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お待たせしました。新私生活が多忙かつ地獄故存在を忘れ早数ヶ月。 本当に申し訳ございません。完熟しました。
とても期間が空いてしまったのでぜひこの機会にシリーズごと見返してみてください(強欲)
『らぶらぶ番になるまで&初めての子作りH』編 です。
多分R18の需要が半端ない記憶があったため、馴れ初めを少しだけ、その間のストーリー(作ってたら余りにも多大な文字数になったため後回し(手遅れ))をちょっとぶっぱなして子作り版を作成することにしました。
子作りしてもらうだけで子供は登場しません。
とはいえ2人特有の空気感を持つ会話が好きな人間が執筆しているため、それなりに普通パートも多いです。終わり方も少し雑です申し訳ございません。
R18だけ見たい方は台詞に♡が浮かび始めた所まで頑張ってスクロールしてください。
視点が入り交じっています。
見にくい部分も多々あるかと思いますが、視点が健気に反復横跳びする、そんな様子もいっそのことご堪能ください。
尚今シリーズは本巻で終わりにするつもりです。つもり、です。あくまでつもり。たぶん。この番外編作って欲しいとかあればぜひリクエストください。
〈出演〉
rbru ri kg Oriens Crysis(セリフ無し匂わせ程度)
解釈不一致等ご了承ください。
特にrbさんは少し酔わせているシーンがあるため、余計にキャラクター崩壊してます。ご了承ください。
〈要素〉
これまでと同じ、
BL/♡/攻め喘ぎ/濁点喘ぎ/中出し/妊娠を示唆する台詞 表現に加え
カントボーイ表現 が新たに追加されます。
各自地雷等、ご自衛の上、進んで頂くようによろしくお願いします。
また番外編等は何かしらあげる予定です。
何かリクエスト等ございましたら、(多忙故長く見積って数億年かかることをご承知の上)コメントやDMを頂けると幸いです。
あとなんか久しぶりに絵描いて癒されたいので描いてみて欲しいにじさんじライバーさんとかいらっしゃったら誰でも寄越してください…。
長々と失礼しました。では本文へどうぞ。
━━━━━━━━━━━━━━
遡るは我らが白狼発情事件直後、拠点での流れから始まる。
対面に座る2人の背中を眺めながらも、スマホのスクロールを止めない。なんてったってこの2人は話が長くややこしい。お互いのことになると、伝える能力も聞き取る能力もてんでダメなのだから、まともになんて見ていられない。から、ここは大人しく傍聴席らしく、2人揃って無言で流れる会話を右から左へ横流し。
「マジで、俺が、星導と?」
「うん、そう。俺が、小柳くんの番です」
「なんでお前そんなに…え、首噛んだ時お前さ、」
「ん?噛んだ時?」
memi(めみ)
4,435
25
「…っ、えっ、と…中、に、したんだっけ?」
「…っあ、あー、は、はい、しました。っごめんなさい!一応、ちゃんと処理はした、けど…え、え?も、もしかしてなんかある?」
「番、だと…あー、いや、た、ぶん、大丈夫、?うん…前例も何も無いからちょっと確信ない、けど」
「そう、だよね。ごめん、ちゃんと責任は取る。取らせてください。っあ、そうか、ここで言うのもなんだけど…小柳くん」
「…ん?」
いきなり立ち上がったかと思えば、急に片膝をつき小柳の左手を掬いとるその行動に小柳は首を傾げる。そう、このポーズは
「俺と結婚…」
「わ”ぁー!?!?」
「わ”ぁっ!?びっっくりしたっ、っえ、え?何!?!?」
その言葉を聞く前に真っ赤な顔をした小柳が大声をあげ勢いよく手を引っこめる。その勢いに星導も肩を跳ねさせ、咄嗟に頭を守るように抱える。
「いやっ、ほ、ほしるべお前、、お、落ち着けお前っ!何言おうとしてんだまじで!」
「…っはぁ?そこ!?いや、そんなのっ、そんな止めることじゃないでしょ!!遅かれ早かれいつかは伝える事ですし、それだけ小柳くんに真剣なんだよ?俺は!」
「いやいつか、ってお前っまだ俺ら付き合っ…、いや、ちょ、それは後で、また落ち着いてから考えさせてほしい、けど…1回お前も落ち着けって!」
「でも、考えるつったって俺らもう番えたんでしょ?ならこれから小柳くんの身体も変化出てきちゃうだろうし、出来ることあるなら俺がちゃんと支えたいよ。ね、小柳くん、その隣にいる権利を、俺に頂戴?」
「…っ、だから落ち着けって、!確かに番、ではある、けど!ここからは正直俺も未知な領域で、分かんねぇことだらけなんだよ…、!ドクターに検査してもらって、多分それなりに経過観察、して、そこからどうなるか、だろ、?」
「うん。だから、どうなるか分からないから、その不安を俺にも分散させて一緒に見守らせてほしい、って話。ねぇ、小柳くん。俺小柳くんのこと、好きだよ。制度上ちゃんと俺の番になってくれたって聞いて、もう幸せで堪らないくらい好きなの。」
「…っす、!?っいや、う、うん、それは知ってる、けど…」
余所余所しく話していたかと思えば急に叫び散らかし始める。こうして2人の押し問答が響くは、変わらず拠点のリビング。
小柳の項にくっきりと残ったその星導の噛み跡を見つけて早数十分。困惑し目を回したまま必死に取り繕う小柳と、今すぐにでも小柳を意思ごとものにしたい星導、その2人の攻防が繰り広げられている。
そして、
「…ねぇカゲツ、どっちに転ぶと思う?」
「転ぶ?さすがにあの状態から2人とも転ばんやろ」
「違うよバカだな…あの2人の関係性。ここで決まるかまたずるずる長引くか」
「なんや!ばかて!な、…そういう事か、いや決まらんやろ。これまで長かったやん」
「でももう番なったんでしょ?」
「そやけど小柳は明らかに何か引っかかっとるし」
「そりゃもうあれでしょ、俺は生涯だけど星導の人生は長いからー、とか、俺は暗殺もやってて狙われやすいからー、ってお約束の言い訳でしょ?星導に通じる訳ないじゃん」
「まぁ確かに…どっちが勝つかって話か」
「簡単に言えばそう」
「「うーん」」
それを見守る巻き込まれ2人。
星導小柳と対面のソファに腰を沈め、これは長くなりそうだと先程適当にデリバリーを頼んで到着待ち。何より一応任務明けである為それなりに食欲も睡眠欲も高い。このバカップル(未満)2人が性欲に事を運んでいる間にちゃちゃっと風呂と報告書をそれぞれ済ませたものの、2人が長いのは言わずもがなここからで。
それとなくまだ言い争う2人へと視線を戻す。
「とにかくちょっと待て!!こんなの勢いで決める事じゃねぇだろ!?」
「だから勢いじゃないって言ってんの!俺があんなに献身的にアピールしてた事、まさか忘れた訳じゃ無いでしょ?俺からしたらずっと小柳くんの返事待ち。気持ちは変わってないんですって!」
「そんな軽…いや、確かにお前の思いは軽くはないけど!俺にも整理させろって、」
「まぁそれは勿論待ちますけど、一番に頼りにして欲しいんです、俺の事。…それとも、やっぱりこんな男として制御も効かないような俺じゃ、小柳くんの番として信用が足りないですか」
「あ?いや、違う、待て、お前に問題があるんじゃなくて…」
「うん俺だから…ん?俺が理由じゃないの?」
「だから、これは俺の問題だから俺なりの…覚悟、とか、始末とか…色々。お前だからとかじゃない。むしろ俺は別に、」
「えーっと…じゃあ、俺と番になったことは、何にせよ受け入れてくれるってこと?」
「そりゃそうだろ、…、…ん?あ、そうか、それを許したらほぼ…」
「それじゃ、こやなぎくん…もしかしてもう、俺のこと少しは、」
「…〜っ!?…っいや!ちがっ、えっと、…っ、タンマ!帰る!!!」
「っうぇ、え?ちょ、小柳くん?なに、そんなっ、小学生の鬼ごっこじゃないんだからっ、って…えぇーーー!?!?」
「お?」
「おぉ〜、一時休戦、か?あ、デリバリーも来た」
「僕が取ってくるわ」
ここで完結するかと思いきやまさかの延長戦。星導の叫びも虚しく、何も状況を掴めていない不思議そうなオトモを掻っ攫ってそのまま転移で姿を消した小柳。その首元から顔までを真っ赤に染めた様子は、傍観者の2人もハッキリと認識できるほどわかりやすい反応。ということで、”一時休戦”。今回になってやっと2人の関係に進展があるかもしれない、というか少なくとも進展があった。それへの期待は、自分たちがいざこざから解放されるものなのか、2人への祝福なのか、はたまた両方なのか。伊波はソファの背もたれに寄っかかるようにどっかりと座り、溜息を着く。
伸ばした手の先が虚空になったところでふらふらとソファに倒れるように沈み込む星導。顔を沈めながら唸り始めたと思ったら、その長い足もバタバタと忙しく動かしている。その背中には疲労と、ここ最近見慣れた哀愁が漂っている。
良く考えればこいつも任務終わったきり小柳に付きっきりだった(+恐らくかなりの運動をした)から、いくらタコとは言え疲れてるはずだ。それ以上に良い思いをしてるところではあるが。ちゃっかりすけべタコ野郎め。
「…もぉ、折角今良い流れだったのに〜!!!」
「お、暴れとんなぁ…今回は隙見せたんがタコの負けやろ、ラーメン食う?」
「なに、カゲツが小柳くんの事を俺以上に知ってるとでも?傷心中の俺にマウント取らないでください、この時間にラーメンは食べない!他にないの?」
「なんや面倒臭いなお前。一応牛丼もある」
「う”ーん…食べる」
「いやラーメンも牛丼も変わんないでしょ…てか傷心するには早くね?お前。今回のはだいぶ前向きじゃん。うわ、うまそー、いただきまーす。」
とにかく空腹な今は、訳の分からないタコより目の前の飯。大きめのローテーブルに並んだ深夜食。それぞれソファから降りて床に座る形に変わり、割り箸を割る音が響く。まるで連勤終わりの限界サラリーマンたちが缶ビール片手に部屋で駄弁る風景となんら変わらないが、これがヒーローの限界深夜。勢いで帰宅したこの狼の分の食事も、俺らの誰かが食べることになるだろう。
「そう見えるけど…いやぁ、これ、実は難航してんだよねぇ。あのモードの小柳くんを俺と同じとこまで引き上げるのがちょっと…。え、これ多いな並?」
「多分大盛り。じゃあ何、諦めんの?番までもつれ込んどいて?」
「諦める訳ないでしょ?ちょっと行き詰まってるだけです〜。いただきます。」
「まぁそりゃさ、今回は小柳もそれなりに覚悟いるでしょ。これまではただ付き合う〜とか、それくらいだったのが今回は”生涯”になる訳だし。ましてやお前らの寿命なんて数え切れるかも分かんないでしょ?重ったいよなぁ」
「あとは僕らが生きてる間にこれ以上変なことには巻き込まんでくれたらそれでええよ。そんくらいは仲良くできるやろ」
「でも2人も年、取らないじゃん」
「そりゃ今はそやけど術にも限界はあるし、不死ではないやん。人間らしくそれなりに身体にガタは来るしな」
「さすがに俺らでもそんな長くないと思うよ?俺なんかはライバー辞めたら元通り年取るし。身体改造したら話は別だけどね?でも2人なんかほぼ死なないじゃん。だから怪我も放置で報告もしないんでしょ?俺らは大丈夫だから、こんなのいつものだから〜って言うじゃんね?これに関してはカゲツもだけど」
「っんぐ、ごめんやん」
「それはまぁ、ご迷惑お掛けしてます。…え”ぇ〜、でもなぁ」
今まで仲間だった伊波からの急な横からの鋭い指摘に噎せる叢雲、水を手渡しながら眉を顰める星導。
「これじゃあさぁ、今回はあんま攻めない方がいいってこと?とにかく引いて待ちの姿勢?小柳くんの覚悟待ち?」
「それは逆に…小柳が不安になるんじゃない?」
「えぇ、小柳くんそんなになるほど俺のこと好きかな?むしろ都合良いって離れられそうな気もするけど」
「星導が引いたら正直どっちにしても小柳が離れるだけやと思うけど」
「じゃあ今はとにかく頑張って繋ぎ止めるべしってこと?」
「んぅ、んー?いや、ちゃうなぁ。繋ぎ止めるって言うより…」
「慣れさせる?って方が正しいかも?」
「あぁ、確かにそっちの方が近いわ」
「慣れさせる?」
「うん、お前に愛されてる自覚を、自惚れるくらい持たせるってこと。今ロウが迷ってんのってさ、星導の見た目とか性格とか性別とか…そう言うのが理由じゃないのは分かってるでしょ?」
「うん。それは流石にさっきので自覚したけど」
「で、あいつ自体、お前に全く好意が無いわけじゃないし」
「それはどうかなぁ…少なくともまだ恋仲には遠い感情な気もする。絆されてるだけじゃね?」
「いやお前そこから?だって考えてみろよ…あの状態になった星導をあいつお得意の暗殺どころか傷も付けずひたすら受け入れたのも、あんな状態になって他に分け目も振らず星導だけに頼ったのも誰?小柳自身でしょ」
「それは、そう、だけどさぁ」
「それにお前さ、あいつがお前以外に頼る状況想像できる?例えば、まだ2人の間に何も無い状況の時に、俺らが4人でセックスしないと出られない部屋にでも閉じ込められましたー、なんてなったとしてさぁ」
「っ!?なんっ、何の話や急に!そんな怪異おるんか?西には!」
「あはは、どっちかと言うとインターネット?」
