「自覚あんの?」
スピーカー越しに聞こえるいつも通りの感情が籠ってない声色。今回ばかしは中々にイラつかせてしまったようだった。
「ごめんて」
「じゃあ来れるよね?」
「んー…」
即答はできなくてスケジュールを見返す。たしか、予定は無いがダブルブッキングだけはほんとにマズイため念の為だ。
しかしそれすらも癪に障るようでスピーカーからは舌打ちが飛んできた。
「いける」
「…あっそ」
あぁ、本当にイラついてるや。
ぶつんと途切れた画面を眺めながら俺はため息をついた。
急いで必要な身支度を行ない家を飛び出す。
全く勝手なものだ。自分はあちこち色んな人と楽しそうにするくせに俺が別界隈となにかし出すとこの呼び出し。
まぁそれを文句言いつつ拒否せずにノコノコ尋ねるのだからその束縛すら喜び甘受しているのは他でもない自分だが。
そうやって何度も文句垂れながら余裕ぶって出てきたもののいざらっだぁの家に着いた時インターホンを押す手が少し震える。
でもいつまでもここにつったってても、何も始まらないしむしろ、機嫌は下がる一方だろう。
部屋番号を押して、呼び出しボタンをぐっと押し込む。
少し待って聞こえてきた声は最初こそよそ行きの声だったけど、俺の名を名乗れば、声のトーンも下がる。
「ああ、はいってきていいよ」
ガチリと鍵の開く音と共にこちらの返事も聞きもせず、ぶつりと切られる。
あぁほんとに俺ァなんでこいつにこんな尽くしてるんだ。分かってる、好きだからなんだけど。
エレベーターで上りやっとの思いで部屋にたどり着いた俺は改めてこえをかける。
「…らっだぁ…?」
くいっと部屋に引き込まれそのまま壁に押し付けられる。
俺ももちろん体格はいいけど、別にらっだぁが華奢な訳でもない。
だけど、不意に引っ張られたうえに、そのせいでバランスを崩していた俺は玄関の中で 容易に、壁に貼り付けられた。
「…ぃ、てぇんだけど」
ギチギチと締める手がだんだん赤くなっていて。この様子だと明日しっかり跡に成ってるだろうな、なんて思考が飛んでいく。
だけど、こんな時目線を外したりしたら状況はもちろん悪化一択なのでなるべくらっだぁをじっと見つめかえす。
言葉なんてなかった。突然噛み付くようなキス。
それに答えるように必死になっていたら自分を押さえつけていた手はいつの間にか俺の耳を押さえつけていて、口の中をあばれる舌と水の音がぐちゃぐちゃに響いていた。
「ら、だ」
「…からだあらってきなよ」
「………、ぁ、準備おわっ、てるから」
「ふぅん」
案外余裕のなさそうならっだぁに、体を準備していたことを告げるとすこし、機嫌が良くなったように見えた。長いキスで息も絶え絶えに伺いみる。
「なぁんだ、じゃいこ」
情緒もクソもあったもんではなく、スタスタとベットのある方へとむかう。
大人しく後を着いていけば脱いで寝っ転がっててね〜、となにか漁りながら俺の事はおざなりだ。
「ちゃんと分かってんじゃん、ねぇ」
くちくちと、手のなかでローションに揉まれたピンクローターが見えた。
にやにやしている顔が抑えきれていない。その思考回路ちょっと親父臭くねぇ?口に出したらめんどくさいのでいいやしないがほんとに手つきがいやらしい。
楽しそうに準備のできたローターを俺の穴へつぷりと差し込む。
幸いにもらっだぁの手で揉みくちゃにされたローターは温く、されるがまま奥へと進んで行った。
「楽しすぎて忘れたのかなって思っちゃった、あ、ほぐれてるね、いれるよー」
「忘れるわ、けないだろ…。そっ、れにあれは毎月やっていることだし、あんたも知ってるだろ」
ブブブとナカに響くバイブレーションにビクつきながら、なんとか返事を返す。
「でも最近遊んでくれないじゃん」
「お互い忙しいだろ、んわ、そ、れにいま、っっ、会ってるじゃ、ぁあん♡」
なんの前触れもなく、らっだあのそれが挿入される。バイブと、圧迫感に息もままならずはくはくと、いきをはく。
「すっご、もうこんなの、オナホと同じ。まぁ、ぐちつぼがちゃんと俺のって自覚あるならさ別に俺はいいのよ。わかってんならさッ」
「ア゙ッ それ、だめ、やめ、ろよぉ♡♡」
亀頭とバイブによってずこずこと気持ちいいところを攻められて、色々と頭を冷静にしてた思考が、考えがまとまらなくなり、出てくる言葉も文章にすらならない。
いや、きもちいぃ、やめて、だめ、もっとして、
さっきまで、なんとか、彼からの攻めに答えようと必死に動いていた頭がそこまで考える余裕なんてすぐに溶けていく。
突かれる度に、ドロドロととけていく。相反する言葉が頭に浮かんでは消えていく。もしかしたら声にも出ていたかもしれない。
水の音と、自分の喘ぐ声、時折漏れる息を殺すらっだぁの声。
「ねぇ、お前は俺のものだよね」
「さいしょからさいごまでぇおれはッ 、ら、だのものだょ…疑わないでよぉ、おれだって、おれだってすきなんだ、からぁ」
ぎゅうぅぅ、となかをしめて、ひっしにらっだぁに手を伸ばして、抱きしめてと急かす。
どうして俺を信じてくれないの、どうして、俺ばかり、あいしてよ。
「あは、かーわい」
「ぅあ♡ まって、まって、い、ちゃ…ッ♡♡♡」
「あー、俺もそろそろいきそ〜」
腹の中の異物感が増えそしてまたそのまま、ズコズコと動き出す。
こちらはイったばかりなのにそんなこともお構い無しに容赦ない攻め。
自分の腰も上つきらっだぁの動きに合わせヘコヘコと動き出す。
時折、精子を塗りたくるように腰をグラインドするせいで、まるで孕まされる女の気分にさせられる、あぁ、ほんとにこのまま女だったら変に難しい事んがえずに色々終わんのにな、
きもちいいという、感情とどこか悲観する感情がぐちゃぐちゃと混ざりあう。
溶けた脳みそは深く考えもせずただ目の前の気持ちよさとやるせなさばかりを頭でいっぱいにさせるのだ。
「らだ、」
「っ」
――― ―――
寒気を感じ目が覚める。
簡易的に体はふかれており、動いた拍子にかかっていたブランケットが滑り落ちる……。
あぁ、また気絶してしまっていたらしい。
腹の中には異物感が残ってはいる、風呂借りないと。
ベットから抜け出そうとした時、手首をがしりと掴まれる。
「ぅあ、びっくりした、起きてたのかよ」
「……どこいくの、かえんの?」
「こんな状態で帰るかよ、風呂借りんの。良いでしょ」
なんでこいつこんなめんどくさくなってんだ。
少しばかりうんざりしながら手を離そうとする、いてぇよ。
「おれもはいる〜……てつだってやるよ」
「……それ、ほんとに手伝うだけ?」
「お前次第かな~」
……今日俺帰れるか な。
コメント
2件
めっちゃ今更だけどこの小説好きで何回も読んでる。好きです。今後も応援しています(੭˙꒳˙)੭♡ 突如気になっちゃったのは、セのフレンズなのか普通に恋人なのか……?というのが気になって夜も眠れない日々を送っています。個人的にセ○レ以上恋人以下だと嬉しいッピ… 長文失礼しました。