…え?どこだろう…ここ…。妹が…香がいない?部屋も違う…。
「沙恵。もう朝だ。」
沙恵…?誰?私は花織…沙恵じゃない…。
「入るぞ。」
扉が開かれる。男子?え?
「えーー〜〜!?」
「なるほど…花織、君は、沙恵と入れ替わってしまっているんだね。」
「うん…そういうこと…みたい…。まだ…私も困惑してる。」
「ああ…だろうな。もともと住んでいた場所は覚えているか?」
「うん。N町。」
「ここはM町だから…遠いな。」
うう…ですよね…
「連絡は?」
途端にスマホが鳴った。
「あ…私の番号だ。もしもし。」
「本当に繋がった…ありがとう。香さん。あ、ごめんなさい。もしもし。」
「沙恵さん…ですよね。」
「花織さん…ですよね。」
良かった…
「会うのは難しいと思うから…他人にバレないように生活しようよ。」
「へ?」
「原因が分からないから。こうするしかないよ。」
「分かった…出来るだけ頑張ります。」
「それじゃあ、夜に、また。」
切れた。…このまま生活…大変そうだなぁ……。
「早く制服に着替えろよ。学校に行くから。」
「わ、分かった。」
はぁ…着替えるか…。
朝食を食べ終わり、登校中。私は影斗を質問攻めにする。
「痣が多かったけど、何で?」
「虐待。」
「は?今、おかしなことを言ったね。虐待?」
「1ヶ月前まで虐待を受けていたんだ。そして、俺の家に来た。」
虐待…今でも、そんなことをする人がいるんだ…
「次。沙恵さんは友達が多い?」
「多かった。1ヶ月前までは。」
「また1ヶ月前?」
「明るく振る舞っていたんだ。でも、今は、暗いな。今は2人くらいしか話さない。」
「最後。入れ替わりは隠したほうが良い?」
「もちろんだ。」
ですよね〜。分かってました〜。混乱を招くだけですよね〜。
席の場所と、友達の名前も教えてもらった。
授業は、私の学校とあまり変わらない場所をやっていた。良かった。ついて行けなかったらどうしようかと考えていたから。
今日は、友達らし人は話しかけて来なかった。
下校し、部屋に。無事に終わって良かった。あとは、夜に電話をするだけだ。
夕食を食べ終わり、電話を掛ける。
「もしもし。」
「もしもし。」
「どうでした?沙恵さん。」
「敬語はやめましょう?」
「あ、うん。」
「こっちは何事も起こらなかった。」
「同じく。」
「無事に1日目終了、だね。」
「それじゃあ、また明日。」
「うん。」
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