テラーノベル
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蝉の声が遠くで響く午後、Candelavraはカフェの窓辺に座り、冷めかけたアイスティーを見つめていた。透き通ったグラスに差す陽射しは眩しくて、どこかEdamimiの笑顔を思い出させる。
「……嫌われてるのかな、私」
ぽつりと呟くその声は、少しだけ震えていた。
向かいに座るGnarlsはストローを口から外し、きょとんとした顔をしたあと、急に笑顔を弾けさせた。
「ははっ、なに言ってんの!絶対そんなわけないって、Candelavra!」
「でも……話しかけても、いつも目を逸らしてどっか行っちゃうんだよ?」
Candelavraは手元のスマホ画面をちらりと見つめたまま、表情を曇らせる。そこには数時間前に撮った、イベント帰りの集合写真が映っていた。みんな楽しそうに笑っている中、Edamimiは少しだけCandelavraのほうを見ていて……その目が、どこか切なそうに見えた。
Gnarlsはそんな彼女を見つめながら、少しだけ真面目な声で言った。
「なぁ、Candelavra。たしかに、恋愛って難しいかもしれないけど……同性とか関係ないだろ? オレはさ、あの子もお前のこと、気にしてると思うよ」
「……だったら、もっと笑ってくれてもいいのに」
その声は、ほんの少しだけ拗ねていた。
⸻
一方その頃、Edamimiは帰り道のスーパーの駐車場で、一人コンビニ袋を提げながら、今日もまた話しかけられたことを思い出していた。
(……また、ちゃんと話せなかった)
背中のリュックが少しだけ重く感じる。Candelavraの声は、胸にじんと沁みるほど優しかった。でも、どうしても言葉が出てこない。
「あたし……バカみたい」
つい小さな声で呟いて、はっとして顔を上げた。そのとき、偶然出会ったのは優しげなSoozaだった。
「あら、Edamimiちゃん。買い出し?」
「あ、うん……ちょっとね」
Soozaはにこっと微笑むと、隣に並んで歩き出した。その優しい空気に、Edamimiは少しだけ気が緩んで、ぽつりとこぼした。
「……ねぇ、Soozaって、好きな人と素直に話せる?」
Soozaは少し驚いたように目を瞬かせたが、すぐに微笑んで言った。
「うーん、私は……話せるようになった、って感じかな。Floogullが、すごく真っ直ぐな人だから……私もちゃんと向き合おうって思えたの」
「そっか……」
Edamimiの頬が、ほんのり赤くなる。
「ねぇEdamimiちゃん。あなた、ちゃんと見てる?あの人もきっと、あなたのこと……同じくらい見てるわよ」
(ちゃんと……見てる?)
その言葉が、頭の中で何度もこだまする。
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