「まあまあ…それで、まず真っ先に自分が犠牲になる道を選ぶのは間違いなくこやでしょ?」
「「それはそう」」
「その時に誰を相手に選ぶかって…そりゃねぇ?」
「はい!伊波先生!それは消去法で選ばれてるだけだと思いまぁす!」
「良い指摘だけどね、星導。それはそうだとしても、身体を預けるのっていくら消去法でもやなもんはやだろ?じゃあさ、今もし俺かカゲツがロウに『ヤラせてくれ』って頼んだとして、あいつが聞いてくれると思う?」
「…は?2人が小柳くんと?」
「ちょ、キレすぎや!!もし、の話やろ」
急に立ち上がり触手を揺らめかしたその姿は、まるでそんじゃそこらの妖魔も立ち向かえないであろう程に険悪。それ同期に向けてる自覚ありますか?なんて思いながら伊波は空になった紙コップをその紫頭に投げつける。
「痛っ」
「もうめんどくさいなぁ、今まで通りもう押して押して押しまくれって言ってんの!あいつが『俺めっちゃ星導に愛されてんだよね』って惚気けたくなるくらいお前の思いを染み込ませろって話!」
ここまでは、俺たちも知ってる流れ。
ーーーーー
「って、そんなこと言われてもさぁ〜!!!」
事件から数日後、悉く小柳に避けられている星導は何をすれば良いのか一向に思いつかず、1人店頭、カウンターで頭を抱えていた。
「…連絡も返してくれないし」
あの日伊波叢雲と別れ帰路、先に逃げ帰ってしまった狼に
『なにかあったらすぐ連絡して』
『少しでも不安なことあったらいつでも呼んで』
『俺絶対諦めないから』
『幸せにしてみせます』
『小柳くんいつ会えますか』
何処ぞのメンヘラかってくらい追いLINEを残してみたものの、見事に既読スルーで音沙汰無し。ならせめて未読スルーであってくれよ。
それに加え、
「任務だって一人で全部行っちゃうし〜!!」
ちょうど午前中のこと。
いつも通りの任務前、集合時間の十分前に拠点に足を運んだ星導がリビングの扉を開けるも、そこに見えるのは機械整備をしているメカニックの背中と物音だけ。
「あれ、小柳くんは?」
「あぁ今来たの?さっきカゲツに連れられて帰ってきて、報告書置いてまた飛び出てったけど。まぁた一人で片付けたみたいだよ。ほんとにお前ら早く話して決着つけて来てくれる?巻き込まれる俺らの気持ちにもなってくれ」
「え1人でぇ!?だって今日のやつ、本来はチーム担当のやつだよね?」
「そうだよ、俺とカゲツが別件担当になったから無理くり2人に行ってもらう筈だったやつ。定期検診で偶然病院にいたカゲツが小柳見つけて帰ってきたの!」
「病院って…っえ、小柳くん、怪我してるの?」
「…してない。別件で寄ってたらしいよ?むしろ調子は良いってさ。その感じだとなに、お前、まだ話せてもないの?」
「…だってぇ」
その姿を見ることすら叶わない。
「でも星導、前も言ったけど、ここで小柳に勘違いされるような事あったら本当に終わりだからな」
「え?勘違いって?」
「お前がもう飽きた、とか、他の女に鞍替えした、とか!そう思われるような行動を少しでも見られたらほんとに終わりだかんね!」
絶対引くなよ!なんて言われたって今のところ何の感触もない。だからこそ頭を抱えていると言うのにどうしたら良いのかもはや分からない。
「ここで引いちゃダメだって言われたってさぁ…もぉ〜!!!」
だったらその狼をそこに留めおくとかはしてくれないものなのか。もしくは彼から既に何か事情を聞いていて、望み薄なものの星導を応援してる手前、後には引けず無理やり背中を押してくれているのか。勿論この仮定が例え真実だとして、彼を諦める理由の一つにすらならないのだが。そんなことを考えながら、自宅兼店のこの場所へとたどり着いた訳だが。
そうしてずっと突っ伏していた星導は、いきなりガバッと起き上がったかと思えば店頭の札を『closed』へと裏返す。いざと言う時触手で捕まえられることも念頭に戦闘服へと着替えて、トランクケース…は要らないか、スマホと財布だけポケットに入れて。
そう慌ただしく動き回る主人をオトモはいつも通り浮遊して眺める。頬を両手で挟み、叩く音が聞こえて、何か決心が着いたようだ、と軽く覗き込めば、
「ここまで来たら死ぬほど押してやるんだからな…」
…なんだか不安なご主人だがいつもの事だ。店外へと駆け出す背中を追いかける。
ーーーーー
その日の午前
「お?なんでここに居るんやお前」
任務帰り、ドクターの定期検診の為病院の特異棟に寄って出て来た所、いつも通り白いふわふわとした髪をなびかせた忍者と鉢合わせ。
「…あー、んや、ちょっとこの前の検査。お前は?怪我したん?」
「僕は普通に定期検診やけど」
「そう、あ、お前拠点戻る?ならこの報告書ついでに伊波に…」
「はぁ?嫌や、一緒に帰るぞ」
「いや何でだよ、俺これ以外別に用ねぇもん」
「…違うやろ、おまえ、タコの事避けてるんやろ」
「それはまぁ、そう、だけど」
「ほら、帰るぞ」
ジトリと睨みつけられ、右腕を掴まれる。捕まえるにしては弱々しい力だが何故だか突き放せないのは、ここ最近やたら絆された同期への情というやつ。まぁ同期、というよりコイツ。末っ子パワー恐るべし。
「…分かった、行くから。腕離せ」
「ふん…せやろ、僕が話聞いたるわ」
「別に話せることも無いけど」
「なんや、僕じゃ頼りないって言いたいんか?」
「いや違ぇよ、普通に相談するような内容でもねぇから言える事ないってだけ」
「…それはまぁ、そうか。普通に気まずいもんな、2人の下話とか」
「…っは、直接的だねぇ」
「なんや、お前らやたら僕にそういう話せんようにしとるんやろうけど、これでももう20超えてるんやぞ!」
「ガキじゃん」
「なんや!」
そうしてポツポツと話を続けながら着いた拠点。ちょうど飯を食べていた伊波に報告書を渡せば、先のカゲツのように目を細められる。
「これ頼んだ」
「ん…あ?お前これさぁ、今から星導と行くやつでしょ?また1人で行った?」
「どういうことや、ロウお前、病院に居たのそういうことなんか?」
「星導避ける気持ちも分からんでもないけどさ…え、何病院?怪我してんの?お前」
「任務1人で行ったのはそうだけど、病院は別件。怪我はしてない。…俺もう次あるから行っていい?」
「待て待て待て、その次のやつは?」
「明日の潜入…」
「はい、駄目、座りなさい。それは普通に1人で行かせられない。で、今日は俺らも用あってついていけない、から、一旦着席。」
しっかりとした面持ちで椅子を指さし、逃げることは許さないと言わんばかりの顔を向けられ、座らされる。伊波に逆らえないのは、カゲツとはまた違った感覚。数秒間が空いても1秒たりとも逸らされない瞳には密かに圧が掛けられている。大人しく正面の席に座れば、その伊波の横にカゲツが腰を下ろす。
「…どっちにしろ俺がここに居る必要はないだろ」
「こうでもなきゃお前話せないじゃん。まぁ確かにお前らの問題ではあるんだけど、俺らとしては放って置けないの。お前の現状も分からないし。あとこうも1人で動かれたら後々俺らの行動にも支障をきたす」
「それは、悪い。でも俺の現状はまだなんとも言えない。経過観察中なんだよ。今分かってるのは、これまでの、その…行為で、出来ることは無いって事と、何か精神的に安定してるかなんかで調子がすこぶる良いって事しか」
「あー、だから1人で任務行く暴挙に…あ、じゃあこれからする星導との行為は危ないってこと?」
「…まぁ、そういうこと」
「それならまぁ、何が起こるか分からない内は星導から離れるのも懸命な判断か」
「まぁタコのこと悪く言う訳やないけどそこはあんま信用ないもんな」
「まぁ2回も前例あるからなあいつ」
歳下2人に呆れたように頷かれるその情けない紫頭をおもいだして、つい微笑も漏れる。
「っは、まぁそれもあるけど、もうあいつ以外では何も起こらないからこそ、あいつとはなるべく、ってのは。」
「うーん。でもさぁロウ、ちゃんと話した方がいいと思うよ?星導から連絡来てないの?」
「来て…た、けど」
「それも返してないやろ?」
「いやまぁ、まだ話せる事もないし、何より俺も決めきれてない、から。それに、この間で冷静に考えればあいつだって、俺に愛想尽きるかもしれないだろ?そうなれば、それが一番平和ではある、し…」
正直これが本心。あいつと番になるとか、その、恋人関係になる、とかに正直もう抵抗感なんてものは1ミリも無い。こんだけ色々あれば、感情なんて簡単に染まる。と言うより、元からその気はあったからこそ、今回の出来事によって芽生えてしまった。だがしかし、白狼の番は生涯に一人。本来愛情深い白狼とその関係になってしまえば自然に、俺の生涯を預けることになる。それを、俺より長い生涯を歩むあいつに、過去一度俺を忘れたにも関わらず再びこうして俺を思うような優しいあいつに、背負わす訳には行かないだろう。
ふと黙り込んだ正面の2人が気になり顔をあげると、『とにかく面倒臭い』『何言っとんのやこいつ』とも言いたげな怪訝そうな顔でこちらを見つめている。
「…なんだよその顔」
「お前ほんとにそんなんであいつが愛想尽きるとでも思ってんの?正気じゃないよ、あいつの行動力分かってんでしょお前。ましてや一番の被害者なんだから」
「まぁあれは…暴走みたいなもんだろ。普段からあんな、」
「普段タコの何見とんのやお前。普段からあんなやろ。」
「あんな奴、だけど、確かに…でも」
「お前の気持ちもわからんでもないけどさぁ、正直星導のこともう好きなんじゃないかと思ってたけど」
「それはっ…その、」
確かに今更あいつ以外と、なんて考えられない。結果論的な感情にはなってしまうが、こうなった以上もうあいつしか無理な体になってしまったのは事実で。
1度目の検査でドクターに言われた言葉。
『まぁ、迷うのも分かる…どうしてもというのなら、番解消の手段を考えなくもない。しかし、それが君にどんな副作用を起こすのかは保証出来ないぞ?ただでさえ胎内射精で子宮の形成が早まっているんだ。それを止めるなら二度と番なんて作れない身体になったって可笑しくない。精神的苦痛もあれば、その首の傷は一生消えず残るものになってしまうだろう。どっちにしろ、貴重な君のデータになる。勿論出来る限りのサポートはする。今回は、結果的に前向きになれたとはいえ一応同意の無いものだったんだろう?その選択も、君の権利だ。決まったら、教えてくれ。』
1つ残らず事情説明した俺に返されたその言葉は、ドクターにしては珍しく暖かみのある言葉だった。白狼のデータが欲しい、それが根幹にあるとしても、選択を委ねてきてくれる事自体稀有な事なのだ。
そして俺は、この選択を断った。と言うより、元からそんな考えは無かった。
もう分かってる。あとは本当に自身の覚悟だけなのだと。
そうしてつっかえた言葉も吐き出せず黙り込んでいると、小さな咳払いと共に、呆れつつも暖かい表情の2人が映る。
「大丈夫だよ、別に無理やり言わせたい訳じゃないし、出来ることなら、あいつに言ったげて欲しい言葉だから、俺らに言わなくてもいいよ。でも大体あってるでしょ?」
「…うん。後は、俺の問題。」
「う”ーーーん、せやなぁ、どしたらええんやろなぁ。星導と話すのにも覚悟がいるんか?」
「星導、とは、ちゃんと決まって、道を決めてから関わりたい。なあなあな状態で会えば、多分俺はその曖昧な関係をズルズルと引きずるだろうから。それはあいつにも失礼だろ。」
「そこはちゃんと考えてんだ…。まぁ、決める気があるなら良いよ。言うてもまだ数日だしね。ただ、任務だけはどうにかしたいけど」
「僕らでも補いきれん部分ある…つっても、今おおかみ一人で出来てるんやもんな。その、調子的な部分で言うと、どうなん?身体は」
「すこぶる良い。まるで気の乱れが無い状態。それで言うと実際、まだ目に見えた変化が起きた訳じゃないけど、今後変わっていくって。それに伴う副作用で言うと情緒が荒れたりそれなりに体調を崩したりするらしい、けど…さすがにそのタイミングは家に篭もるかな。いくら番の症状と言えど俺の気分ごときで皆にも迷惑かけられねぇし。」
「…ふぅん?そんな事で俺らにとっての迷惑になると思われてるのは気に食わないけど…じゃあ、そのタイミング、までに覚悟決めるべきだね。その補佐は星導付けるから。」
「…それは、流石にそうか。」
「そやで。僕らが囲おうもんなら、あのタコまた暴走すんで?この前ちょっと想像の話しただけでブチ切れやったんやから」
「想像?」
「あー、そう。小柳がもしあの時、星導じゃなくて俺らに頼んでたら、もし、俺らと小柳がヤることになったら、って話をしたら、鬼の形相よ。タコが鬼の形相。馬鹿みたいでしょ?」
「はぁ!?っな、どんな話してんだよお前ら、そんなことする訳ないだろ、!」
「そりゃそうやろ、その話をしてたんよ」
「なぁんかタコらしく、くよくようねうねして鬱陶しかったから喝入れただけ。」
「だから狼には僕が喝入れたる」
とっとと幸せになれよ!!!
ーーー
そう2人に背中を押され拠点を出たのが数刻前。今や自室につき一眠りを済ませ、配信をするか久しぶりにオトモと散歩でもするか、ぼんやりしていたところだった。
ピコン
「ん?」
ピコンピコンピコン!
