TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

冬が本格的に近づいてきました。オデリア・ジェンと妻の、シシー、ツァイト、エルはぐっすり干し草のベッドで寝ていました。『あの危機』がすぐそばまでいるのが気づかずに‥

オデリア・ジェンたちが寝ている時、外ではタウンに危険が迫ってきていました。クマのような大きく頑丈な爪と足跡が降り積もった雪にくっきりと残っていました。足跡を折ってみるとその足跡の主がわかります。

🐾🐾🐾🐾画像 こちらです。アナグマです。(写真はニホンアナグマです)彼は、ギル。フルネームはギル・ジン(写真はギルではありません)巷でも知られた最強のアナグマです。最強と謳われる理由は、アナグマは普通、陽の光を嫌う動物です。しかし、今は昼。陽の光を恐れないギル・ジンは全てのプレーリードッグの脅威です。そして空腹ということ。アナグマは嗅覚が非常によく、一つの巣穴にプレーリードッグが何匹いるかまで匂いでわかります。アナグマにとって都合のよい巣穴は、出入り口が一つ(非常口がない)、プレーリードッグがたくさんいる巣がアナグマにとって都合がいいのです。ふんふんと匂いを嗅いでは、「こっちは二匹か。少ないな」というように少し不満足な顔をして、ふらりと別の巣穴へと行きます。探し初めて約5分。ギル・ジンは狩りに都合の良い巣穴を見つけたようです。場所はタウンの中心部。するどい鉤爪を使って雪と土を掘り返していきます。

ぐっすり寝ていたオデリア・ジェンと、シシー、ツァイト、エルは騒音で目を覚ましました。そわそわとみんな落ち着きません。少しずつ、騒音は大きくなります。賢いオデリア・ジェンとシシーは全てを悟ったようでした。慌ててすぐそばの壁を掘り出しにかかります。ツァイトも一緒に掘り出します。ですが、3匹の中で一番幼いエルは怖がり、すみっこでうずくまっていましたが、しばらくして一緒に壁を掘り出します。

実は、オデリア・ジェンは、ピータに敗れ、急いで引っ越したため、一番大切なものを作り忘れてしまったのです。一番大切なもの。それは、非常口です。外で敵に襲われた時、巣と非常口があったら、近い方に逃げ込めば生存率はぐんとあがります。それに、ギル・ジンのようなアナグマが巣の出入り口を掘り返していても、非常口から脱出することができ、これまた生存率はぐんとあがります。ですが、オデリア・ジェンは先程も説明したように、非常口を作り忘れてしまったのです。

ザッ ザザッ

騒音は大きくなります。気づいている方も多いと思いますが、そう。ギル・ジンが掘り返していた巣穴はオデリア・ジェンの巣穴だったのです。騒音は耳元で鳴っているぐらいの大きさになりました。

もう、こうなればオデリア・ジェンたちプレーリードッグになすすべはありません。後はオデリア・ジェン、シシー、ツァイト、エルの誰が最初に食べられるか。だけです。ギル・ジンは掘り終わったようでした。ブルルルッと身震い一つするとスウッと静かに巣穴へすべりこみました。

プレーリードッグのオデリア・ジェン

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

22

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