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今日も電話が鳴る。入れ替わりがおきて、9日が経った。沙恵さんにできていたことが、私にできないことがあり、バレそうになってしまった。体調が少し悪いと嘘をついて乗り越えたが、不安は消えない。電話に応答し、スマホを耳に当て、声を発する。
「もしもし。」
「花織、今日はどうだった?」
「何も無かったよ。危なかったのは昨日だけで。」
「良かった。」
「沙恵は?」
「こっちも大丈夫。」
隣から声が聞こえる。
「スピーカーにしてくれ。」
言われた通り、スピーカーにし、スマホを床に置く。
「沙恵、お前もだ。」
「え、あ、うん。」
すると、影斗が、
「週末、会わないか?」
「は?遠いのに?」
「電車で行ける距離だ。」
「でもっ」
「お姉ちゃん、私は、会うことも必要だと思うな。」
「どうして…?」
「物事には必ず意味があり、原因がある。そして、入れ替わりが起きた原因が、見つかる可能性がある。」
「分かったよ…週末…土曜日かな?」
「真ん中にある町…F町の駅で会おう。」
「オッケー。」
F町か…行ったことがあるなぁ。香がいない時だ。懐かしい…。
確か、どこかの公園で、泣いてる人を見つけて、話しかけたんだっけ…?ダメだ…思い出せない。また会えるかなぁ…あの子に。
土曜日。電車に乗ってF町に行く。
電車を降り、改札を出る。そして、妹の姿を目にし、歩く。
「香。沙恵。」
「あ…影斗…。」
「おはよ。」
「せっかくここに来たから、散歩しようよ。」
「行きたい。」
「私も。」
散歩。行くあてもなく歩いていく。10分ぐらい歩いた時、公園が見えた。そして、
「あれ…?ここ…」
沙恵が口を開いた。