通知音が急に騒ぎ出す携帯端末の画面。思わず起き上がりその騒ぐ物体を手に取る。
「え、え、何?何か今日仕事入ってたっけ?」
とは言え重要な連絡はこの端末では行っていない。何処ぞの緊急事態かと思い顔認証で開けば、見慣れたタコのアイコン。今増えた通知、その数10。
いや一気に送りすぎだろなんだこいつ。
『小柳くん、任務一人で行ったでしょ』
これは眠る前に届いてたやつ。ここから下。
『話があります』
『あ、もう拒否権無いよ』
『話せなくても会いたいから』
『てかもう会わないの限界』
『今どこ?』
『家?』
『家どこ?』
『協会かマネに聞けば分かる?』
『数分で着く』
『既読ついてんじゃん、逃げんなよ』
怒涛すぎる、一方的かつ端的すぎる文言が並ぶ。
「は、こいつ何言っ…」
ピーンポーン
「え、ちょ、マジで?」
ピコン
『着いた』
『開けて』
『居るでしょ』
「…っはぁ!?」
ピコン
『あ、声聞こえた』
『てか来なくていいや』
『入る』
「いや、は、不法侵入…」
目の前に広がる漆黒な空間。その裂け目からどぷりと姿を現す見慣れた紫頭。目が合うなり輝いたその瞳はまるで宇宙のようで、吸い込まれそうな美しさを持っているいつものそいつの瞳で。
「よっこいしょ、あ、居たぁ、やっぱ居るじゃん。無視しすぎなんですけっ、ど!よし、到着ー!」
「…っ、!?」
びっくりして声も出ないとはこのこと。
現れるや否や覆い被さるように抱き着かれ、その勢いで後ろのベッドへ背中からダイブ。頭から耳、首筋へと小柳の存在を確かめるように鼻先を埋められる。
「っは、え?っおまえ、なんで…!?」
「んー?何で、って…いくら連絡しても返事無いし、なら会った時に〜って思ったら避けられるし。まだ話せる状況じゃないにしても、こんなに会えないのはもう耐えられないから俺から来た。…っうわぁ、まじで小柳くんだぁ」
「…っおい、嗅ぐな!」
「やだ、何もしないからこれくらいは許して」
「何もっ、、って、当たり前だろ、離せよ!」
「むり!…っはぁ、めっちゃ満たされる〜、え、何かめっちゃ良い匂いするんだけど何?」
「…な、何、 香水も何もつけてないけど」
「んん〜、?違う、何かもっと…小柳くんそのもの、って感じ」
「何言ってんだ、お前。…ん?でも、確かに、お前も…良い匂い、かも」
くっついてくる紫頭に鼻を寄せれば、確かに形容しがたい、魅力的な香りが自身を包む。いつものラベンダーの匂いじゃない、星導そのもの、って感じの。
その体温、人の暖かさが触れ合う肌越しに伝わり、つい背中に腕を回すと、目の前のタコは驚いたように顔をあげる。その顔は如何にも満足気に蕩けた顔で。
「っ!小柳くん、?」
「っな、何だよ、お前からしてきたんだろ」
「…んふふ、うん、いや、好きぃ〜…可愛い、堪んない」
より力を入れるように抱き締められたかと思えば、今度は瞼、鼻、頬、耳と、優しく触れるだけのキスが繰り返される。
「ん…なに、おまえそんな寂しかったん?」
「ん〜…?ん、そりゃそうでしょ?小柳くんの残り香も感じられないほど避けられたらそりゃね、俺、君の事好きなんだよ?分かってる?」
「…分かってる、けど」
「…なんか不安だらけ?正直この前の感じだと、もう俺の事それなりに好きでいてくれてるんじゃないかって自惚れてはいるんですけど」
そっと頬に寄せられた手に、つい顔を寄せる。
「ちょっ、小柳くん?」
「ん、それは…別に良いけど?自惚れても」
「うん…っえ、え!?え、、ほんとに、え!?」
「…はは、焦りすぎだろ」
「だ、だって!好き、好きだよ、もう俺小柳くん以外無理だよ。」
「…俺以外、無理?」
「うん、あと数億年、俺と一緒にいてよ」
「っはは、そんなには生きれねぇよ」
「んふふ、うん、そっか…でも俺なら、小柳くんの傍に、一生居られるよ」
「…そう、だけど」
「…色々、考えてくれてるのは分かる。でも正直、何言われてももう、俺、小柳くんから離れられない。良いよ、何でも言って」
上体を起こし、星導の膝の上に乗る形で向かい合って座る体勢へと変わる。胸元に顔を埋めるように一度強く抱き締めれば、それを覆うように強く抱き返してくれる。
「…俺は、白狼で」
「うん」
「ヒーローどころか、暗殺だってやってて、命を狙われる事なんてザラにある。」
「…うん」
「…それが、俺だけじゃなくて、星導、お前とか…将来の俺らの子供、とか…俺のせいで傷付くのはきっと俺には耐えられない」
「…っぅぐ、」
「…?」
「いや、ごめ、何でもない、…俺らの子供、ね、うん。ごめん、続けて」
「?…うん。それに、やっぱり、男同士ってなると、世間的な目もあるし、俺は、星導が好きなような、可愛さなんて持ち合わせてない、から、きっといつか、嫌になる。その感情も、いつまで続くか分からない」
「…」
「…また、捨てられるのが怖い」
「…また?」
「…っ、ごめ、これは、こっちの話、」
「まぁ、色々ツッコミどころはあるんだけど…小柳くん、全部、聞かせて」
「でもっ…」
「大丈夫、絶対に離さない。ここに、小柳くんの傍に、居るから。」
その瞳は星導の意思そのものを表してくれるほど強い眼差しで。背中に回った腕の暖かみと、その言葉の重さが胸に深く響く。
「…おれ、」
「うん」
「俺、っていうか、…俺たち。お前が記憶無くす前、恋人とは言えんけど、それなりに、関係が、あって」
「…っえ」
「…だからまたいつか、忘れられるんじゃ、ないか、って」
「っ、」
「…ごめん、お前に押し付ける事じゃない、よな。記憶無くてもお前はお前、だし、俺はずっと、きっと…お前に惹かれると思う、けど…もしそれが繰り返されるなら、お前は、俺と居るべきじゃない、って事なんだって、そう、思っちゃって」
話してるだけで、鼻頭が熱くなるのを感じる。泣きたいのは、星導の方なのに。
ーーー
ぎゅっとしがみつくように掴まれた背中に、押し付けるように胸元に埋められた鼻筋。すんすんと鼻を鳴らすその音は、きっと彼の葛藤を表した上での悲しみで。正直、頭が追いついていない。だって、記憶を無くしたのは俺で、そのせいで彼にトラウマ紛いの記憶を植え付けていて、今苦しめているのも俺だ。
でもごめん小柳くん、そんな風に言われても、正直、嬉しさが勝ってる自分がいる。
「…小柳くん、ごめん、ありがとう」
「…っ、?な、なにが、」
「ん〜?だって、記憶無くしても俺だって変わらない、その度に君を好きになるような俺を、好きになってくれて、こうして前向きに向き合ってくれて。正直、嬉しいことばっかだよ」
「っでも俺と居たら、」
「なぁに?今更女の子が物恋しくなるとでも?それに小柳くんは可愛いよ。超可愛い。そりゃこんな綺麗な見た目だし、戦闘力は可愛くないくらい凄まじいものだけど…あどけない表情とか、俺を呼ぶ時だけちょっと舌っ足らずなとことか、ちょっと情けないとこもあって、こうして1人で抱え込んじゃうところとか」
「…か、可愛くないだろ」
「それになぁに?俺らの子供、だって!そこまで考えてくれちゃってさぁ、俺、そんな可愛いこと言われたら、我慢できなくなっちゃうんだけど」
「…っ、!!」
「何、自分が何言ってるか今気付いたの?…可愛いね」
「や、やめっ…」
「それともう1個、俺のせいで傷付く、とか言っちゃってさ。こう見えて俺もヒーローなんですけど?しかも小柳くんより長生きで、内蔵してる物は宇宙だよ?一緒に、守らせてよ。」
「…いいの、?」
「なぁに?」
「ほんとに、俺で…いいのか?」
そう言って見上げるその満月のような瞳には涙が潤んでいる。今だ縋るように背中に回された腕には力が込められていて、心做しか震えている。
そんな彼を、また包み込めるように抱き寄せて、力を込める。
「最初っからそう言ってるでしょ、てか、それ以外考えられないって」
「…ほしるべ」
「はぁい」
「…好きって、言って」
「…何回でも言うよ。小柳くん、好きだよ」
「…俺も、好き、星導」
「っ、ほんと?」
「うん、俺も、好き、もう…離さないで」
━━━━━━━━━━━━━━
「…ふふ、良いでしょ?」
任務終わり、検査の為病院に寄る小柳くんを待つ為に3人で近くのお食事処へと入った所で、事情説明。とついでに、色々な惚気話させてもらった。本人がいると話させてくれないから、今だけ。
目の前に座る2人は、初めは落ち着いているような戸惑っているようなそんな表情で聞いていたが、今となっては興味もないとも言いたげな面倒臭そうな顔。しかも普通に飯食ってる。失礼な。
「ふぅん…お前行動力パないな、俺らその日にロウにゆっくりで良いから話なね、で落ち着いたとこだったのに、その日に片付けたんだ?」
「え、そうなんですか?」
「そやで、お前が来る前に話してたんよ僕ら」
「でも行動してよかったでしょ!だってあんなに可愛い、」
折角だしいくらでも惚気けてやろう、とタカをくくって口を開けば、ガラリと個室の襖が開けられる音。そこに佇むは、顔をほんのり紅潮させた愛しの番で。
「…おまえ、あんまそういうの言うな、恥ずいだろ」
「小柳くん、聞こえてたの?」
「あれ、もう検査終わったん?」
「ん、まぁ。俺には丸聞こえ」
「おつー、とりあえず座ったら?」
「おつ、待たせてすまん」
「今ちょうど馴れ初め話してたとこだよ!」
「…お前勝手に、」
「だって、2人には証人になってもらわなきゃ。ちゃんと話通しとかないと…」
「あ?」
「「証人?」」
「んだよ、証人って?」
「ん?結婚届の〜、…あ”!?」
「「「結婚…?」」」
「っあ、ちょ、ちょっと待って、いや、えっーと、あ!あのー、き、聞かなかった事に、なーんて…」
つい口走ってしまったと思うのも束の間。
顔を上げれば、正面にすわる「証人役」2人と、横に座る”今度プロボーズをして”俺の花嫁となる小柳くん、その全員が、各自驚いたような表情でこちらを見つめる。
そう、”今度プロボーズをする”予定だった彼を目の前に今、それを匂わすどころが発表する勢いでの失言。
「っお、お前、、な、何、何言ってんの、?まだ、そんな話…」
真っ赤に染った白狼は、とてつもなく可愛い表情に出来上がっている。そんなことより緻密に組み立ててきた計画が崩れた事の方がやはり重大。心臓がバクバクと音を立てる。
「ちがっ、違くはない、違くはないんだけど今じゃなくて!!!」
「え、は、何、お前ら結婚すんの?そこまで進んでんの?」
「…進んでない、から、問題なんです!今じゃないのにっ…!!」
口をパクパクと震えさせ固まった小柳くんの顔が見られない。いやなんで本当にこういう所で俺は!ただでさえ任務後の今は指輪さえ持ち歩いていないと言うのに。咄嗟の対応も思いつかず目が回る。
「…なんや、どゆことや、あれか、お祝い金の用意、か?僕スーツとかないんやけど、」
「ちょまっ、カゲツ落ち着いて早い早い、このタコもしかしなくてもやらかしてるからこれ」
「なにっ、なんや…なんやて?」
「…こいつ、まだプロボーズしてないのにその先の話しちゃってんの。」
「…っは、じゃあ小柳は、」
「プロボーズされる事を本人からバラされたも同然。やったねこれ。」
「…アホやん」
「…っあはは!そう、とんだアホだこいつ!やばすぎだろマジで」
真剣な顔でアホ呼ばわりする忍者と、おもちゃを見つけたガキのように大笑いするメカニック。
こちとら綿密に日付から場所、シチュエーションから当日の贈り物まで、一切抜かりなく、万全に用意してきたというのに。それを全て無に帰すこととなる発言を、まさか自分がしてしまうとは。
そう頭を抱えていると、横から控えめに袖を引かれる。可愛い…じゃなくて、罪悪感と後悔が募る中おずおずと顔を上げれば、そこにはこれまた綺麗な顔と満月が浮かぶその瞳。キュッと結ばれたその口は何かを伝えようと決意した証拠で。上目遣いがとてつもなく可愛い。控えめに引かれた袖も可愛い。え、ほんとに可愛い。どうしよう。そんな風に少しだけ現実逃避をしていれば、左手をゆっくりと両手で包まれる。
「…星導」
「…、っな、なに、ごめん、」
「俺、待ってるから」
「えっ」
「ちゃんと、待つから、今度…ちゃんとして?」
「えっ…〜、っうん!する、するよ、絶対する!!けど…っぅぐ、可愛すぎるって!!!」
「うわ、自覚した小柳の破壊力やばいな」
「何か丸くなったわ、可愛い可愛い言うタコの気持ち今まで分からんかったけど、今なら何となく分かるわ」
呟くように漏れた2人の言葉に、星導はガバッと顔を上げ、ハッとしたように小柳の両肩を掴んで揺らす。
「ちょっとっ!2人にバレるじゃん可愛さが…!」
「うおっ、っ揺らすな!!…っお前は、!くだらねぇ事言ってねぇでちゃんと準備、しろよ、!」
「いやえぇ、急にスーパードライなんだけど、さっきまでのたどたどしさどこ行っちゃったの」
「…うるせ、んな事より俺も飯頼んでいい?てかお前何で何も頼んでないの?」
「あ、小柳くんどれ頼む?」
「これかこれ…」
「あ、それどっちも頼んで。俺も食べたかった」
「まじ?じゃあ頼んじゃうわ」
「え、小柳くん店員さんと話すの?」
「何、俺の事バカにしてる?」
「いや、俺以外の男と喋るんだ、へぇ、ふーん…」
「…はぁ、!?お前、俺まともに生活出来ねぇじゃんそれじゃ」
「っあはは、流石に半分冗談」
「いや半分じゃねぇかよ」
ーー
「そういやこや、身体に特に変化というか…異常?とかあんの?身体休めなきゃいけないとかあるなら早めに根回しするから教えて欲しいんだけど」
4人の机の上には平らげられた食器共と、惚気話の盛り上がりから頼まれた複数のジョッキ。やたら酒に弱い星導が御手洗へと足を運び会話も落ち着きを見せた頃、可愛い見た目に反して酒に強い伊波がふと話を振る。
