ダメダメ先輩
今日はクソ世界。なんだかいつも危険と隣り合わせな僕です。
現在、僕はリリアーヌ・ベネディクトという女性の先輩と行動しています。他の二人は僕達のランクが最低ランクだと知ると、溜め息をついて何処かへ行きました。……実際、僕は最高ランクだから隠してるんだけど……面倒事には巻き込まれないかな?
この組織は転生者等の女神に報われた人物に反対し、魔王と呼ばれる存在を崇拝する……所謂ちょっとしたデモ組織``ヴァルデルヴア´´。
その為、ちょっとでも変な行動を取ると、僕は死にます。斬られます。焼かれます。怖いです。誰か助けて。
ですが、リリアーヌ・ベネディクトといるとその可能性は低いと思っています。
だって、この人ダメダメだから。
「……先輩、何処に行こうとしてるんですか?」
「え?えっとねー……ち、ちょっとおトイレに……はは……」
……魔物とかと戦うとが怖い、臆病者か。
つか、野糞するんだ……嫌だなぁ……。
「と、と言う訳でナバ君!先に行ってて!私も後で行くから!」
「絶対来ませんよね」
「そっ……そんなわけないじゃん……や、やだなぁ……」
「……そうですか。じゃあ、僕先に行ってるんで」
「あー!ちょっと待って!」
「……なんですか」
「な、ナバ君、新人でしょ?此処、魔物多いし先輩の私がいたらあ、安心かなぁ……って……」
「……一人が怖いんですか?」
「こっ……怖くないもん!」
「じゃあ、なんでそんな必死になって呼び止めてるんですか?」
「こっ……これはナバ君が心配だからさ!」
「……足が震えているのは?」
「む、武者震いってやつ!」
……目に涙が溜まってるぞ……。
そろそろ可哀想になってきたな……。
「……あ、魔物!」
「ふぇっ!?やだやだやだナバ君守って!」
「……怖いんじゃないですか」
「……うっ……」
なんだよ、この人……虐めたくなるだろ……。
……ん?
ガサガサと茂みが音を立てる。仲間だろうか?それとも魔物だろうか?
僕が警戒しつつ近くと、そこには一角兎がいた。……可愛いな、ただ……敵だな。
僕が兎に刀を一振りしようとすると、リリアーヌ先輩は僕の体を停止させた。
「……なにするんですか、敵ですよ?」
「……この子、寝てる。まだ敵視していないのに殺しちゃうのは可哀想だよ」
「……寝てるからなんです?」
「……殺しちゃダメ」
「……先輩、この世界は``殺すか殺されるか´´では?」
「……確かにそうだよ。でも、私は無意味な殺害はしたくない」
「……貴方は優しすぎる」
「そうだね。でも、それが私だから」
……なんだろう、前にも聞いた事がある。
ーそれが俺だ。
……誰が言っていたっけ。
僕が懐かしさに浸っていると、また遠くでガサガサという音がした。
……また一角兎か?
僕が警戒を解きながら近づくとそこには
一角兎ではあったが、通常の一角兎より一回り大きく、敵視している一角兎がいた。
あとがき
一角兎の詳細
忘れていたドラゴンの詳細
……こんなの知りたい人いんのかな……。