テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
相思相愛(死ネタ)
(※花言葉調べてくれると嬉しいです)
“僕ね幸せだったよ!灰さん!”
“まって!!僕を置いてかないで夢!!”
またあの時の夢を見る。どれだけ愛して、可愛がっても…肝心のあの子には届かなかった
いや、声にだして届く前に涙を流しながら笑って目の前で散ったんだ。……あの子は
「おはよう夢。今日も白いお花を持ってきたよ」
「…、…。スズランって言うんだ、この花。すごく綺麗でしょ?」
僕は花瓶にお花を入れて見せる。このお花は、_________だから。
「…、このお花。もう萎れちゃったね…」
「栞にしちゃおっか、ねぇ夢」
僕がそう語って手に取ったのは数日前に君にプレゼントしたオステオスペルム。
「…もう5こめだ。だいぶと貯まったてきたね…」
灰はそのお花を慈しむように、愛しい人を愛するかのように触れて手馴れたように、押し花の栞を作る
「……あともう少しだから。」
ボソッと栞を見つめながら囁くとそれらを花瓶の近くに置きに行った
…もう少しで終わるかのように。
「花を二輪買わないとね。じゃあ行ってくるよ、夢」
少し明るい雰囲気で出かける灰はあのヒナギクが運営している喫茶店に行き寛ぐと、ルンルンと買い物を楽しんでいった
・
・
・
夕方になる頃には花屋に行きお花を二輪注文する
「_____と____________ください」
「はい、分かりました。一緒に包みましょうか?お客様」
「…。大丈夫です、それぞれ別でお願いします」
「かしこまりました」
数分後、店員から花を受け取ると灰はお礼を言ってから自宅へと帰っていった
この先にすごい楽しみがあるかのように。
帰宅後はお花を傷つけないよう、大切に置いておいたあとご飯を作り始める
「うん、できた!…すごく美味しいね、これは。」
「君も食べる?…なんてね」
一人でご飯を食べ終えると灰は風呂に入りにいった
「お花は今回は早いけど寝る前には交換しようかな」
そのお花をどうするか悩み、答えが出た後に風呂から上がった灰は花を移送するための用意にとりかかる
暫くして色々と整ったのか灰は夢の写真の前のお花の所に行き花を替える
「ごめんね夢。今回は少し早いけど、許してくれる?」
「こっちの花も素敵だからさ」
灰はそう言うと_____と入れ替えたスズランを持って、先程までいた場所に戻った
「うん、完璧だね!このお花はここの方が合うよ」
「……」
満足した灰は写真のところに戻り…”おやすみ、夢。”と言うとベットに入っていった
・
・
・
・
・
翌日のおやつ時、灰に用があった親友でもある凶一郎は家に訪れた
会長室にもいないし、連絡もつかないから。
「入るぞ、灰。」
凶一郎が入るとそこは酷く静かだった。誰もいないかのように、既に立ち去ったかのように
「…灰??」
嫌な予感がする頭を抑え、凶一郎は灰のことを探す
…途中、夢の写真と花などが視界に入り、なんだ?と近づき見に行く
「…これは…。」
凶一郎が見たのはレターともいえる、愛のある贈り物だった。
昨日灰が置いた過去の萎れた花で作った押し花の栞
……そして
「この花は…ネリネだ…。」
凶一郎はどうかその予感だけは当たらないでくれと、急いで寝室に向かった
「……ッッ」
残念な事にそこで見たのは、既に事切れた親友・出雲灰だった。
「…、ぁ…か、い??」
よたよたと。最凶の面影など消えて親友の元へ歩み寄る凶一郎
そっと触れたその頬は冷たく…蘇生の兆しすらなかった
「……」
暫くして凶一郎は気づく。親友の灰の手の所に花がある事を
「..、….。これは、クリスマスローズ。」
その意味を正しく受け取ろうと、親友の手から取り出した凶一郎はびっくりする。
だって、折れていたから
「…..、つまりはそういう事だな?灰」
「俺はお前の事を…_______はせん」
その花を自宅に持って帰ろうと決め、とりあえず親友がこれ以上ガヤ達に騒がれて邪魔されないよう七悪に電話すると、家の中を探索し始める
後ろを見たところで直ぐに凶一郎は見つける
「…ふっ、お前達らしいな。灰、夢」
「これはそのままにしておいてやろう」
とりあえず会長の引き継ぎは俺にして、この部屋を保管しておこうと。この後の予定まで脳内で建てた
この感じは他にもあるかもしれんなと、探すことにした所でそういえば先程下になにかなかったか?、とその場に早足で向かう凶一郎
「ふむ、やはりあったな。」
凶一郎はそう語りながらそこにあった花瓶事持ち上げると、理解する
「…お前は夢を守れなかったと思って、これを捨てれずに…このような栞にも出来ずに残していたんだな、灰」
凶一郎は”この花”はこいつには不似合いだと、そっと自分の服の内側ポケットにしまうと、花瓶だけ洗ってから戻した
後日、そこの花瓶にはブライダルベールとツルウメモドキが挿されていた
ツルウメモドキの方には白い紙がくくられて
・
・
・
・
・
・
数ヶ月後の春、蕾が先綺麗な花が咲いたその1輪と共に紙が解けて風に揺られ床に落ちる
『お前は守れていたぞ』