「んー…まぁ異常はないけどそれなりに変化は、ある。それなりに女子に近付く、と言うか、妊娠できるようになる、と言うか。あんまりプライベートな空間すぎて詳しくは、ちょっと…。」
「まぁそりゃそうか…ん、ん?え、女の子になんの?性転換?」
「いや、正確に言うと性別は男。大体の見た目も変わんないんだけど、まぁ、えっとー、」
「あーそういう事か。聞き出したみたいになっちゃったわ、ごめん!あ”ー、ごほんっ…まぁ、お父さんとしてはな、お前が五体満足健康優良体ならそれで大丈夫なんだ。」
「っはは、お前の息子になった覚えはねぇぞ若造。それにそこまで健康かと言われるとそれは怪しいけどな」
「生活習慣?」
「そ」
「ほんとにお前は…もっとまともな時間に活動しろよ?」
そう、実は小柳自身の変化と言えば、所謂性器と胎内が受胎の為に変化を遂げる訳で。この変化を見つけた時、ドクターの目がどれだけ輝いた事か。『これは新発見だ!素晴らしい、素晴らしすぎる…!』そう叫んだ彼の様子は今でも思い浮かぶ。ご機嫌すぎてなんか良いとこの茶菓子なんか貰ったりして。オトモ特別フード開発してくれたりなんかして。
だがそんな変化をこんなところで言える訳もなく。口ごもる小柳の様子に、素早い察知能力でさりげなく場を和ませる方向へと変えた伊波に感謝を感じていると、酒が回りウトウトとしていた忍者がいつも以上にポヤポヤとした表情と滑舌で言葉を零す。
「…たことおおかみの赤ちゃん、かわいいやろなぁ」
「…急に何言ってんだカゲツお前」
「…っは、カゲツ、酔ってんねぇ?」
「え゛、ちょっと!?っな、なんの話ししてんの!?」
そしてこれまたタイミング悪く帰ってきた星導。
「んー?この顔とこの顔やで?絶対べっぴんさんやん…?」
「っはは!まじおもろい、カゲツー?水飲みなー?変なタイミングで帰ってきたなぁ、星導も。」
「いやいや、ただのトイレなんだからそんな掛からないでしょ。なに、どっち似が良いかって話?絶対小柳くん似でしょ!」
「っいや、はぁ?そんな話してないけど何、それは何で?」
能天気に話を続ける星導に、顔をしかめる伊波。またこいつは何を言い出すんだと怪訝そうな顔で見つめる小柳に、ぽけっとした顔でその様子を眺める叢雲。
「ん…?たこだって顔綺麗やん、なんで絶対おおかみなん?」
「んー?だって俺似なんて、ねぇ?そりゃこの顔だし可愛くはなるだろうけど。俺の顔した赤ちゃんが小柳くんのおっぱい吸うとか、俺2つの意味で耐えられ…痛ぁっ!?」
「お前っ、何変なこと言ってんだよ!?」
「えぇ、変じゃないよ!だって俺らの赤ちゃん出来るってことは小柳くんはママでしょ!!」
「だ、だからってお前…!」
「そうなったら授乳だってするじゃん!…っえ、おっぱいあげるの?小柳くんえっちなんだけど!?」
「いや変に想像して勝手にキレんのやめろ、!」
「俺がその立派な雄っぱい育ててあげますからね、」
「おいやめろっ、触んな!」
これまた同期の特殊性癖でも聞いた気分だ。星導は授乳プレイで捗るタイプ、と。要らないステータスすぎる。
身を庇うように腕を自身の体に回す小柳と、その身体ごと上から抱き着きへにゃりと引っ付く星導。こりゃそろそろお開きですか。
「なんや暇さえあればいちゃつくやん…」
「もうお前らなんでも良いけどさ、なんかあるなら早めに言ってね?」
ーーーーーーーーーーー
そうして紆余曲折、起承転結、物語を飛ばして早一年弱。
「公表したいです」
「無理」
「なんで!?」
「ちなみにだけど逆になんで?同期にはこうして伝えたじゃん。これ以上伝える必要ある?」
「だってこうして結婚もして同棲も始めて、これからは子供ができたら産休育休…って考えたら、隠すのはほぼ不可能じゃないですか?それなら事前に各関係者にはお伝えした方が…」
「そりゃ勿論礼儀としても説明が必要な部分はある、けど、『公表』する必要はねぇだろ?表に出せば出すほど、身の危険は多くなるんだぞ。子供が出来ればその分な。」
「それはそうだけど…逆にその分、守ってもらえるじゃん。頼れる人が多くなるのは、ロウのために絶対必要だと思う。大切なことになればなるほど、俺から離れたがるじゃん。その時に、誰も見知らぬ場所へ1人で飛び込まれるくらいなら、せめて誰かに頼って欲しい。そうすれば、俺だっていつでも手を回せ…じゃなくて、安心だから。」
「…それ、より広く外堀埋めたいだけじゃ、」
「…っしー、イッテツ、今星導の言いくるめターンだから」
「…っあ、そういうのがあるの?」
「…ちょっと小柳くん、違うからね、逃げ場無くしたいとかじゃなくて」
「…な、こいつらっていつもこんな痴話喧嘩してんの?」
「…ん?うん、そうだよ。内容は違えど付き合う前からこんなん」
「…へぇ、見物だな」
「うるせぇなこいつら…てか星導お前な、そもそもお前から逃げるつもりは更々ねぇの。んでもってそういうお前の、真正面から言わずにそうやって図ろうとするところ、俺は好きじゃない」
「…っぐ、いや!勿論考えなかったと言えば嘘になるけど、でも本当に、小柳くんのことを」
「あと言い訳の時だけ苗字呼びに戻るのも好きじゃない」
「ごめんなさい、下心あります」
「で?」
「あわよくば全世界にロウは俺のものだって牽制したかったです!!」
「おぉー、さすがの手腕」
「これが嫁の尻に敷かれる旦那ですか」
「お前らなぁ…ま、この話は一旦保留な」
「っえ、保留してくれるの?」
「んー…俺も悩んでる所だったし、それなりに考えが纏まってからまた決めるので良いだろ。先は長いし。」
「…えへ、うん、あと数百億年は一緒だし」
「それは重い」
「重くない!!」
本日は、一悶着ありようやく結ばれた星導小柳宅にて、近日行われる遠征交流会の為に日本に来ていたCrysisも含め、同期11人での結婚報告なりお祝いの会とやら。
突然集められた何も見知らぬOriensとCrysis、何故か同棲している星導小柳、まるで公然の事実のように過ごす伊波叢雲、そしていざ現場につけば交際どころか結婚報告。Dyticaを除いた全員が持ち前の驚声を挙げ、現場は大パニック。
Dyticaが既に用意していた食料や酒類では飽き足らず、買い出しにデリバリーに秘蔵ルートでのお取り寄せに。それなりに落ち着いた頃に、惚気話の聞き込みフェーズが始まった。
やれ馴れ初めだの好きな所だのどこまで進んだだの。正直とんでもない馴れ初めを経ている為、顔を曇らすしかないDytica当人達に疑惑は募るばかり。流れに乗って番制度や白狼の生態、ここから有り得る可能性とそれにより皆に迷惑を掛けてしまう期間が多々ある事、生々しい話は避けて事情説明とほんの謝罪を心做しか不安気に告げる小柳に、それぞれなりの気遣いと本音を話し、やたら暖かくエモく流れる雰囲気に耐えられず、また大騒ぎ。
そうして暫くした後、小柳のかける目眩術のおかげでひっそりとした外見に沿わず中はやたら大豪邸、もはや屋敷とも言える新居にはしゃぎきった大多数は眠りにつき、酒に強いもしくは摂取せず、はしゃぎを見守っていた数人はゆったりと駄弁りながら過ごしていた。
──────そこで先程の会話に戻る。
酒を控えていたにも関わらず軽く酔っ払った星導の訴えに、それなりに飲んでいた筈がまるで酔ってない小柳の静止。共にソファに腰を沈める2人の距離感、普通に座る小柳をテディベアのように抱き抱え顔を寄せる星導、その様子は確かに友人で収まる筈のものでは無く、見慣れた伊波を除いた宇佐美佐伯は2人の関係をふと実感する。
「…おい眠いなら先部屋戻っとけ」
「…ん、?眠くないよ別に、ロウあったかいしリラックスしてるだけ」
「あぁ、そう。ならいいけど」
「…予想以上に仲良いんだな。あ、そういややなぎ、大変だったろお前」
「…ん?何が?」
「馴れ初め?さっき言ってた任務、多分だけど報告書見た覚えあるんだよな。あれだろ?るべの暴走ってやつ。詳しくは知らねぇけど、被害者にお前の名前載ってたからよ。初期はまだタコの能力扱えないるべの監視役として色々任されて大変そうだったし、今回もまぁ大変だったろうな、とは」
「…っそれ、は、まぁ、うん、そうね。知られてんの気まずいけど」
「えっ、俺それ知らないや」
「俺も見ただけで詳細は知らねぇよ?何となくしか」
「いやぁ〜…世の中には知らない方がいいこともあるよ?ありゃだいぶ酷かったかんね」
あの時の事は思い出すだけで頭がどうにかなりそうだ。人をダメにするソファから起き上がって興味を示す佐伯に、机に頬杖をつきながら酒の入ったグラスを回す伊波。
「まぁあん時の伊波には…ご迷惑をお掛けしてすまん、やね、さすがに」
「まぁまぁ、1回目…というかもう2回目も、ほぼその後ろのタコのせいだけど」
「…ね、言われてんのお前だぞ」
「…んー?いーや?ロウの魅力のせいです」
顔を上げた当の犯人、星導はご機嫌に横に揺れる。流石の小柳も1日の騒ぎ様に疲れたのか、珍しくされるがままになっているが、これは稀に見る甘えたゾーン、気を抜かない白狼のレアな一面である。ここ最近で見られるようになった一面でもある。
「へぇ、なんか色々あったんだぁ。…でもやっぱ、俺としても嬉しいよ」
「嬉しい?」
「うん…ロウくんがるべくんと幸せそうに過ごしてるのを見れるのが、さ。俺とリトくんは君が特に苦しそうな時期も見てきたし、俺らじゃ支えきれない不甲斐なさとかも感じる時あったから」
「っえ、そうなん」
「あーそれなぁ、今思えばそれなりにるべのアピールとか牽制とか見てきたけど、小柳はまあまあ浮かない顔と言うか…考え込むようなシーン、多かったよな。お前優しいしさ、昔の事とかも含めて一人で色々考えて気遣って傷付いて、って過ごしてたんだろうけど、それに気付いても俺に掛けられる言葉って何もなかったから。結果こうして落ち着いて幸せそうなの見ると安心するわ」
そう言った2人から小柳に向けられる視線は、照れくさくなるほどに熱く暖かく優しい。学生時代、晶の記憶を同じように辿ってきた2人。思った以上に見守られていたその環境、2人の優しさに、鼻の奥がツンと染みる。
真横から覗き込むように顔を寄せる星導の顔を押しのけて小柳は口を開く。
「それで言うと最初…こいつが記憶失くしたって言い出した時、同じく記憶を共有できるお前らが居てくれてるだけで、俺、結構救われたんだよな。だから、不甲斐ないなんて事1mmもねぇよ?2人には心の底から感謝してる、勿論ここまで支えてくれた伊波、お前たちにもだけど」
「ん?うん、俺の仕事はまだまだここからだけどね。お前らの新婚生活の安全はスーパーヒーローに任せとけって話。直前に言われたら普通にキレるけど、まぁ休暇くらいは軽く取ってきてやるよ」
「っはは、そりゃ頼もしい、何かあったらこのタコより先に相談するわ」
「うっわそれ、俺が無駄に牽制されるやつですやん…」
「こいつ同期にすら牽制すんのかよ」
「ウェンとかやたら仲探られたことあるらしいしな」
「まじかよ」
「うわ!この前の模擬戦の時、ロウくんとペアでやたら見られてたのってそういう、!?」
「イッテツもされてんのかよ」
「まぁみんなそれなりにされてるでしょ…てかさ、お前今日は大丈夫なの?」
感動の一場面から一転、最近よく見る怪訝そうな表情でこちらを見る伊波。その視線の先を見た宇佐美佐伯も、気まずそうに目を逸らし、順に口を開く。
「何が?」
「…いやぁ、言わば2人の愛の巣に、俺ら、おじゃましちゃってる訳じゃないですか」
「ん?言い方がちょっとあれだけど…まぁそうね」
「んで、後ろのるべやたら酔ってるしさ」
「あんま飲むなつったんだけどな」
「そんで今めっちゃ腹撫られてたり服の中手入れられたりしてるけど、大丈夫なの?」
「あ?」
話に集中しすぎて何も気付かなかった。いつの間にか項に吸い付くように唇を寄せ、右手は服の中でやんわりと胸元へ、左手は下腹部を優しく滑るように動く。
「…うわっおい、ほしるべお前、!?」
「んー?ふふ…ロウはさ、男の子と女の子、最初はどっちがいい?」
「あ?待て、お前何言って…」
「長女はパパに似るんだっけ?てかなんでほしるべ呼びなの?もうお嫁さんなったのに」
「…ごめん、ショウだよな、皆居るから気抜けてなかった。それより手、辞めれるか?」
「…ん、そうだよね?おれ番だもんね?ロウは、俺のお嫁さんだから、ほしぅべだもんね?」
「うん、そうだな。手、辞めれるか?」
「ねぇ、ロウのここも、そろそろ女の子になった頃…」
「っおい待て待て待て!!」
流れで下着の中へと這いずりそうになった左手を勢いよく引き剥がし、持ち前の身体能力で星導からすり抜ける小柳。これまでの説明で誤魔化してきた最奥の秘密が、その努力が、ぽかんとあほ面を晒す星導の暴露により無に帰す事となる。真っ赤な顔で振り返る小柳と、あんぐりと口を開け驚くリトテツの表情。苦笑の伊波。
「…っえ、ろ、ロウくん、もしかして、僕を差し置いてTS…!?」
「っお、おま、女の子になんの!?」
「ち、違…いや違くもないんだけど、明確には違、う。うん、いやっ、確かに男風呂とか男子トイレの使い方はややこしくなるんだけど…」
「「女の子じゃん!」」
「…っほしるべぇ!!!」
「んー?なに?あはは、来てくれるの?」
ソファに座る星導に襲いかかるように膝の上に乗り胸倉を掴むも、小柳自らのスキンシップ(?)と捉えた星導は能天気に喜ぶばかり。能天気な星導に不憫な小柳、そんなバカップルに代わって、置いてかれてる2人に、この伊波ライが簡単に説明をしてあげようじゃないか、と身を乗り出す。
「えぇ、どういうこと?」
