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俺等はいつも通り撮影をする
『はぁ〜??しにがみお前ッ!クソぉぉっ!?』
『wwwいや〜、上手く引っかかるなんて思ってませんでしたよぉ〜』
『これ以上ない煽りww』
あぁ、やば、皆がなんか言ってる
発言ッ、しないと……、
「てか、そんなことしてないで、速くタスク完了しようよ!!」
『そーだよ!トラゾーさんの言う通りですよ!』
『お前が言うなよwしにがみ』
また、掻き消される。
3人が面白すぎて、皆の記憶に残るような、発言が、出来ない。
……、皆に、掻き消される。俺が残せるものは何もない。
、俺って、心から、撮影、楽しんでるのかな?
今、上手く笑えてるかな?
やっぱ、俺に才能って……、
慌てて首を振る。
前に言ってくれたじゃないか。クロノアさんが。
【一緒にトラゾーの才能を探しに行こう】
って。
多分、…大丈夫。
『なんでトラゾーは何も言わねぇんだよ!!俺、今しにがみとクロノアさんにイジメられてるんだよ!!』
「えッ!?あぁ、そうなの?」
『他人事じゃねぇよ!!』
笑い声が響く。
俺の笑い声が、本心からの笑いだと信じて。
『トラゾーさぁん!』
撮影が終わり、ぺいんととクロノアさんは出ていった後、俺も戻って、夕飯でも食べてこようかなと思っていた時、しにがみさんが声を掛けた
しにがみさん…、本名・紫式 秀人 君は日常組の1人だ。
ユーモア溢れるセンスと、笑いの才能で日常組の中でも人気の1人。
その声と、印象でよく女性と間違われるが、実のところ、きちんとアレはツいていて、ただの女装が趣味の普通の(?)男の子だ。
「どうしたの?しにがみさん?」
『一緒にゲームしませんか?』
「え?まあ、いいですけど……、? 」
なんでだろうか。まあ、俺も暇だったからいいか
「夕飯食べながらやりたいので、夕飯持ってきますね」
『え?ww夕飯食べながらするんですか?』
じゃあ僕も持ってこよー、と言いしにがみさんも席を一旦外した
『何します?夕飯食べながらなら、そんな画面酔いしないやつが良いですもんね』
「んー?どうしようか」
結局、しにがみさんが創ったデータパックを入れてマイクラをする事になった
マインクラフトは、データパックも何も入れなくても普通に老若男女楽しめて、シンプルながらも、面白いゲームだ
だが、しにがみさんのデータパックがあると、2倍……、いや、10倍位面白くなる
改めて思う。
………しにがみさんは凄いなぁ……と。
「凄いですね。しにがみさんは。こんな面白いデータパックを創れて」
『そっ、そんなことないですよ///』
言葉は謙遜してるが、満更でもない声が聞こえてきた。やはり、しにがみさんにとって、このデータパックは、最大の【強み】であり、最大の【誇り】でもあるんだ。
……、俺には、それがない
それでも、しにがみさんはまた謙遜するように、
『でも、ぺいんとさんの方が凄いですよ!僕のデータパックのほとんどが、ぺいんとさんの企画ですから!』
まるで、自分のことのように誇らしげに言う
『しかも、ぺいんとさんは面白いですし、歌も上手いですし、…、なんか、凄すぎて嫌になっちゃう時もありますよね』
「嫌?」
少し、戸惑った。【嫌】という言葉が彼の口から出てくるとは思わなかったからだ。
『え?トラゾーさんも、少し位、ぺいんとさんのこと、妬んでしまうこと、ありません?』
「ぁ、……、ある、」
『でしょ?企画の案、全部面白いですし!』
「分かるなぁ……、どうしてそんな発想が出来るんだ、ってw」
『何食べたら、あんな発想が思いつくんですかねw』
「才能の塊ですよねww」
『でも、』
クスッ としにがみさんの笑い声が聞こえる
『憎めないんだよなぁ……、』
そう。こんなに妬んでるのに。こんなに悩んでるのに。彼を憎めない。
『本当に。馬鹿だよなぁ……あんな才能あんのに、何もないとかいうの、一番ムカつくんだけど、憎めないよなぁ、…』
自分を下げることは、自分より下の奴をさらに押し下げることになる。
どっかの本で読んだ気がする。
でも、そっか。
「俺、だけじゃなかったんだ」
ぺいんとを羨ましいと思ってるのは俺だけじゃない。
『てか、それをいったら、クロノアさんもですよね』
「うん。あの人、面白いし、イケメンだし、動画外でも一番よく頑張ってるし、ゲーム上手いし、イケメンだし。」
『イケメン2回言いましたねww』
けれど、俺には…、?
……一回くらい、誰かに妬まれてみたいなぁ……
『まぁ、トラゾーさんのことも、妬んでますけどね』
「え、?」
心を読んだかのように続けた。嘘だ。絶対にそんなこと、あるはずない。
こんなのお世辞だ。
『トラゾーさん、面白いし、優しいs……』
「嘘付かないでくださいッ!!そんな同情、嘘つくぐらいなら、要らないですから!」
『……ぇ、……、とら、ぞー、さん?』
あ、ヤバ……、
彼の物言いが、すごく哀れんでいるように聞こえて、同情してるように聞こえて……、
つい、怒鳴ってしまった
「ご、ごめん……」
『いいんですよ!疲れてるんですよね。僕も皆の才能に埋もれて、妬み過ぎちゃったことなんて、いっぱいありますから!』
元気よく、今、彼の顔は見えないけれど、笑っている……、と思う。
本当に、彼には申し訳ないと思っている。
「ゲーム、続けましょうか」
『はい!中断させてしまい、すみません』
しにがみさんを怒鳴ってしまった、自分が嫌い。
しにがみさんに謝らせてしまった、自分が嫌い
一番この世から居なくなってほしい、自分を心から憎んだ。
……、結局、一番憎んでるのは周りじゃなくて、自分なんだね。