ウィンブレ夢小説
︰名前あり夢主
︰謎の世界線
︰なんでも許せる方
むかしむかし、ある所に1人の女の子がいました。
莉音︰ごめんなさいっ…ごめんなさい…!!
モブ︰このっ…売れ残りがっ!!
女の子は夢見ます。いつか幸せになれる日々を……。
モブ︰また売れ残ってるのか?コイツ…w
汚ぇおっさんにでも売りさばくかぁ?
モブ︰こんな身なりじゃぁ、売れねぇだろ。
奴隷少女はいつも売り残っていました。なので、商人に鞭で打たれたり、時には商人の鬱憤晴らしに使われてました。
奴隷少女の心も身もボロボロで、唯一の救いはたまに現れる猫だけでした。
そしてある日…
モブ︰安いよ!安いよ!老若男女揃ってるよ〜!欲張らしも良し!奴隷にもよし!
いつものように、薄暗い路地裏で人身売買が始まります。周りには、興味深そうに眺める貴族だけ、 少女達は、隅っこに縮まり震えているだけでした。
モブ︰おい!こっちに来いっ!
莉音︰や、やめてくださいっ…やだっ…!
無理やり腕を引っ張られ、台車から貴族達の前に投げつけられます。貴族たちは少女を囲みます。
モブ︰コイツ、売れ残りでしてね。良ければ
今ここでお試しにどうですか?
貴族︰ふむ…この小汚い小娘をか?まぁ…
今はあれだが、少し手を入れれば…
貴族達が手を伸ばそうとすると、少女の心の支えの猫が現れ貴族達に牙を向きます。
怒った貴族達は猫に手を出そうとしますが少女が必死に庇います。
莉音︰お願いっ…、やめ、やめてくださいっ!!
??︰そこまでだ!
声の方を向くと、なんとも美しい青年が立っていたのです。長いタッセルのピアス、黒い眼帯に、サラサラとなびく髪、凛とした声。
その姿に少女の胸は高鳴ります。
モブ︰ちっ、コイツ第7貴族の蘇枋じゃねか!
おい!台車を持て!ずらかるぞ!
蘇枋︰人身売買は大罪に値する、ここにいる
者は逃がさないように…!
商人は台車を引き、逃げていきます。
後ろにいる騎士たちに指示を出すと、数人の騎士達が貴族達を次々に捕まえます。
そして、王子様は少女に歩み寄り手を差し伸べます。
蘇枋︰君…大丈夫かい?
莉音︰ぇ…ぁ…。
上手く言葉が、声が出ない少女はゆっくり話します。
莉音︰その…だい、じょうぶ…けど…帰る、
場所…ない。家族も…この子だけ…、
自分が…役ただずだから…だから…お願
い…殺して、ください…。
蘇枋︰君…名前は?
莉音︰…莉音…です。
蘇枋︰莉音ちゃん…いい名前だね?悪いけど
君の事殺さないよ。今日から、俺と
暮らそうか。その子も一緒に!
春の日差しのように、小川を流れる川のような優しい眼差しで微笑む王子様は、少女の手を優しく握り、絶望の世界から連れ出し、少女に光を与えます。
お城に着いた少女は、夢に見ていたお城、
綺麗な服、暖かい食事、ふかふかな布団、冷たくないお風呂。
少女は今まで我慢していたものが、腹の底から吐き出ます。
ー生きてていいの?ー
ー幸せになってもいいの?ー
メイド︰今日から君が新しいメイドだね?
蘇枋様からお話聞いてますよ!これ
サイズは大丈夫だと思うけど…。
莉音︰わ、わかりました…。
メイド…わぁ!似合ってます!可愛い〜!
ートントンー
蘇枋︰入ってもいいかな?
メイド︰どうぞ!見てください!可愛くない
ですか??
蘇枋︰っ…本当に似合ってるね…。
莉音︰あの…本当にいいんですか?こんな…
何不自由もない…生活…。自分には…
震える少女を王子様が優しく包み込みます。その初めての温かさに、少女は少し驚きます。人の温もりの温かさ、心地良さに少女は少しずつ落ち着きを取り戻しました。
蘇枋︰いいんだよ。何があっても俺が守るし
今まで辛かった分、ここで幸せになろ?
ね?
メイド︰あら、蘇枋様ったらw
これは奴隷だった少女と、心優しい王子様が心を通わせ、幸せになる物語ー⋯
コメント
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もう変わらず素敵なお話だったー🥹💕