
ここに来た子の中には自由になる直前に
誰かに翼を摘まれた子が居たっていう
昔話を少ししたのは覚えてる?」
そう問い掛ければ小さく頷く。
🦍「ここにやってきたあの3人の
翼を摘んだのは屋敷の主である僕なんだ。
もうみんな気づいてるとは思う。
けど僕はみんなの居場所はここだと思って
こうすることが幸せだと思ったんだ。」
その言葉が静かに響いたあと
部屋の空気が
ひときわ静まり返った気がした。
🍌「どうして…じゃあドズルさんは…
自分で翼を摘んだんですか…?」
声が震えていた。
その問いかけはまるで
自分の心の奥に突き刺ささった。
🦍「僕はこの場所を必要な
誰かのために用意したかった。
この屋敷は素質を見破るから
愛に欠陥のある子が集まる。
もちろん屋敷に選ばれた僕だってそうだ。
帰ってくる場所が欲しかった。
誰かを守ってあげたかった。
…たとえ拒絶されても…ね。」
1000❤︎↑
クライマックスに近づいてきました🥲
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