「あはは、相変わらずアホだろ?こいつら。…まぁ昼間の説明でロウも言ってたけど、子供産めるように身体が少し変化する、の範囲だけだよ。基本的な身体能力とか見た目は変わんない。確かにるべに抱かれて少し女の子らしい丸みは少ーしだけ出るかもしんないけど、元がこの男らしすぎる骨格だし、見える範囲じゃあんま変わんないと思うよ?」
「抱かっ、っあーっと、…な、るほど、?」
「まぁ温泉なんてのはそもそも、るべの執着心的に一緒に入らせて貰えないでしょ。トイレは個室使えば問題ないし。言っちゃえばそもそも一緒に旅行なんて行かないしねこいつ」
「そう言われると、まぁ、確かに…じゃあ俺らが気にするまでもないのか?」
「まぁそう、自然と気にする必要のない程度の変化しかしないよって話だね。それに伴う情緒的な変化はあるから、それはごめんってさっきも言ってたけど。」
「「へぇ…」」
水を飲みながらそう説明する伊波のお陰で何となく納得した2人は未だ背後でいざこざしている2人へと目を向ける。
「ショウお前なぁ…!俺がどれだけ気をつけて説明を…!」
「えぇ〜?だって、今日俺のこと全然見ないじゃんお前」
「なっ…に言ってんだよ、ほぼ毎日一緒いんだから今日くらい良いだろ別に」
「俺以外を考える余地がロウにはあるってこと?」
「お前以外とどうこうなる余地は1mmもねぇよ、番舐めんな」
「…んふふ、ね、今日は?」
「お前同期全員来てんの忘れてるんか?また記憶喪失で忘れてんの?」
「皆に見せつけるのも別に吝かではない」
「いや吝かであれよそれは」
「っおいまてまてまて、俺らの気持ちも考えてくれ?さすがの3回目はもう懲り懲りなんだけど!」
2人の会話を聞き流すように静観していれば、とんでもない発言に伊波がつい身体を乗り出し声を上げる。
「っいや、だからしねぇって!」
「…しないの?」
「…っみ、んなが帰るまで、我慢だろ、普通に」
「うーん…じゃあみんな帰す?」
「…はぁ?お前情とか無いの?」
「こんなに愛してるのに?」
「違う違う俺にじゃなくて」
「俺こう見えて一途だよ」
「それはそうかもだけどそんな話はしてないんだよね?」
「かもじゃなくてそうなんだよ」
「いやそれは分かったけど」
まるで手を焼く小柳の姿に同情しつつ、小柳をここまで変化させた星導の度量に感心しつつ。ことある事に情事的雰囲気に持っていこうとするのは頂けないが。
「ねぇ」
「んだよ、今日は我慢しろ」
「だって明日も明後日も皆と遊んだり出掛けたりするでしょ」
「な、楽しいじゃん、良かったなぁ皆受け入れてくれて」
「そうだけど、俺らもう半年も最後まで出来てないし」
「…だから出来る時は俺がしてるじゃん」
「それは最高に気持ちいし可愛いけど俺もそろそろ触りたい、ドクターのお許しは?」
「…まあ安定期入ったしそろそろ良い、らしいけど、皆がいる間は我慢しろ」
「…じゃあ触らないからせめて見せて」
「お前なぁ、見て辞められるような性格じゃねぇだろ?」
「じゃあ見ないから触らせて」
「なんで行けると思ったんだよそれで」
「じゃあおっぱいだけ」
「ふざけんな」
永遠と駄々をこねる星導をどう交わすのか、これまた静観していれば小さく溜息をついた小柳が星導の両手を取りながら立ち上がる。
「…お前もう寝るぞ、ほら」
「…お誘い?可愛いね」
「んな訳ねぇだろ。すまん、こいつもう寝かしつけてくるわ、部屋好きに使ってくれていいから」
「ん、おやすみ」
「あっちの部屋だよな?」
「そう、あっちで多分もう敷布団広げて雑魚寝してるから空いてるとこ使ってやって。すまんね、一人一人の部屋は用意出来んくて」
「…ろう、お風呂は?」
「さっき入ったろ、酒入ってるお前をもう1回入れる気力ねぇよ」
「いやいやいや、十分広いよこのお家!探検したいくらい」
「片付けも俺らでやるし、この感じじゃ明日の朝も早くないだろうし、ゆっくりな」
「さんきゅ。探検は、まぁしてもいいけど。あー、なら…一応、そんなことにはならないと思うけど、俺らの部屋近寄らん方がいい、かも…こいつ酒入ってると寝てる間にされかけることも多くてさ、これまではここまでじゃなかったんだけど今回これだし…一応、そうなったら、まぁ、うん。…すまん今言ったのなしで、なんでもない、おやすみ」
「…?…っあ、ッスー、おけおけ!えーっと、じゃあ折角だし一服がてらちょっくら外に散歩でも…!」
「いや焦りすぎだろお前、帰って来れなくなるからやめろよ?…まあ、小柳の明日の感じで察するわ」
「んじゃ、こや、健闘を祈る」
「…なんか腑に落ちねぇけどいいや、おやすみ。ほら、お前も」
「…ん?あ、おやすみなさ〜い」
そうしてひらひらと手を振るひっつきタコを引きずるようにリビングを離れる小柳。まるでフラグにしか思えない台詞を残していった我らが誇る不憫属性持ちの白狼に、そっと心の中で手を合わせる。
ーーー
後ろから抱きつくようにくっつく星導を連れ、寝室へと辿り着く。何があっても寝室だけは共にしたい、そこだけは譲れないと数日に渡って説得され結局絆されたこの部屋は、それなりに星導の趣味らしさが溢れ出る、可愛らしい部屋となっている。正直これまで忙しさも相まってあまり意識することも無かったが、こうして見ると余りにも「2人の寝室」すぎて恥ずかしい気もする程に、柔らかい雰囲気。他の奴らには見せられないな、なんて考えつつ、ぼーっと立つ元凶に声をかける。
「ほら、もう寝るぞ」
「一緒に?」
「そりゃそうだろ、俺にはソファで寝ろってか?」
「小柳くんと、一緒に?」
「だからそうだって。てかなんでまた急に小柳くん呼びなんだよ」
「んふふ、ねぇ俺さ、小柳くんのこと好きなの。だから嬉しい」
やたら話が通じない状況に顔を顰める。
部屋に入るや否や突っ立って動かない星導を見れば、どの場面でも中々見られないであろう、純粋かつ初心な恋心を抱く、そんな可愛らしい表情を浮かべている。赤らんでいるのは酔いのせいかはたまた。
いつも告げてくれる「好き」だ「愛してる」だの直接的な愛情表現は、鈍感な俺にも分かりやすく伝わるし確かに嬉しい。しかし、こうして見たことも無いような表現をされた挙句、酒も入り底の読めないような状況では、どうも疑わざる、警戒しざるを得ないのが現実。これはこいつの日頃の行いが…ってやつ。決して俺が過剰なのではない。
「…おまえ、なに、どした?」
「…あ!ロウだ、ロウじゃん、なんでそんな可愛い顔してるの、こっちおいでよ」
「はぁ?いや、来るのはお前だろ。てか何、そんな酔ってんのお前」
「そっか!一緒に寝るんだった!あ、そうだ…これ、これ着て、あのね、買っといたのこれ、ロウ似合うよ」
「…あ?なに急に」
酒のせいで赤らむ顔に、柔らかい表情と滑舌。そこから繰り出される支離滅裂な言動はまるで赤子のよう。
思い出したかのようにクローゼットから取り出されたその衣服は、明らかに上等な素材の浴衣。元の個人宅では、昔の慣習に合わせ室内では浴衣を着ることが多々あったものの、2人で同棲するようになってからは適当な洋服を選んで寝ることが当然になっていた。あとはこいつの趣味のやたら可愛げのある服。
とはいえこいつに寝巻きの浴衣姿を見せたことがある訳でもないから、何となくイメージとして買ってきたものなのだろう。
「これ、じゃーん、浴衣。旅館とかでしか着て寝ることないじゃん?でも温泉行っても人目気になって個人風呂しか楽しめない、って話だったから…それなら家で2人でゆっくりするのでも大差ないかなって。でも、私服で浴衣姿のロウ、見てみたくてお得意様のご好意で作ってもらってみた!」
「…へぇ」
目の前で広げられた布を見れば、紺を基調としたシンプルなそれであるものの、よく見ればグラデーションで紫がかっているように見えなくもない。控えめに乗る藤の花の紋様は一見女性物らしい雰囲気を漂わせているものの、絶妙なバランスから男物であっても違和感の無いそれに仕上げられている。
「まじか…めっちゃ綺麗だし嬉しい。これお前の分の浴衣もあんの?」
「ん?いや、無いけど」
「いや、俺だけ?折角なら2人で着た方がその旅館気分とやら味わえるんじゃねぇの?」
「あー…まぁそれはまた今度ね。今はとにかくこれ着たロウが見たいの、はい」
「…あぁ、そう、ありがとな」
感謝を述べつつ受け取れば、上機嫌にニコニコとこちらを見続ける星導。
「…いや、着替えるから部屋出るとかせめてあっち向くとか、」
「なんで、見せてよ」
「いやそりゃ着たとこは見せるけど」
「いや、全部見たいもん」
「はぁ?いや普通に恥ずいから無理やね」
「…!ぇへ、可愛いね」
「何がだよ、あっち向けって」
「いいからはーやーく!それ着て一緒に寝るから!」
「人の話全然聞かねぇなこいつ…」
ベッドに座り足をバタバタとさせながら急かすそいつに溜息をつき、取り敢えずパーカーのチャックを下ろす。どうせ寝るだけだし、と中に肌着の一枚も着ていなかった自身に後悔も乗せつつ。それに気付いたタコが後ろで騒ぐのも躱しつつ。
「…っはぁ?何っ、中なんも着てなかったの!?チャック降ろされてたらお前、皆に見られるとこだったじゃん…!!!」
「…んなお前みたいな事するやついねぇよ」
「ただでさえここ最近おっぱい育ってきてるんだから気をつけてよね」
「…っ、誰のせいだと、」
「え、俺のせい…何、えろいんですけど!!」
「黙れよまじで…」
軽く浴衣を羽織り、背中を向け下のスウェットも脱ぐ。手際よく帯で締めれば完成。やたら背中に刺さる視線が痛かったが、着てしまえばもうこちらのもの。全身を見せようと振り返れば、いつの間にか立ち上がり真後ろに立っていた星導と目が合う。
「…ぅわ、ち、かくね?」
「…いやなんか、浴衣だと首、項の噛み跡でるの……なんか、えろくて」
「…あ?おい、寝るだけだからな?てか近ぇ、それじゃ顔しかまともに見れねぇだろ」
「まぁ顔が主役」
「やかましいわ」
巫山戯た雰囲気から一転、やたら湿度の高い視線と手触りで全身をなぞられ、身体に緊張が走る。
「…っ、なに、」
「んー…ねぇ、ほんとにだめ?」
「っおまえ、なぁ…だって、制御効かねぇもん。せめて皆居る時はさぁ、」
「大丈夫だよ、俺ちゃんと優しくできるから。ドクターさんからちゃんとやっていい事聞いたし」
「あ?ドクターから聞いたつったってなぁ、お前…っは!?おまっ、いつの間にそんな話、!」
「だって心配だったんだもん!ちゃんと俺も検査してもらったよ、ロウの身体に支障のある特徴が1つでもあったら大変だから。ねぇ、俺らには何の問題も無いんだって、そろそろ大丈夫だって、ドクターも言ってたよ。…俺も、ロウのことちゃんと愛したい」
「そ、れは…愛されてるよ、ちゃんと、自覚してる。」
「!…ぇへ、好きだよ」
「…俺も、好き」
「知ってる!…ね、ほんとにだめ?」
「…っ、だめ、」
「ろう、おねがい、」
あぁ、この顔に弱いんだった俺。普段何の欲もない子供が唯一遠慮がちにお気に入りの物を欲しがるようなこの顔。感情が薄いと言われがちなこいつがあからさまに俺を欲しがる顔。
この触り方も好き。こうやって優しく肌をなぞるように撫でられる感触。事が始まれば跡がつくほどしがみついて来る癖に、今はそんなのを微塵も感じさせないほど穏やか。それで言うと勿論強いのも好きだけど。
両手で顔を覆い、深呼吸を1つ挟む。一息置いてゆっくりとはがされた両手から現れた俺の顔はきっと真っ赤で、目の前のこいつは優しく眉を下げて笑う。
「…ちょっと、その顔断る気ある?」
「……っだって、みんな、いるし」
「もぉ、俺らの部屋なんだと思ってんの?みんなも疲れて寝てるよ。それに…久しぶりだし、そんな無茶させないよ?」
「そりゃそうだろうけど、その…おまえが、どうとか関係なくて、」
「…?なに、じゃあ何が、」
「だから、そのー、お前がいくら優しくても手加減しても、俺が…」
「ロウが?」
「…声、出ちゃう、から」
「…っぇ」
尻すぼみになるも、こんな新近距離なら聞こえないはずはない。星導がはっと息を飲む音が聞こえ、そんなことは有り得ないのは分かっているけど、やべ、引かれたかな、とか考えちゃったりして、じゃあやっぱやめよう、なんて言われるのも怖くて、顔を上げられない。
だってしょうがないだろ、こいつのせいで男(星導)も受け入れられる快感を覚えさせられて、子を成せる体質に変えられて、それに伴う性欲上昇が起きました、なんて当たり前(?)のことだ。ましてやこんな久しぶりにお互いの同意の上で行為が起きた場合、こいつの手付きで俺が乱れないはずが無い。恥ずかしいけど、そうしたのもお前だろ?じゃあお前がちゃんと責任取って…
って、ちげぇだろ、!何乗り気になってんだ俺!今日は皆居るし、事故とはいえライとカゲツに見られたのまだ全然引きずってるし、また迷惑掛けるどころか、今回は見られたらいけない人数が多すぎる。だから、ちゃんと断らなきゃいけないはずで、
「……ちょっと、聞いてる?」
「…っうわ、!?」
「うわ、じゃないけど?何、あんな熱烈なお誘いしておいて応えようとしたらフルシカト?どんだけ俺のこと焦らせたいのかなぁお嫁さんは」
いつの間にか向き合う形で抱き寄せられ、腰に回る腕はしっかりとした力で巻きついている。その表情は勿論幸せ満点な微笑みを見せていて、先程の心配がまるで杞憂であったことを証明された。
「いやごめん…っじゃなくて、やっぱ、!」
「…なに、黙り込んだと思ったら今度は何考えてたの?」
「な、なんでもねぇよ!普通にあいつらにそういう声、聞かれたくない、から」
「…んー」
星導は一切体勢も力具合も変えることなく、考える素振りを見せる。そう、大体こういう時は素振りを見せるだけ。知ってんだ俺、こいつの嫁だから。でもちょっとは考えてくれるはず。こいつ、俺のこと好きだし。これまでもそうだったし、だから、
「よし、やろ」
「…だろ、やっぱり、、、はぁ!?」
