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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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💚side




💚ラウール…


💚少し席を離れてくれない?


‎🤍はい?


💚この方と少し話をさせてほしいんだ


‎🤍??


‎🤍分かりました(?)




バタン🚪




ラウールが部屋を出ていって2人きりになった


大介は少し下を向いていて無表情を崩さない




3年ぶりの再会


なんと言葉を紡ぎ出していいのか分からなかったがとにかく思っていることを口に出していく





💚大介…大介なの?


🩷……





大介は下を向いたまま何も答えない




💚ねぇ…


💚お願い…何か言ってよ……


🩷……




もう一度聞いてみたけれど部屋には沈黙が流れるだけ


無表情をいつまでも崩さない




💚覚えてる?


💚いつも君の舞を影から見てた…




🩷覚えていません




吐き捨てるようにそう言われた




💚え…と…


💚3年前に川の近くで舞を舞っていたでしょ?


💚その時の…



🩷そんなの知りません


🩷私は今まであなたに会ったことなどありません


🩷人違いではないですか?





俺を軽蔑するような冷ややかな瞳


俺の知っている大介ではなかった




でも絶対に人違いじゃない


俺が君の姿を見間違えるわけがない




💚どうしてっ…


💚俺のこと忘れちゃった…?


🩷だから知らないと言っているでしょう


🩷業務が残っているので失礼してもよろしいですか?


💚…


🩷沈黙するということはよろしいということですね


🩷失礼します




バタン🚪




大介は部屋を出ていってしまった



💚大介……なんで…










〜廊下〜




🩷なんで亮平がここに…











🩷side





とある事情があって給料の良い邸宅で住み込みの仕事をすることになった俺



働くことになったのは俺の住んでいる街では知らない人などいない名家の家だった



お金がもらえるならなんでもいいと思って引き受けた仕事だったけれど…



🩷(まさか亮平がここの長男だっただなんて…)



亮平は久しぶりに会った俺を見て明らかに動揺していたようだった



何を考えているか分からないけれど俺は驚く気持ちを抑えてわざと冷淡な態度をとった




🩷また…会えた…




ずっと会いたかった


本当は今すぐにでも抱きつきに行きたかった


今でも亮平のことが好きだから





でも亮平はきっと俺の事なんてなんとも思っていない




だって俺の前から突然消えたのは亮平の方なんだから








※ここから大介の過去に入ります




〜3年前〜




シャラン!シャラン!



あの時の俺は夜中に川の近くで舞をすることが好きだった



昼間は病気がちな弟の看病におわれていて自分の好きなことをする時間などないけれど体を動かせるこの時間だけは俺の頭を空っぽにしてくれた



月の光が川に反射して俺を照らしてくれる


この時間だけは俺が世界の主人公になったような気分だった




そんな時に君と出会った




亮平が初めて俺の舞を見てくれた日



🩷(なんかずーっと俺見られてない?)



どこからか視線を感じたので仮面越しにちらりと目をやると寝巻きを着た青年がこちらを覗き込んでいた



🩷(そんなにまじまじと見られると恥ずかしいんだけど…)



俺はすぐに彼に興味が湧いた


でも話しかける勇気なんてものは持ち合わせてなくて、いつも木の陰から俺を見つめてくれる君を想って舞うことしか出来なかった



君が俺を追いかけてくれた日


追いかけてきてくれたのが嬉しくて悪戯してやろうと思った



着いてこられているのを確認してから小屋の角を曲がり、すぐに屋根に飛び移った


道に俺が居ないのを確認してから慌てふためく君の様子はなんだか可愛らしかったなぁ…




💚おかしい…


💚確かにここを曲がったはずなのに…



🩷(きょろきょろしてて面白いなー…)



🩷ここだよー


💚えっ?



暗い道に響いた俺の声


彼は辺りをきょろきょろ見回している



💚なんだ?今の声


🩷だーかーら!ここだよっ!


🩷うーえ!


💚うえ?



その時初めて彼と目が合った



💚へっ!?いつの間に!


🩷ふっふーん!すごいでしょ!


💚あ…危ないですよ!すぐに降りてください


🩷えー…


🩷じゃあ受け止めてっ!


💚は?




「受け止めて」



いつもなら絶対こんなこと言わないしこんな行動取らないと思う



ただ君と話せたことで舞い上がっていたからかいつもより陽気な気分だったのは確かだった



彼は咄嗟のことで驚いていたけれど反射的に手を広げて俺のことを待ってくれた



屋根を蹴った後落ちていく俺の小さい体はすっぽりと彼の腕に収まったのはいいものの、勢いのあまり2人とも地面に倒れてしまった




🩷いったー!笑


🩷ほんとに受け止めてくれたっ!笑


🩷ありがとねっ!



興奮しながら話す俺に君は戸惑っていたね



💚えー…えーと…



少し色黒な肌に綺麗な三白眼の瞳


初めて近くで見た君の顔は月明かりで照らされていてとても綺麗だった




その時、俺は君のことが好きになったんだ

月夜は僕らの恋を照らす

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コメント

3

ユーザー

にゃーにゃさんのお話はやはりいいですね。再会して交わした会話が辛い‥今でも両思いなのにね(/ _ ; )

ユーザー

おぉ…急展開(笑) たしかに急に阿部ちゃん来なくなったら疑問えぐいもんな…誤解とかしてそう…

ユーザー

しばらくさっくん視点が続くのかな、?めちゃくちゃお話に惹き込まれます!大好きです!

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