テラーノベル
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貞操の危機とか思っていた割には、ふかふかのクッションに抱かれているようであっさりと眠気に陥落した。
ふわふわの夢の中で、抱き上げられた感覚と男性のスーツの香りにうっすら意識が覚醒する。
だけどどうしても瞼が重たくて、目を瞑っていたら、文句らしき声が聴こえてきた。
「どんだけ無防備なんだか」
エレベータに乗り、何階か分からないところで下り、私を抱え直して鍵を開ける。
「本当にチビだなぁ。軽すぎる。もっと食わせないと」
そのまま部屋の中を移動して、柔らかなクッションのベッドの上に落とされた。
「ウケる。ベッドに対して小さすぎねぇかコイツ」
半ばあきれたような言葉ばかりなのに、胸をキュンキュンと締め付けるのは、声が優しいからだろうか。
大きな手が、私の額を撫でて、前髪をかき上げる。
「……可愛いな」
やめて。そんなこと言われたら寝たふりが続けられない。
続けて、そっと額に落とされる唇に、平静を保っていられず、顔がぴくぴく震えてしまう。
「……口、にやついてるぞ」
どうやらバレたらしい。いやでも、ここは寝たふりを続けてみよう。
「起きねぇと襲うけど、いいんだな」
「うわあ、だめですっ」
勢いよく起き上がると、桶川さんはニヤニヤ笑いながら私を見ていた。
「どこから起きてたんだよ」
「う……ついさっきです」
「まあいい。今日は疲れたんだろ。寝ろよ。週末はベッドを買いに行くからな」
「へ?」
「危なっかしくてひとり暮らしなんてさせられないっての。俺が決めたことに逆らうなよな」
「いやいやいや、そういうのって独断で決めることじゃないと思うんですけど」
「だったら俺が納得するくらいのセキュリティの部屋に引っ越せるのか?」
いや、それができるくらいなら転職したときにやっているから。
ストーカー森上さんに家に来られても引っ越せないのは単純に経済的理由だから。
「くっ……無理、です」
「だろ。だったら決まり」
決まり……って。
よくよく見るとこの寝室、八畳くらいある。
これともう一部屋あって、リビングもあるってことでしょ? 何気に家賃だってすごくない?
きょろきょろあたりを見回して青くなっていたら、桶川さんが呆れたように言った。
コメント
1件
ああもう、桶川さんの「可愛いな」がズルすぎるっしょ……! あの口づけのあとでまさかの寝たふりバレて「襲うぞ」って返す流れ、完全に期待通りのイチャイチャで最高でした。経済的理由で引っ越せないって現実もちゃんと描いてて、それに対する桶川の強引な優しさが沁みる。同居フラグもきたし、続きが楽しみすぎる🔥
臣桜
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鷹槻れん

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#恋愛
水無月 京
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草原草原

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