コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ニンゲンヲクエ
泉新一はごく普通の高校生だった。級友達と青春の日常を謳歌しては恋愛、勉学に励む十六才。
街は平和で健やかな風が吹く。爽やかな春の気配が今日まで文章との幸せな日々の背中を後押ししてくれる。季節は廻り学び舎での希望の朝が、また。
「泉! バッティングセンター行くぞ、ホームラン打ったら石原に告白しろ!!」
「お前等、ハジけすぎだ。その場しのぎ止めろ」
「ナンパしろ! 俺っち天才、可愛さなら負けねェ。」
他愛も無い耀かしき思い出の一ページ……。授業のチャイムが鳴る、右の席の莉奈は新一の初恋の人、良し! 今でしょ🎵
休み時間ー
「地球は汚れすぎた、エゴイストの身勝手な鬼畜の所業……始末を」
「我々は人類に宣戦布告する。担い手が必要、掃除だ」
「手始めに学生から……都内を文章の血で染める、新世界のハッピー・エンドの為に」
新一は莉奈と下校デート中だった。多幸感溢れる日々。
「LINE交換しようよ。日曜日図書館イかない?」
「文章サイコー! 泉君不合格」
密約を契り、帰路へ着くー公園にて。
「? 何だ、仔犬か。孤児……」
突如、口を開く。新一は肩掛け鞄を落とした、他意は無い!
『モルモットに処罰を……寄生してやる、痛みなど無い。一瞬だ』
い、犬が喋った!? 首輪が千切れて頭頂部分が剣に代わるーバ、バケモノ……
『寄せ!! この子に悪気は皆無、血族のパラサイトの生命を忘れたのか!?』
草影から手の平サイズの別の寄生生物が飛び出した、何者だコイツ等……
「ちょ、おま」
『君に忠告する、逃げろ! 生存競争の本能が私を動かす!!』
夢? 現実!? それとも……鍔迫り合いが真昼の攻防と化すー日本はこんなにヤベェ国だったのか!!
「首がちょんぎれたかと思った、ハァッハァ……怖ェ~」
曲がり角にて心臓の鼓動を整える事、幾分。静かになったー小物が犬を殺した。
『少年。二度目は無い、石原莉奈を愛せ……青春白書を楽しめ』
新一は細やかな通学路での血生臭い生物の戦いに思わず汗が滴る、頬っぺたを何度もつねった。
「畜生、動画取れば一気に拡散して一躍有名人のインフルエンサーの仲間入りだったのに」
驚きの連続、莉奈は大丈夫かな、こんなのセカイノオワリ……危険極まりない!!
「ただいま」
数十分の逃走劇の末の我が実家、母は呑気に料理中だった。
「あ~死ぬかと思った。聞いてよ母さん、さっき公園で……」
「漫画の読み過ぎ、宿題」
あな恐ろしや。幻覚……!? まさか。
「そのまさかだ。しばらく匿ってもらう」
窓の外のベランダにて目玉の大きな寄生獣が俺をさらに追い込む、おいおい!?
「私の名はミギー。君の脳を完全にコピーした、あれはパラサイトの刺客だ」
「……」
ミギーは俺の本棚をぐちゃぐちゃに散らかせ図鑑を読んでいる……
「莉奈。助けて~~」
この街は変わった。一抹の神の現実~Real。その夜、ベッドの中で蹲る……丑三つ刻!
俺の右手が独りでに間接照明を消した。嘘ッまさかミギーに……。
「泉新一、私と共闘しろーバトル・ロワイアルの開始だ」