「…はぁ?じゃないでしょ、だって断る理由に俺とやりたくない、とか、そういうの一個もないじゃん。要するに恥ずかしいってことでしょ?それならいつものことだし」
「…っそれは、そう、だけど…っん、おい、まだっ話してんだろ…っ」
額、瞼、頬、そして唇に、優しく唇が触れる。
抵抗をするかのように下から軽く睨みつけるも、その顔は近付きゆっくりと首へと鼻筋が埋められる。
「はぁ、まぁじで良い匂い、…ねぇ、ほんとにだめ?さっきからさ、一回もやだ、じゃなくて、だめ、じゃん」
「…っ、だって、だめ、…っぁ♡…っおい、帯解くな、!」
「もぉ、口だけ一丁前に抵抗しちゃって」
ゆったりと大きなベッドに押し倒され、するりと帯が抜かれる。もちろんその手に強引さは一切なく、俺が力を抜いて寝転んで、自然と腰を軽く浮かしたからこそ成せたこと。それに星導も気付いたのか、つい手を止めてこちらを見下ろす。
「…ねぇちょっと!ほんとに抵抗する気ないでしょ!!」
「……だって、別に俺だって、触って欲しい、し。…でも、あいつらに聞かれる訳にはいかねぇだろ、」
「…」
「だから、…?…おい、なんか言え…っぁ!?♡」
突然の刺激に声も身体も跳ねさせ、ふとその感覚を辿る。
体重をかけるかのように下腹部に押し付けられた、硬くなり熱を帯びた下着同士越しのソレ。久しぶりに感じたその体温はまるで感染するかのように小柳の身体に伝わり、ずくりと腰が重たくなる感覚が走る。驚いて顔を見上げれば、その男の表情は明らかに欲情と愛おしさを現したもので、つい息を飲む。
「…あぁ、もう。そんなことばっか言ってたら俺優しく出来ないよ?」
「っ、ふ♡ちょ、…っおま、早い、!デカくなんの早い!!」
「はぁ?何を今更、ロウの浴衣生着替えシーンから既に半勃ちだけど」
「ぁ?♡、っ♡ゃ、やめ…っ、…もぉっ、わかった、!わかったから一旦止まれ、!!」
両手を繋がれ、かぷりと首を噛まれ始めた辺りでようやく声を上げた小柳に、愛おしくも半笑いで控えめに距離を空ける星導。ジとりと睨まれたその表情は幾度となく見てきたものだが、浴衣がはだけて現れた、赤らんだ首元から鎖骨、胸元、白く細長い脚、星導によって握られベッドに押し付けられた手。その姿は、間違いなく半年は見られていなかった絶景。
「やば、めっちゃかわいいじゃん」
「っん、は、っ♡……るせ、んなことより手離せ」
「やだよ、逃げるでしょ」
「…今更んなことしねぇよ、てか逃がす気ねぇだろおまえ」
「まぁ逃げれるもんなら?」
「…てか押し付けんな、変わったばっかで敏感なんだよそこ」
「どうりでえろい音響かせてるわけだ、…ほんとにないもんね」
「…だまれよまじで、…っ♡、っおい、ぁっ…は、♡」
離してくっ付けてを繰り返す下着越しの秘部から控えめにぐちゅりと水音が響く。完全に反り立ったソレを恐らく一番敏感であろう位置に目掛けて押し付ければそれに合わせて跳ねる腰。
「…っは♡かわいいねぇ、ほんとに俺だけの女の子なっちゃたんだ…ぐっちゅぐちゅ♡」
「っ、♡っぁ♡」
「…かわい、♡」
掴んでいた両手を解放し、快楽に悶える小柳の体から浴衣を抜き取る。せっかく買ったばっかだし、体液で濡れたら洗濯が大変なんてもんじゃない。下着以外身に纏う物が無くなり現れた肌は、しっとりと湿り、普段の不健康な程白い全身もうっすら赤らんでいる。
首から腰にかけて手を滑らせればピクリと体が震え、いつもより力なく蕩けた瞳でこちらを睨む。そんな可愛らしい抵抗を見せる彼に優しく微笑みを返せば、明らかに「やべ」と心の中の声を現したような表情に変え、腕で身体を隠そうとする。隠そうとする、よりも早く、丹精込めて育てた乳房を手のひらで覆うように揉みしだく。
「…っあ”♡ちょ、、っま、って♡っふ、はぁ♡」
「ふわふわおっぱい、隠しちゃだめでしょ?」
「っんぁ♡っは、♡ぁう、ッ♡」
「…んー、この大きさなら、俺らの赤ちゃんもたくさん飲めるね♡ほら、」
「んっ…♡なに、いってんだよ、…あっ”♡まっ、やめっ、♡」
「あは、♡まじでもちもちでふわふわなんだけど♡…ふふ、一生揉んでたい、」
「ぁ、ばか、かっ、♡っん♡…っふ♡…ぁ”ッ!?♡」
「んぅ、ち”ゅっ♡ん、あぇ、あんかおっあいおおいくあった?んぅ、ちゅ♡ん♡」
「ん”ぁっ、あ”ぅっ!?♡…っは、ぁ”っ♡んなとこで、しゃっ、べんなっ、ん”っ♡…っ、ぁ♡」
「ん〜♡」
「……っは♡…っおまぇ、あかちゃ、かよっ…♡」
「ふふ…ん、ぁむ、ん♡…赤ちゃん出来たら俺もう吸えないからぁ…ちゅっ、♡今のうちに吸っとかなきゃ、ね?♡」
下から上に舐め上げられ腰が浮き、少しも経たずに口に含まれ強弱をつけ吸われる。一旦落ち着いたかと思えばその綺麗な指先に押し潰され、腰が跳ねる。生暖かな感触と鋭い刺激に、既に限界は近く、足先には力が入り頭はチカチカと信号を送り始めた。久しぶりに現れたその感覚が気持ちよくて怖くて、足がバタバタと暴れる。
「はぁ”っ…♡やっ、もうや、だぁっ、ほしぅっ…っあぅ!?♡」
「ん…♡っん~?♡ちゅっ、♡ぁ、ん、ち”ゅ…っふふ♡」
「っは、っ♡…っぁ、もぉ”や”だぁっ、♡って……しょう、っ♡」
「…んふ、♡やぁ、ら、、ないれしょ、…ん、ち”ぅ♡」
「あぅッ♡…はぁっ♡やぁ、むりっ、♡は、あぁんッ~~~~♡♡」
「ん、ち”ゅっぱ…ん、♡っあは、ごめん、ごめんね、可愛くてつい。もうイッちゃった?」
「っい、ぅ…っ♡…いって、ない、ん♡も、さわんなっ…はっ♡」
顔は離れたものの揉みあげる掌はピッタリと胸にくっついたまま。抵抗と抗議を示すために顔を上げれば交わる視線、その瞳に久しぶりに熱が籠っている様を目の当たりにし、また腰がずくりと重くなる。
綺麗かつ自然に作られた笑顔と段々と近付く指先に息が震えて、また鼻で笑われて。可愛い、なんて俺に似合わない言葉を度々吐きながら上機嫌に髪を揺らす。
「もぉ…触らないわけないでしょ?こんなの。見た記憶がある訳じゃないけど、これじゃそんじゃそこらの女の子も顔負けだよ?ほらぁ、見てよ、こんなぷっくりちくび♡」
「ばかいう、なっぁ♡ぁう”っ!?♡ん”っ♡やぁ”っ♡、ばっか、…っ♡」
「はは、カリカリすんのきもちぃ?♡足ガックガクじゃん、…かわい〜、♡」
「や、やめっ…ん”ぅ!?♡…っちゅ、んむ、♡ぁ、う♡んんっ、っんぅっ…!♡♡♡」
「…っんは♡ん、ちゅー大好きなのもっ、んふ、変わんないね♡ん、♡」
こいつはいつも息を吸うタイミングを見計らって唇を塞ぎやがる。ただでさえ耳と舌は敏感だってのに、何度言っても容赦なく攻め続けられる快楽に、耐える所か慣れられる訳もない。
しっかりと抑え付けられた上半身に、口内でピッタリとくっつき舐められ吸われ弄られる舌、カリカリと拙い刺激を続ける乳首に、再び押し付けるように揺さぶりをかける下半身。
全身に伝わる愛しの番の甘い匂いと歪んだ感情と熱を持った身体の激情。そして既に朦朧とし始めた瞳に耐えられず弾ける腰。
じっとりと湿る下の感覚に、熱い頭。苦しいのに訳分かんないくらい嬉しくて幸せ。久しぶりだから余計に敏感だって、皆居るから声出したくないんだって言ったじゃんか。どこか快楽的な意識も程々に、生理的な涙がほろりと零れる。
そうして惚けた瞳で快感を引きずり出したタコは、暫くしてその雫に気が付いたのか驚いたように目を見開き慌てた様子を見せる。
「え”っ、!?…ちょ、ごめっ、ろう、大丈夫!?やりすぎた!?」
「…っぅ?ぁ、?♡」
「 あぇ、可愛い、っじゃなくて、大丈夫?聞こえてる?」
「…?、ぁに、どしたんおまえ、」
「いやどしたじゃなくて、な、泣いてる、から。ごめん、久しぶり過ぎて止められなかった、いやこんなの言い訳だね、ごめん、傷付けたり悲しませるつもりは一切なくて、その、でも、」
「…っは、?…っちょちょちょ、落ち着け、なに一人で先走ってんだよ?俺泣いてねぇよ?久しぶりに…ぃっ、た、から、ちょっとビックリして出ちゃった、かもしんねぇけど、」
「はぇ?…なぁに、それ」
「…んだよ、」
「…まじで可愛いんだけど、!!!」
「ぐぇっ、うわっ!?ちょ、重いって…っておい、吸うなっ、!♡」
目を見開いて急に叫び出したかと思えばのしかかるように抱き着く。ちゃっかり首元に顔を寄せて思いっきり鼻で吸う音が聞こえる。軽く背中と頭に腕を回してやり、その長い髪を梳くように指を流せば上機嫌な声を出す。俺によく猫ちゃんだとか言ってくるけどこいつも大概だと思う。てか狼な、せめて犬であれ。
「…ぇへ、ん、ち”ゅ…♡ん♡」
「ぁ”っ、♡…おま、跡つけんなって、♡、はっ、っぁ♡ば、れるっ、だろ…っ♡」
「ちゅ、っん、♡…うん、うん…。…よし!」
「っは、♡…っよし、じゃねぇよ、!急に食いついてきやがって」
「キューアグだよキューアグ…おれの跡だらけ〜♡」
「はぁ?訳わかんねぇこと言ってんなよ…はぁ、もういいや、ん」
「ん?」
「…こいよ、俺もつける」
「…っ、あは♡いっぱい噛んでいいからね、」
両手を伸ばし甘えるように上目遣いで示せば、へらりと情けない笑顔を晒しながら勢いよく寝巻きのスウェットを脱ぎ、長い髪を背中に流して覆い被さる星導。白くて柔い肌、しかしちゃんと男らしい骨格をしたその体躯に見とれながら傷つけないように歯を立てる。いわば甘噛みってやつ。俺なりの愛情表現。
「んぅ、ぁ…ん♡ち”ゅ♡ぁむ、ん…♡」
「っ♡…っは、あははっ、可愛いぃ〜…♡」
あぐあぐと柔く噛み続ける小柳ロウは何時もの数十倍隙が多い。首に縋り付くように腕を回して跡を残す彼の頭を撫でつつ、その力の抜けた足から下着を抜き下ろす。ただでさえ彼に巻き付かれているからこそ其の絶景を見ることはまだ叶わないのに、その脱がした布から控えめに聞こえた水音で余計に想像と期待が膨らむ。
星導は心の中で数秒考えた後、空いてる手を内ももからゆっくりと滑らせ、指先でその秘部の中心に恐る恐る触れた。
ぐちゅり、と音を鳴らすと同時に、必死にしがみついていた愛しの彼は腰を跳ねさせ顔を上げる。
「…ん、ぁ”!?♡なに、っ♡」
「…っはは、ぐっちゅぐちゅ、えっろ…まじで女の子じゃん、♡」
「ぁうっ♡や、そこっ、まじで…っ、♡はぁっ♡…~~っ♡」
「まだ触ってるだけなのに甘イキ〜♡…ん、ろーう、見たいから、首、1回離せる?」
「む”、り、っ…そこっ、ぉ”っ…♡さ、わんなぁっ!♡」
「そこぉ…?あ、ここ?なんかぷっくりして気持ちよさそうだったからつい…これ、クリトリス、でしょ?もお、可愛いんだから、♡」
首に巻き付く小柳によって見ることは出来ぬ状態のまま、優しい手探りで見つけたその突起を傷つけない程度に引っ掻き、押し潰して、挟んで、捏ねくり回して。
もはやそのバタバタと跳ねるその足の動きでさえ可愛くて、片手で片足を抑えつつ、片手で愛撫と嬌声を堪能しつつ。
「あ”ぅっ♡や”っ、つ”よ”、い”っ…ぅ♡」
「あっつ…どっくどく脈打ってるよ?♡まだ指入れてもないのに…♡」
「ぁ”っ♡だめっ♡いぐ、い”っち”ゃうからっや”めでっ、♡っあ”♡ん”ぅ~~~っ♡♡♡」
「…っうわ、めっちゃ跳ねる、♡ここかりかりすんの、そんなきもちぃの?♡」
「…っ、♡……っは、♡はぁ、っも、やぁっ、そこっ、む”り、っはなし、って…♡」
「あは、♡…ごめんごめん、可愛くてつい。じゃあ俺も離すから、ロウもこの腕1回離して?ちゃんと見たいから」
「…ん、♡」
ぐったりと真っ赤に染った彼に抵抗する気はもう無いようで、ゆっくりと腕を下ろした後、恥ずかしそうに顔を背けながらそっと足を開く。
「っえ、っちょ、自分で開いてくれんの?えろすぎなんだけど…!」
「…うっせ、おまえ、が、こうしたっ…」
「っはぁ?可愛い、いや、そうだけど、してくれるなんて…。…っわ、えっろ…うわぁ、こんな感じなんだぁ♡…よいしょっと、」
「…ぁ”!?おい、足離せ、!」
「ぇへ、ご開帳〜♡…ぅわ、っ♡ねぇ、ろう…ここ、とろっとろじゃん…♡」
「ぅ”~~~っ、♡」
控えめに開かれた白く透き通った両太ももを膝を抑える形で拘束し、彼の抵抗も虚しくもう少しだけ広く開き抑える。
恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にし喉の奥から唸り声を鳴らす彼に愛おしさを覚えつつも、待望の彼の初めての姿とのご対面。優しく赤らみ、こぷりと愛液を零すその秘部はあまりにも官能的かつ魅力的で、これを俺が彼に作り上げたのだと思えばもう機嫌は最上々。
もう自分でも感じたことが無いほどに下腹部で暴れ回る情欲と興奮に耐えつつ、彼の腰を浮かせ下に枕を置き、その浮いた足を肩に乗せて中心部に顔を寄せる。その間に愛しの彼は恥ずかしさのあまりもう1つの枕に顔を隠してしまったが、その抵抗もそう長くは続かないのを星導は熟知している。
「…っはは、♡ごめんロウ、俺のもう今までにないくらいおっきくなっちゃってるからさ?たっっくさん拡げないと、痛くなっちゃうかも…♡…だから、恥ずかしいかも知んないけどここ…舐めさせてね?♡」
「ん、、ん?、…っは、ぁ”!?♡ちょっ、やめっ、あ”っ!?♡」
「…ん、ち”ゅ♡…んぅ♡」
「はっ♡だめっ、むりッ、♡はなし…っやぁ”…っ♡…ぁっ♡…ふっ、だめっ、、だって…♡」
そんな筈は無いことは分かっているのに、舐めれば舐めるほどどこか甘美に感じてしまう程に魅力的な匂いを纏わせている。彼なりのフェロモンというやつなのだろうか。
とめどなく溢れ出る愛液を夢中になって吸い上げていると、抵抗のつもりか後頭部に両手が添えられ、力の入っていない手で髪を掴まれる。それじゃあ逆に押えつけてるよ、なんて言葉も出る余裕もなく。
「ん…、はっ♡…ち”ゅ、ん~♡、ぁま、んぅ♡」
