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「今日は昨日とうってかわり、快晴です。熱いですが、盛り上がっていきましょう!」
みんなの前で盛り上がるような生徒会長挨拶をし、開会式を始める。今年は1年生が騎馬戦、2年生が借り物競争、3年生が障害物競走をすることになっている。1年生の騎馬戦では白組が勝った。すごい熱戦で、どっちが勝ってもおかしくなかったが、白組の颯が勝利の鍵を握っていた。2年生が入場し、初めの走者が並ぶ。一条を探すと、赤のハチマキとゲッケンをして、 1番後ろにいた。一条は竜凰と同じ、赤組ですごく驚いた。初めの合図が大きく響くと同時に、ランナーの足が1歩進む。
「さぁ!始まりました!2年生の借り物競争!どちらが勝つのでしょうか」
実況をしている人の声がスピーカーから聞こえる。いろんな人が生徒や先生、保護者から借り物、借り人をしてゴールしていく。夢中で見ていたら、すぐにアンカーの人にバトンが渡されていた。一条が走っているのを見ながら、お題はなんだろ?と推測する。一条がたくさんある紙の中から1枚を拾い上げ、紙に書いてあるお題を確認する。確認し終わったと思ったら、こちらに走ってきた。
「一条なに引いたんだ?」
「俺たち行けるかなー」
一条の友達がお題について、隣で話している。一条は目の前に来ていた。
「竜凰着いてきて!」
咄嗟のことで唖然としたが、一条に手を引っ張られ、立ち上がった。
「一条何引いたんだよ〜」
一条の友達の1人が一条に問うが、それを無視して走り出した。多分、生徒会長というお題なのだろうと思いながら、一条に引っ張られ、足を動かす。1位でゴールをし、実況の人が一条にお題を聞く。
「お題はなんだったんですか?」
「気になる人です」
一条から思ってもみなかったことを口にされ、戸惑う。実況の人は少し嬉しそうな顔をしていたが、理解が出来なかった。問題なく、3年の障害物競走も終えた。昼を挟み、弁当を食べる。午後からは応援合戦やダンスがある。ダンスは学年で踊り、競うようになっている。
「それでは、これから午後の部!応援合戦、始まりまーす!」
放送で午後の部が始まった。朝とは少し変化し、快晴から曇り空になっていた。応援合戦は白組から初め、「白組〜」、「赤組〜」と互いの応援合戦をする。ダンスでは3年、2年、1年という順番で踊る。
「竜凰さん、大丈夫?疲れているように見えるけど」
担任の先生が話しかけてきた。優しいが怒ると怖いと有名な女の先生だ。
「はい、なんともありません。」
竜凰はそう答えたが、本当は体に違和感があった。気温の影響で、体温が高いだけだと思っていた。立ったら少しふらついたが、3年のダンスを踊り始めた。竜凰が倒れるのはすぐだった。
目を開けると天井が見え、横に目をやると誰もいない空のベッドがあった。周りを見渡し、ここが保健室ということがわかった。ガラッとドアが開き、人が入ってきた。
「竜凰大丈夫か?」
そこにはペットボトルを持った一条が立っていた。ペットボトルの蓋を開け、俺に手渡しする。
「あ、ありがとう」
ぎこちない感謝をし、飲む。一条に聞くと、ダンスの際、急に倒れたため、一条が保健室に運んでくれたという。
「保健室の先生によると、軽い熱中症だって、担任の大原先生が怒ってた」
「熱中症か、」
一条が少し照れながら
「もう1回熱中症って言ってみて」
と言う。疑問に思いながらも、もう一度言う。
「ねっちゅーしょー」
ゆっくりと言ったため、「う」が抜けてしまった。すると、一条が急に顔を近づけてきた。
「熱中症ってゆっくり言うと、”ねっ!ちゅーしよ!”
になるんだよ」
一条に言われて、すごく恥ずかしくなった。
「もう1回言って」
「もう言わん」
絶対に恥ずかしいと思い、拒否した。保健室が他に誰もいなくてよかったと思う。一条はがっかりしていたが、急に顔をあげた。またあの雰囲気になった。
『Say』言え
「うっ、ん、ねっ、ちゅーしよ?」
逆らえずに言ってしまう。一条は満面な笑みでキスをしてくる。キスは重ねるだけのキスだった。
「もっとぉ、」
竜凰は無自覚に一条にそう言っていた。また熱のせいなのか、あの命令のせいなのかわからないが、一条は一瞬だけ驚いたような顔を浮かべ、また口を重ねる。一条の舌が竜凰の口に入り、竜凰も一条の口に舌を入れる。唾液が混じり合う音が保健室内で響く。
「じゃ、俺は戻るから安静にしてて」
そう言い残すと、一条は保健室から出ていった。竜凰は廊下に響く一条の足跡を聴きながら、余韻に浸る。
少しして、グラウンドに戻った。
「竜凰!あの時大丈夫か?と聞いただろ!全く、、」
「はい、すみません。もう大丈夫ですので」
大原先生の説教が始まるかと思ったが、「まあ、元気になったならいい」と注意で終わった。勝者は竜凰たち赤組だった。体育祭は閉会式で幕を閉じた。