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死柄木、敵にも味方にも祝ってもらえてよかった。 まあ私今日、誕生日なのに誰にも祝ってもらえなかったよ…。(泣)
可愛いな死柄木w 相澤もデクもちゃんと祝ってあげるって…優しすぎ笑
今日は4月4日。時刻は朝の9時。死柄木弔は起きた。
「今日は俺の誕生日か。もちろん皆祝ってくれるよな」
と1人呟いた。死柄木が部屋から出るとトガヒミコと荼毘がいた。
「おい、今日は何の日か分かるか?」
死柄木は2人に聞いた。2人はしばらく考えた。
「はい!わかったのです!」
トガが手を挙げた。
「なんだ?」
死柄木は自分の誕生日が祝われるのではないかと少し心を弾ませていた。
「さっきGoogleで調べた時に出てきました。4月4日は幸せの日って書いてあったのです」
「違う」
死柄木は即答した。
「わかった」
次に荼毘が口を開く。
「緑谷出久の誕生日か?」
「えっ!?そうなの!?」
トガが驚く。
「ち・が・う。緑谷出久は7月15日だ」
死柄木はイラつき始めた。
「じゃあお前の好きなイレイザーヘッドか?」
「それも違う!別に好きじゃねぇ。それに誕生日は11月8日だ」
「いや、なんで覚えてんだよ。気持ちわりぃ」
「もういい!」
死柄木は怒って去っていった。
(黒霧なら覚えてるはず。去年も祝ってもらったし)
そう思い、死柄木は黒霧のいる方へ足を進めた。
「おい!黒霧!」
「なんですか?死柄木弔」
「今日が何の日かお前ならわかるよな」
「もちろんですよ死柄木弔」
「黒霧….」
「今日は可燃ごみを出す日です」
「・・・」
「死柄木弔、どうかしましたか」
「なんでもない!」
「死柄木弔、どこに行くのですか」
「どこでもいいだろ」
そう言って死柄木は外に出た。
(なんで誰も覚えてないんだよ)
そう思いながら歩いていると、前方に見覚えのある緑のもじゃもじゃ頭がいた。緑谷出久だ。
(もう誰でもいいや。祝って欲しい)
今日1日散々連合に誕生日を忘れられた死柄木は、ヒーローでも誰でもいいから祝って欲しいという気持ちに駆られていた。死柄木は声をかけることにした。
「久しぶりだな、緑谷出久」
「死柄木弔?!どうしてここに」
「今日は別に暴れるために来た訳じゃないんだ」
「ならどうして」
「ただ祝って欲しいだけだ」
「?祝う?」
「今日は俺の誕生日なんだ。祝ってくれるなら別に今日は何もしない」
(可愛いところもあるんだな)
「わかった。祝えばいいんだな。誕生日おめでとう」
「あ、ありがとう」
死柄木は照れた。今日1日まだ誰にも言って貰えなかった言葉を聞いて。
「本当に今日はそれだけだから。また会おうぜ。緑谷出久」
死柄木は緑谷に背を向けて歩き出した。死柄木は歩いてる途中で、爆豪や轟、麗日などに遭遇し、誕生日を祝ってもらった。皆「?」を浮かべながら。祝ってもらって満足した死柄木は帰ることにした。帰る途中、猫がいた。死柄木はその場にしゃがみ、猫を観察した。
(かわいい)
近くにあった猫じゃらしをつかみ、猫の近くに持っていっても猫は見向きもしてくれない。死柄木は猫じゃらしを何本もつかみ、猫を振り向かせようとするが、何本持っていても結果は変わらなかった。猫と戯れていると左側に人影が現れた。人影に気が付いた死柄木が上を向くと、イレイザーヘッドこと相澤消太がいた。
「イレイザーヘッド」
死柄木の瞳が輝いた。
「久しぶりだな、死柄木。お前こんな所で何やってんだ。生徒たちから話は聞いた。誕生日を祝ってもらったそうだな。今日1日暴れないことを条件に。まあせっかくめでたい日だ。俺からも言っておくとしよう。死柄木、誕生日おめでとう」
「!!」
「どうかしたか?」
「なんでもない!もう帰る」
「そうか、じゃあな」
歩く死柄木の顔は酷く赤面していた。
〜アジトの入口〜
雄英生とイレイザーヘッドに祝ってもらった死柄木はアジトの入口まで来ていた。朝、自分の誕生日を忘れて祝ってくれなかった奴らに会うのは死柄木にとって正直憂鬱だった。だがしかし、意を決して扉を開け中に入った。
パンパン!
「死柄木/弔くん、お誕生日おめでとう!」
「は?」
突然のことに死柄木は唖然とした。
「弔くん、弔くん!びっくりした?ねえびっくりした?」
「あ、ああ」
「やったぁー。サプライズ大成功なのです」
死柄木がびっくりしたことに対して、トガが喜んでいる。死柄木がハッとする。
「お前ら忘れてたんじゃないのかよ」
「忘れるわけないでしょう。ただ今年は去年までとは違い、私と死柄木弔の2人だけでは無いので、サプライズをしようということになったんです」
「だから私たちが全員弔くんの誕生日を忘れたことにして、びっくりさせようと思ったんです」
「なんだよ、そういうことかよ。ああもう不安になって損した」
「そんなこと言うなって。せっかくのめでたい日だぜ。楽しめよ」
「なんでお前が主役の俺よりも楽しそうにしてるんだよ」
「落ち着いてください死柄木弔。あなたのためにたくさんの料理を用意しましたよ」
「弔くんみて!ケーキもあるよ。早く食べよ!」
「はぁ、せっかくだし楽しむか」
〜死柄木の部屋〜(死柄木視点)
夜が更けてきた。今日1日大変だったな。連合の奴らに誕生日を祝ってもらえなくて、イライラして外出て、雄英の生徒やイレイザーヘッドに祝ってもらって、最後は盛大に連合が祝ってくれた。こんなに楽しい誕生日は生まれて初めてだ。黒霧と二人だったら分からなかった。トガの言った通り、4月4日は幸せの日だった。来年もまた、こんな風に祝ってもらえるだろうか。そう考えながら深い眠りについた。