「ぁ♡っは、しょぉ、やぁ”っ♡とまっ、あ”っ♡ぅ”~~~っ♡」
「…っは、ん、ちょっとイった?、ぁ♡」
「イ”っ、てない、!♡だめ、もうだめっ、っあ”!?♡はなせって、…!♡」
「…あぁもぉ、あばれないよ?…っち”ゅ、♡」
より強く腰を抱きしめ顔を近づけた星導は、ぷっくりと腫れて主張する蕾を容赦なく口に含み、嫌な水音を立てながら吸い上げる。急に与えられた強い刺激に大きくガクン♡と震えた腰。その様子を目の前にし心做しか口角を上げ、容赦なく勢いをあげ吸い上げる。
「はぅ”ッ!?♡♡♡やめっ、そこ…つ、よ”ぃっ♡」
「ん、♡…ちゅ、ち”ゅる♡ん”ん〜♡」
「はぁ”♡や”ぁ”ッ♡やめ、ろっ、っは♡ぁ”~~~っ…っ♡」
「ははっ、、あまぁ、♡んぅ♡」
「ぁ”ッ、はっ…あ”ぁッ!?~~~~~~~っ!?!?♡♡♡♡♡」
「…ん”!?♡…っ、ぁは、ちょーっとクリ吸っただけで、しお、ふいちゃったの?かーわい…♡」
「はっ♡っぁ、♡…ぉれ、やめろって、言った、!」
「ごめんごめん、美味しかったから…♡」
顔にかかった潮は水滴となって前髪から滴り落ちる。呼吸を整えている間に自然とその水滴を舐め取ろうとする手を急いで止め、その手と顔を雑にティッシュで拭う。
「あ、おい、ちょっと!勿体ないでしょ!」
「ッ、あほかもったいなくねぇよ、汚ぇだろ、!」
「汚くないでしょ!!」
「…うるせぇな、もういい、はやくいれろ!」
「もぉ、怪我するのはロウなんだよ?そんな雑に扱う訳ないでしょ、なんだと思ってるの俺の事」
「…ド変態レイプタコ」
「な”っ!?ひどぉ!確かに一回目はそう、かもだけど、!今は相思相愛♡でしょ!」
「きも」
「でも好きでしょ」
「…ぅ、るせ、はよいれろって」
拗ねたように真っ赤な顔を背ける小柳に意地悪をしたくなった星導は、その長く綺麗な指をゆっくりと1本ずつ中へと沈める。
ぬぷぬぷと沈み込むその温く狭い感触にこれまた腰が重たくなる。
「…ぁ♡はぅ、♡ん♡なか、はいっ、て…♡…っふ、♡」
「はは…なかあったか、♡」
何かを探すように緩やかに動くその指は、やがてざらりとした感触を見つけ、指先の腹をひたりと押し当てる。軽く跳ねた腰を確認し性感帯である確信をついたのち、星導はにっこりと口角を上げ指を止めた。
「…んぁっ♡…っ、?…な、に、なんで、そこ…」
「ふふ、どうして欲しい…?」
「…っ!?」
「ほら、中ぐっちゅぐちゅうねって…きゅ〜って俺の指締め付けてるよ?♡」
「や、やめっ」
「えぇ?やめていいの?こんな気持ちぃのに…残念だなぁ」
「んっ…っひ、♡っは、…おま、ぃ、じわる、っ…さわれって、!!!」
イイところに微かに掠めながらゆっくりと引き抜かれる指の感覚に背中が反る。半ば叫ぶように声を上げれば、中途半端な位置でピタリと止まる。
にたりとあがった口角と元の位置に沈む指。小柳の息を飲む音も切なく、ぐちゅりと音をたてた中はもうグズグズのとろとろで熱く彼の指を迎える。
「っはは、…もぉ、可愛いんだから、♡」
「…ぁ”っ!?♡や”ッ♡きゅうにっ、は、げしっ…あ”、っはぅ”、ぁっ♡」
「その我慢しながら出る声一番好き〜♡…でも大事な喉イカれちゃうよ?我慢しないで声出して♡」
「や”、っだ…ぅぁ”っ♡んぅっ、はっ♡き、もちっ、♡やだ、もぉきもちいのっ、やだ…っ♡」
「うん、やだね?♡でももうちょっとだけ、頑張って拡げようね♡」
ぐちゅぐちゅと響く音はいかに自分が乱されているか自覚してしまって嫌だ。
快楽に耐えられなくて頼るようにこいつに巻き付いてしまう腕や足だってほんとはこいつじゃなくてシーツに縋って耐えたい。
ヒーローとして、白狼として一目置かれる俺が、皆がいる前でこんな弱いとこさらけ出すわけ行かない。例え見るのがこいつだけであっても、羞恥心と頑固なプライドはそれを許してくれない。
そんな根底の考えがあってなお、声が抑えられなくなるくらいこいつとの行為が好き。こいつの一切傷つけるつもりはないこの手が好きで、甘いくらい愛を伝えてくる目と口も好き。囲うように垂れる綺麗な髪も好きで、意外と男らしいこの骨格も好き。
「ぁ、はっ、♡ん”ぅ、♡ぁあ”ッ~~~~~っ、♡♡♡」
そんなこいつに俺はもう勝てないわけで。
「ふふ、気持ちよさそうで何より、♡」
「んぁ、っ♡…っ、はぁ、♡」
「…もうそろそろ、大丈夫、かな」
「…っ、♡…、?…っ!?おまっ、でっ……!?」
「んぇ、なに?」
ゆっくりと小柳の中から指を引き抜き、ぬちゃりと音を鳴らしたのち飛び出てきたソレ。
これまで見てきた彼のモノより1、2回り大きく凶悪に見えるのは久しぶりだからなのかなんなのか。当たり前のように下着から取り出されたブツに自然と膝を閉じるように足が竦む。
「…っえ、ちょっと、閉じないでよこれからでしょ」
「だっ、なっ、…だっ、てそれ、…で、でかすぎ、じゃね、?」
「…?…まぁ、久しぶりだし、俺だって興奮してますから…?そんな前と変わんないと思うけど、」
「…」
「…なに、こわくなっちゃった?」
「こわく、ねぇ、けど!その…びっくりしただけ。久しぶり、だし…ぅおっ、!?」
「はは、可愛い…♡まだ大きくなりそ〜♡」
もごもごと指先を合わせながら口篭る小柳の膝をそっと開いてその間に体を収め、なんだかまた一段と大きくなったブツを彼の腹の上に乗せる。驚いたように体が跳ねて腰が引け、その乗せられた物を見るのが辞められない様子に口角が上がる。
「…やめるならほんとにここが最後だけど、どうする?」
「…っ、」
ほんの少しの本音と意地悪。
もうこれ以降は止まれないよっていう覚悟と、彼から強請って欲しいなっていう欲望。
ししどなく先走りが溢れる先端を、ひくひくと濡れたその敏感な位置へと擦り付ける。お互いの液でぬるぬると混ざり滑るその気持ち良さに、余計硬さが増すように興奮が募る。
「…っふ、♡は、♡…んなこと、言ったって…、っ♡お、まえっ…♡」
「…うん、止まりたくないけど…っ、止まるなら、ここが最後。だから…ロウが決めて。ロウの意思で、ちゃんと進みたい。」
指を交互に絡め両手を繋ぐ。縋るように見開かれた上目遣いの瞳はうるうると揺れていて、その真っ赤な顔が垂れた紫髪のベールに包まれる。顔を寄せ、額を合わせ、鼻先を合わせて、唇を重ねる。
はく、と控えめに開かれた口内に優しく舌を滑り込ませれば、暖かく甘い唾液が混ざり会う。
「ねぇろう、っおねがい、ろうの口から、言葉で…俺を受け入れさせて…っ」
必死に腰をさすり付けながら耳元で溢れる吐息ごと彼に強請る。小さく喘ぎを漏らす彼はきゅっと両手に力を入れ、はくはくと抑えめな声で名を呼ぶ。
「…っ、ぅ、っ♡…っしょ、しょう…っ♡」
「…うん、なぁに、?♡」
「…ぁ、う”、その、」
「…うん、」
「おれ、のことっ、…ぜんぶ、ぜんぶお前のにして…っ!♡」
「…あはっ♡…も、ちろん、っよろこんで、!♡」
「ぁっ♡はっ、♡んぅ、ぁぁッ~~~、っ♡」
彼のその言葉と同時に、穴へと合わせた先端からゆっくりと中へと沈める。しがみつくように絡まる中に、ぎゅっと力が入る両手。恐らく敏感になっているであろうザラりとしたスポットも先端で刺激しつつ、全てを飲み込んで貰うためにゆっくりと腰を進める。
「あ”ぅッ♡…っは、ッ~~~~♡…で、っか、、ぃ”♡っ、…ぅ?っは、ぁ”♡」
「…ぅ、♡…っは、♡…もう、ちょっ、と…っ♡」
「あぁ”ッ♡はっ、♡ぅ”~~っ♡ぁッ♡はぁ”ッ♡」
ぐちゅ♡ずる~~~っ、ぐッちゅ…っばちゅん♡♡♡
そうしてピッタリと腰がくっついた頃には、彼の最奥、おりてきた子宮の入口までをぴっちりと埋めつくし、何度も潮を吹いた下腹部はびしょびしょに濡れていた。
真っ赤な顔で、見開いた目で結合部に目を奪われている彼は有り得ないほど嬉しそうに破顔させ、繋がった両手により力を入れた。
「は、ぅ…♡しょ、お、っ♡…ぉれ、ぜ、んぶ、…?♡」
「…っふ、…うん、ぜんぶっ、はいっ、…ったよ、おっきいのに…えらい、ねぇ…♡♡」
入れる側の俺まで息が切れてるのが何とも情けないが、しょうがないだろう、この気持ちよさはもう誰にも共有出来ない、する訳ない、俺だけのものだから。
その感動に浸っていると、嬉しそうにくふくふと笑い出した彼のその振動が中まで伝わり始める。
「…っふ、ふ♡…っはぁ、♡おれ、っ、ぜ、んぶ、?♡…っは、や、ばっ…♡」
「ちょっ…わらわない、でっ…♡…っ、可愛いし振動やばいんだけど、!?、♡」
「…やっ、ば、♡…っふ、♡…しょお、?これ…き、もち、ぃッ♡」
「…っ、なぁに、いれてるだけでそんなきもちくなっちゃうの、っ♡もぉっ、かわいすぎるって、!!!♡」
彼にぴったりと上半身を合わせるように覆いかぶさり、身体全体を拘束するように背中に腕を回して抱き寄せ、腰を深く動かして中を擦り合わせる。
ぐちゅ、だとか、ち”ゅぽ、だとか、形容し難いこんなエロい音出し続けて、他の奴らにバレない訳ないだろ。なんて理性も頭の隅に退けたまま、彼の嬌声により興奮は増すばかり。
「っ、ぁう”ッ!?♡♡はっ、…ッ?♡…きゅうっ、すぎっ…あ”ッ♡、はぁ”ッ♡」
「…っ、♡…っふふ、♡…どーぉ?もっときもちぃ、?♡」
「ん”ッ♡ん”っ、んぅ、ッ~!♡でっ、が、ぁ”…っぃ♡…っは、♡ん”ぁっ!?♡だめっ、ま”って”、♡は、げしっ…あ”ぁッ♡♡♡」
「やっ…ば、♡まじ、っで、えろっ、すぎ…っ♡」
「ふぅ”ッ♡や”、っぁ♡ぉ”く、きてっ、る、っ…ぁんッ♡」
「っ、は、ふっ、…っ声、あまくっ、なってきた、っね、…?♡」
ぐちゅ、ち”ゅぱ、っぱん♡ずろ〜…っぱちゅ、ぐちゅんっ♡
緩急つけて、奥と、手前と、子宮口と、Gスポットと。全てをこれ見よがしにぱんっぱんっに膨らんだ性器で刺激し続ける。
彼が気持ちよくなる分、俺だっていつ暴発してもおかしくない程に気持ちが良くなる。一石二鳥。だからちょっとだけ好き勝手動かさせて貰うことにする。
「あッ♡ぅ、♡しょ、っお、♡い、っく、…♡…っもぉ、いく、いっちゃう、からぁっ!あ”ッ♡はぁんっ、♡いっか、とまっ…ッて、!♡」
「いいよ、♡いくらでもイッて、?♡…っ、は♡…おれも、きもちっ…っちゅ、んっ♡」
ぎゅうっと収縮する中に息を詰め、より強く彼の身体を抱き寄せその甘美なフェロモンを放つ耳元や首筋へ口付けを落とすようにと顔を埋める。
もはや腰をぴったりくっ付けたまま、押し上げるようにくっ付いた鬼頭と子宮口をぐちゅぐちゅと音を立て揺らす様に腰を動かす。
絶対にここに出し切る、そう告げる理性のない獣のような動きに、腰が震え中は締まり、過多に与えられ続ける快楽に頭は朦朧とする。その止まらない腰、快楽から逃げるように足先は天井に向かってピンと伸びる。本当は癖になるから良くないのだが、しょうがない。伸し掛る彼によって、今はそれ以外身動きを取れる場所がないのだ。
「ん”、ち”ゅ♡…っは♡あ”っ♡う”、あ”ぁッ♡♡♡…ん”っ♡う”ぁっ~~~~~♡♡♡」
「…ッ、♡…しま、っる、…っぅ”♡…はっ♡もうちょ、と、っ…」
「あ”ッ!?♡…ま”っ、♡とま”っ、…っ♡む”ぃっ、も”ぉっむ”り、ぁから、ぁッ…!♡♡」
「…っ、もうでる、からっ♡もうちょっとだ、っけ、…がんばっ、て…!!♡」
「…ぅ♡っは、や”っ、ぐ、…はや”、ぐ、だせッ♡もぉ”、む”ぃ、♡…んう”ッ 、!?ま”ぁ、ま”た、い”っぐ、…♡っ、ぁ~~~~~…ッ♡♡♡♡♡」
「…はぅ”、♡…っぐ、やっ、ば…ッ♡」
どぴゅ、びゅぷ、びゅる、びゅぷるる…ッ♡♡♡
彼の身体が飛び跳ね、中を激しく締め付けると共に熱く大量の精液を子宮を埋めるように注ぐ。
久しぶりに注がれた番の愛の重さを小柳は仰け反るように受け止め、久しぶりに愛と欲を全て中で吐き出した星導はその余韻まで余すことなく腰を揺らし擦り付け、やがてその腰を押し付けたそのままの状態で2人とも息を切らして言葉を漏らす。
「…っは、多、いッ♡…っ、あっつ、…や、やばすぎ、っ…♡」
「…ッ、♡…は、♡…き、もちぃ、♡…っはは、腰っ、とまんな、い、…♡」
「…っあ”!?っ、は、…ぅぐ、♡っ 、ま、って、…ッあ”♡、~~~~~ッ♡や”ぁ、も、っむ、りっ…♡」
出しても尚萎えることのない陰茎に、快楽に溺れかけている頭。思い出してみればお酒も入って元々朦朧としていた意識が、今になって欲に埋もれた形態で取り戻されてきている。
ばちゅ、ばちゅ♡と音を鳴らして動き続ける結合部からは、溢れんばかりに出した精液がとろり、少しずつ零れ出してきている。
「ぁ”♡…っは、ん、おれの、せーえき、出てっ、きちゃったね…?♡もっ、と…注が、なきゃ…っ♡」
「…ッ♡♡っは♡…ん”ぅッ♡…も”♡ぉなか♡ぃっぱい♡らっ、て…ぁ”ッ♡」
「…っはは、♡…っふ、1回じゃ足りるわけない、っでしょ、?♡お腹いっぱいにしたげる♡」
「も、中っ入らないっ♡なか、っ♡お”っ⋯♡♡はぁっ、♡ん”ん~♡っふ、っはぁ…っや♡こすりっ、つけん、っなぁ”っ♡」
「…ッは、きもちぃ〜…っ♡」
奥をごちゅごちゅと押し上げるように動き回る腰。ポタポタと雫のように溢れ出る愛液と精液。
一度中途半端な位置で止まったかと思えば、汗で張り付いた前髪を優しく指先でどかされ、愛おしそうな表情で頬に手のひらを添えられる。
「…ふふ、目ぇ真っ赤になっちゃってるね、かわぃ、♡」
「…っん、ぅ?♡…ぁに、言ってんだ、?」
「ううん、何でもない、とにかく可愛くて大好きだって話♡」
「…、…おれ、も、すき、」
「…っ♡…はは、ちょっともう、愛おしすぎるんですけど…」
「…つづき、やんねぇの、?」
「…はぁ?まぁあと1回は絶対やるけど…逆にやっていいの?明日みんなと遊べなくなっちゃうよ」
「…ん、ぁしかに、…じゃ、やさしく、して」
「…するのは良いんだ?煽りが凄いなぁもう…じゃあ、らぶらぶえっち、しようね?♡」
ーー
「あ”、!?♡や”っ、ん”んッ!!!♡、っん”ぁ~~~~~~???♡♡♡♡♡♡」
「…あはっ、きもちよさそ〜、♡っは、♡くっつくの、…すき?♡」
ーー
「っふ、はぁ、♡あ”っ♡あ”ぁ~~~…ッ?♡♡♡」
「ん”っ、はぁっぴったりだぁ♡…なぁにっ、もぉ、動かす…?んっ♡」
「ち”がぁっ、う”ッ…お”ッ♡も”っ、やめっ…あ”っ、ん”っ♡も”ぉ、お”わりっ、…ん”お”っ♡」
ーー
「…ん”ぅっ、♡ぁ”ッ、う”、も”ぉっ、や”、めっ…っお”、ぐ…ぅ♡ん”~~~~~♡っは、っは、むりっ…も”ぉっ、む”、りぃ…っ!!♡♡」
「あははっ、♡よわぁい…♡」
ーー
「…あ”っ、あ”♡や”だッ、ごめ…っむ”、りっ♡あ”ぁ~~♡♡♡や”め、…っあ”ッ、ごめ、ん”んっ♡…っもぉ”、…む”、りぃ♡♡」
「っは、かーわいぃ…っ♡ん”っ、はっ…♡ごめっ…い、ぐっ…中、出す、よっ…!♡」
「や”ぁッ…ながっ、♡あ”ついっ……っ!も”ぉっ、や”っ♡あ”ッ♡あ”ぁッ♡しょおっ…や”めっ…!、♡」
「ん”っ、っは…♡でるっ、♡…っロウ、♡っは、っ~~~~~♡」
「ん”、っぐ…っは、っあ”ぁっ、~~~っ♡♡♡♡♡♡」
「まだっ、出てる…っ♡ん”っ、…っ腰、逃がさないで…って、っはぁ…っ♡」
「…っあ”、♡ん”っ♡…っ♡、…っ♡…っはぁ、っ、…?♡」
ーーーーーーーーーーーーーー
結局そのあと何回かした。覚えてない。いつの間にか気を落としていたみたいだ。
パチリと目を開き、横にいつもの体温が無いことに気付く。何となく下から声が聞こえるから、何人かで朝ごはんでも作ってるんだろうな、なんて予想も立てつつ欠伸を一つ。時刻は大体10時過ぎ。
少し痛む腰と重たいお腹をさすりながら上体を起こす。綺麗になったシーツといつの間に着せられた綺麗な浴衣。あぁ全部ちゃんとやってくれたんだな、なんてほっこりしていれば横から猫の鳴き声。
「お、オトモじゃん…はよ」
くるくると飛び回った後、優しく布団の上に着地し、その場でふみふみ。やがて顔に近付いて来た後、頬に鼻先、目元に優しくスキンシップを残し、心配気に、にゃあと一言。
「んふ、大丈夫だよ、さんきゅ。」
顎下と頭を指先で撫でてやれば、これまた満足気に鳴いて飛んでいく。いつの間にか近くまで来ていた星導のオトモと仲良く頬擦りをしあった後、2匹仲良く専用のクッションへと沈んで眠り始める。オトモ同士って言葉通じんのかな。
「ふぁ…おれも起きるか、」
少しはだけたままの浴衣をそれなりに整え、首元の跡と騒がしさの内容が自身の話であるには気付かぬまま、ぼんやりとした頭でリビングへと向かう。
ーーー
あれから彼に煽られ良がらせて結局多分5回はした。
前から後ろから座って立って上に乗せて。正直もうちょっとできるけど、今穏やかに眠ってしまった彼の身体のことも考えて、この辺りがお互いの満足ライン。
「…っぅ♡…、…っ、にしても、やりすぎたかな。寝ちゃったもんね、?」
「…、ぅ」
「…ぅぐっ、可愛い…、!…また可愛いパジャマ買ってこよ、」
そっと頬を撫でれば擦り寄るように顔を預けてくる。寝てる間の無意識な行動に胸がギュッと締め付けられるが、そんなことより今は彼とこの場を清らかに整えなくては行けない。
眠る彼をシーツでくるみ、床に置いてあるクッションに一度横たわらせた後にシーツを張り替える。
自身の着替えと彼の浴衣をオトモに乗せ、彼を抱え上げ下の浴槽へと向かう。
「…相変わらず軽いな、もっと食べさせないと」
トントンと音を立て階段を下がっていくと、早朝にしては騒がしいリビングの音と光に気付く。
そう言えば昨日寝るの早かったもんな、一人でも早いやつ居たら皆起きちゃうか、なんて、どうせ通らない場所だし呑気に考えていれば、足音に気付いてしまったのか白いふわふわ頭が扉を開け顔を覗かせる。あぁ、3回目だ。可哀想に。
「…っぅわ、やべ!」
「…カゲツー?」
目が合うや否や顔を顰め引っ込む。大きな声を上げ大きな音を上げたその様子に他の奴らが気付かぬ訳もなく。
カゲツの静止の声も虚しく、しかし比較的まともな面子が顔を覗かせる。
「なんや、どしたんカゲツ?お化けでもおったん、か…お化けよりヤバいやんけ!」
「…朝から失礼だなぁ」
「おいおい、結局こうなんのかよ、それロウ起きてんの?」
「お、ライ、おはよ〜。うん、寝てるよ?」
「おはよじゃねぇよ呑気だな…絶対後でロウに怒られるやつじゃん!まあ今回はカゲツの運も悪かったか」
「なになに、るべしょー?…はは、やばすぎ!!ねぇ、朝ごはん勝手に作っても大丈夫?」
「ニキもおはよー、好きに使ってー」
「はーい!ロウきゅんにお大事にー!」
「…なんでウェンはそんな通常運転なんやあいつ」
「心強すぎだろ、俺は朝からこんなん見て頭抱えたいくらいなのに」
「…ちょっと俺らで正気度チェックしないでもらえます?全員起きてんの?早くない?」
「んーん、今の4人だけ。俺とマナはちょい朝の散歩。その物音で起きたカゲツと朝ごはん要員で起こしたウェン。その他は起きててもまだ寝っ転がってる」
「あー、なるほど?」
4人多種多様な反応を見せ、面白がりつつぼーっと話を続けていれば、久しぶりに見たライの疑いの眼差しが手元に刺さる。
「…んな事よりお前また、」
「…?…あ、違うよ!今日はちゃんとラブラブでした!」
「んな事まで聞いてねぇよ、まぁ同意の上なら良いけどさ」
「てか、はよロウ整えたげた方がいいんちゃう?大丈夫なん?」
さすがと言ったところのざぶぅん、ヒーローまとも枠。もちろんいつも心配されるのは腕の中の彼だけだが。
「ん?久しぶりで寝落ちちゃっただけだから大丈夫だよ、多分起きるまで時間かかるけど」
「まあ今日これといって予定がある訳でもないし、ゆっくりさせたげなよ?どうせ無理させたんでしょお前のことだし」
「いや俺に対しての信頼薄っ!…あながち否定はできないけど」
「なんや、いつもこんななん?」
「いや?最近はそもそもしてなかったみたいだから今日爆発したんじゃね、とんだバカップルだよまじで。朝ごはんウェンたちと適当に準備して食べてるからロウの世話終わったら来なよ」
「はぁい、食材好きに使ってね」
「りょーかい」
「ほなまたあとでな」
困惑した緋八ととにかく早く撤収したい伊波と別れ風呂場に直行。朧気ながら喘ぎをもらす彼に苦しみながら、ちゃっちゃと処理と世話を終える。
そうしてすっかり綺麗になった彼にちゃっかり浴衣を着させて好き勝手首元に跡を付けてから布団を被せ、リビングに降りる。
「来たムッツリタコや、世話に時間かかりすぎやろ」
「誰がムッツリだ俺はどストレートにスケベだよ。愛の分時間かかるんです!」
「おぉい、朝からそんな話すんな」
明らさまに嫌な顔を向けるのは西の2人。
その後ろから顔を覗かせるは先程は見えなかった2人。
「お〜るべ、昨日飲んでた割には早いな?はよ!」
「るべ君おはよ、ロウくんと一緒じゃないんだ?」
「おはよ、昨日飲ん…?そうだっけ、ロウは今上でぐっすり。あと2、3時間かかるんじゃないかな」
「「へぇ…」」
「…な、なに?」
なんだか意味深な含みのある視線を向けられた気がしたが、これは問い詰めた方が厄介なやつ。そんなことよりウェンの朝ごはん。キッチンでどこから持ってきたのか分からないハイボール瓶を片手におつまみをつまむ彼に声をかける。
「ウェン、ご飯ありがと〜…朝から飲んでんのそれ」
「るべしょーおはよー!当たり前じゃん!ロウきゅんは?」
「ま、だ寝てる、けど…なんで?」
「んぇ?なんでもなにも…あぁ〜!っはは!ちょっと!僕になると牽制入るのなぁんでよ!安心してよ僕にはこの子がいるから♡」
「いやそれハイボールじゃん!いやごめん、ロウがやたらウェンの話楽しそうにするからさぁ、つい警戒しちゃって…」
「へぇ、ロウきゅんが?…それるべしょーが嫉妬するから意図的にじゃん?策士ぃ〜!」
「えぇ…?」
「まあまあ、冷めちゃうから食べなよ!ロウきゅんの分残しとく?あ、食べられないかな?」
「…あ〜、た、ぶん食べられない、かな。俺が貰ってもいい?」
「…はは、やってんねぇ!」
ーー
そうして騒がしい皆と朝ごはんを食べて、片付けをして、みんなでゆったりゲームでもしながら今日やりたいとことか行きたいとこの話をして大体2時間が経った頃、ぺたぺたと足音が聞こえリビングの扉の方を振り返ると、他のみんなも同じように注目が集まる。
「ん、ロウ来たかも…歩いてここまで来れるなんてタフだなぁ」
「…どんだけやったんやお前」
「それは秘密だよ」
扉を開けようとのっそりと立ち上がった星導を見るも、それよりも早く開いた扉から現れたその姿に一部は目を隠し目を逸らし吹き出し。
「はよ…」
「…っは!笑…っぐ、ロウおはよ…、!」
「うわ、おおかみおまえ…」
「うわぁ熱烈じゃん?」
「…なんか朝見たより酷なってないか?首」
「やばいロウくんがHなお姉さんに見えてきたかも」
「そりゃテツ、お前の目もやばいぜ」
少しだけはだけた首元から鎖骨にかけてびっしりと付けられたキスマに、横髪を片方だけ耳にかけ現れた目元に見える泣き跡。それは間違いなく昨夜の情事の凄みを現した全ての証拠。
「ろ、ろう、!!!」
「……んぁ、?しょう、はよ、んで起きた時横に居ねぇの」
「ご、めん、ロウ、それより、その格好のまま来たの?」
「?だってこれお前がくれたのにあの一瞬じゃ勿体ねぇじゃん」
「可愛い、可愛いすぎる…けど…か、鏡みた?」
「見てねぇけど…何?……ぁ?お前もしかして」
段々と目が覚めて来たのか、ぽやぽやとした寝起き口調からハッキリとした圧のある口調へと変わる。と同時に、眼差しにも鋭さが現れ、顰められた眉と同時に洗面台へと引き返そうとする身体を止める。
「なんでもないなんでもない!!見なくていいよ、ちょっと待って俺のパーカーだけ、」
「やったなぁ、星導お前俺の目見て言えよ」
「星導呼びやだぁ!!とにかく今俺ので隠さないと、」
「お前、現時点で全員に見られてんのわかってねぇの?手遅れだって、」
「ロウ、それすら今更だよ?俺らもうお前がシーツにくるまった状態の時点で見てるから」
「ちょ、ライ」
「…ぁ?どゆこと?…ほしるべ、?」
「あの、違くて、不可抗力というか、」
「そやで、僕ら後処理する前会うてるもん、そこの扉前で」
「…カゲツきゅんも容赦ないねぇ、ちなみに僕も見たよその時」
「…あ”ぁ!?おい、おまえっ、!」
「だってあんな朝早くに会うと思わないじゃぁん!カゲツさえ起きてなきゃバレなかったよあれだって!」
「なんや!僕のせいにするんか!」
「そうだカゲツのせいにすんなよ、…っそもそも、お前があんなに続けるからっ、俺何回ももう終わりって言っただろ!」
「っえぇ!?だって、ロウの やだ・まって・むり は もっと でしょ、やめたらやめたで寂しそうな可愛い顔するじゃん!」
「…っな、してねぇし!!」
「いやするじゃん!もっとしねぇの、?って足腰に回して涙目きゅるきゅる上目遣いで俺のこと誘惑してきた昨日のわんちゃんはどこの誰かなぁ?」
「…~~~っ!んなことっ、!!だとしても手加減とか余裕もってするのがお前側の気遣いだろ、!」
「ぐはっ、それはっ、そうですごめんなさい!!でも可愛くお強請りされるから!満更でも無い幸せそうな顔してお強請りしてくるから!!」
「かわっ、可愛くねぇだろ俺は!」
「はぁ!?かわっ、可愛いに決まってるだろ!!!」
「っな、なんやこのバカップル、急に惚気け始めたで?」
「まぁた始まったよ、ロウ腰ガクガクで必死に吠え始めたじゃん」
「それにちゃんと…気付いてるんだよね!るべしょーも。抱き寄せちゃったりしちゃってさぁ!朝から熱いねぇ〜」
「…僕の予想あと5分やな」
「いいやあと3分だね、カップラーメン作ろうかな」
「えぇ、?止めなくていいんだあれ」
「巻き込まれる方がめんどくさいだろ」
「よく分かってんね、あれは放置一択」
「てかそんなことより、お腹大丈夫なの、?」
「…?なに、なんで」
「だって中…出した、どころじゃない、って言うか、溢れる分はちゃんと流したけど、中までは、流しきれてないって言うか」
「…なに、覚悟ねぇの」
「あるに決まってるだろ。いつでも大丈夫だよ俺は、ロウの心配してんの」
「…お前が思ってるより、白狼の子供ははやく出来るぞ、人間とはまた違う方法だけど」
「…っえ」
「名前の候補、考えとけよ、パパ」
「えぇ!ちょ、、まっ、まじ、!?ちょ、ら、ライー!!カゲツー!!!」
「おぉい俺を巻き込むなぁ!!!」
「いやや痴話喧嘩で僕のこと呼ぶな!!!」
「ははっ、幸せそうすぎるだろ、顔……なぁ、良かったなぁ、あんなパパで」
コメント
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この作品を見た時からほんっっっとうにずっと続きを楽しみにしていて、今日見れたことに幸せを感じてます……なんか本当に小さき命の誕生というかなんと言いますか……なんていうか凄く心に来まして……何故か分からないんですけどすごく泣きそうになりました😭すっごくいい作品を生み出してくださってありがとうございます😭😊番外編……急かすつもりは全くないのですが楽しみにしております!💕😭
本当に素敵な作品でした😭💗陰ながら更新すごく楽しみにしておりました🙌🏻🙌🏻ようやく結ばれてらぶらぶなrbruがすごく可愛くてよきでした、🥲🫶🏻💗これは欲望なのでスルーしていただいても大丈夫なのですが子育て編も見てみたいです…🙇🏻♀️これからも見返しに来ます‼️素敵な作品をありがとうございました🫶🏻💗
